補助金活用と経営学

今、小規模企業持続化補助金の申請に挑戦しています。

売り上げ向上のために行う事業に対し、必要経費の2/3・最高限度額50万円までの金額が補助金として交付されます。

どちらかと言えば、補助金活用という考え方を潔しとしてこなかった私ですが、少し考えを変えたのには理由があります。
先ず一つは、法人税の減税で大企業優遇の方向が打ち出される中、一方で小規模企業基本法なる法律が制定されたこと。(実は、今まで知りませんでした。)
この法律により、我々小規模企業を営む者が、この先どのように処遇されるのか、この補助金を申請する過程で肌で感じ取れるのではないかと思ったこと。

次に、パン屋という商売をして来て、今までモノを造ることには全精力を傾けて来たものの、経営という部分に関しては、その場その場に全くの素人感覚で対応して来た事に対する反省です。
主力で働いてくれている娘たちに給料も渡せない現状が、いつまでも続くわけはありませんから。

今回、私が加入している商工会の主催で申請に関わるセミナーがあり、講習を受けて来ました。

講師は、経営コンサルタント会社の経営者で、今回の申請の審査委員長をされるという方でした。
たった一回のセミナーを受けた範囲ですが、私なりに感じたことを備忘録を兼ねてまとめておきたいと思います。

まず、小規模企業とは、従業員数5人以下(製造業は20人以下)の事業を言います。
個人企業も含まれます。
ちなみに、全企業のうち大企業は0.3%、残りの99.7%の中小企業のうちの90%が小規模企業です。

国は、私たち小規模企業をどのように処遇しようと考えているのか・・・。
ここにも厳しい競争を課すという考え方があるように思います。

この小規模企業持続化補助金は、申請する全ての事業者に採択されるわけではなく、必要性や実現可能性を審査して限られた数の事業者に交付される仕組みです。
全国385万の中小企業、中でもその9割(約350万)を占める小規模事業者に対して、募集枠は3万です。
全員が満額の50万円を交付されたとして150億円。
この金額が大きいのか小さいのか、私には分かりません。

で、講習の中では、経営学の話しに始まり申請書の書き方(合格するための勘所)という話も、当然出て来ました。
聞いていて思ったのは、こういう局面では、本業とはまた違う別な能力が求められるということでした。
そう・・・、人を説得する能力と言うか、訴求力と言うか、そういったものが必要とされる世界なのですね。
自分の事業が如何にその補助金を必要としているかという文脈を、ある意味作り出すわけですから。
いつも実直にコツコツと自分の仕事に打ち込んでいるだけの人には、なかなか入って行けない世界じゃないかと思えます。

そこでまた思ったことは、国は、例え小規模企業と言えど、しっかり利益を上げて納税する事業者のみが残ればいいと考えているのではないかということです。

では、脱落した経営者はどうなるのか・・・。
労働者として雇用されて働いてくれ、ということでしょう。
その時、企業側にとって安上がりで都合の良い、非正規雇用という門が大きく開いていると・・・、このあたりは私の穿った見方かも知れませんが・・・。

いずれにしても、うかうかしてはいられない時代になったのだな・・・と、ため息が漏れる私です。
ところで、その補助金を使って食工房は何をしようと考えているのか、それはこの次またお話しすることにしましょう。

補助金活用と経営学」への2件のフィードバック

  1. MIKIO AOKI 投稿作成者

    arz2beeさん、コメントありがとうございます。
    採択されるかどうかは、私の一存では何ともなりませんが、ベストを尽くしてがんばってみます。
    何をするかは、申請を出してからまたご報告に及びます。

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  2. arz2bee

    私も似たような?経営者ですので、心境がよく分かります。ただ、私の仕事は強力な同業者の頑張りのせいか、恵まれていますので、本業だけやっていれば今までは十分潤っていました。これからは、徐々に変わりつつあるようです。幸い、事務長(家内)は現実的で収益に敏感ですので、助けられます。役割分担というかティームワークが、有効に思います。Mさんは計画を考える才能はおありと思います。是非補助金を得て有効にお使い下さい。

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