月別アーカイブ: 2016年11月

コーヒーも農産物であるということ

食工房の自家焙煎コーヒー

11月30日焙煎です。

過去にも何度か申し上げていますが、コーヒー豆は農産物です。
当たり前のことですが、工業製品のように画一的な品質を期待することは出来ません。

いつも頭を悩ますのは、焙煎前の選別作業のことです。
産地で完璧に選別済みのものがある一方、大変緩い選別でそのままでは使い物にならないものもあります。
困ったことに、選別状態の悪い豆でもこちらで丁寧に選別すれば、素晴らしい風味を出してくれる豆が、案外多く存在します。
それも私の好みに合ったものが・・・。

今日も午前中、娘に手伝ってもらいながら、合計約8㎏ほどの生豆をかれこれ2時間くらい集中して選別しました。
やはり選別するとしないでは、雲泥の差があります。
地味な仕事ですが、コーヒーの味はこの選別で決まると思っています。

これについては過去に詳しく申し上げていますので、長い文章ですが以下に引用しておきます。


このコーヒー豆の選別というのは、なかなか奥の深い仕事で、誰でもすぐ出来る一面、知れば知るほど意外に難しいことが分かって来ると言う、一筋縄では行かない仕事なのです。
もう何度も申し上げていますが、選別はコーヒーの味を良くするためにやっています。
しかし、選別の精度が上がらないと、その効果も程々のところで留まってしまいます。
的確な選別をするためには、これももう何度も申し上げていますが、経験と勘に頼る以外方法はありません。
機械化する方法、マニュアル化する方法、いろいろ考えて見ましたが、そんな簡単には行きません。
比重による選別、色による選別、粒度による選別、どれも豆の欠点を感知するファクターとして決定的ではありません。
では、コーヒー豆のどこを見ているかと言うと、果実としての熟度・乾燥遅れによる発酵・虫食い痕・亀裂と割れ・カビの発生、こうした要素を目視で判断します。
これらの中で、一番難しいのは果実としての熟度を見抜くことです。
農産物としての果実としての、健全性を見なくてはなりません。
しかしこれは、米や麦、豆や雑穀など、粒物に数多く接して来た私にとっては、そんなに難しいことではありません。
乾燥遅れによる発酵の方が、むしろ頭を悩ませます。
それは、はっきりここまでここからという線が引けないからです。
完全に変色変質しているものは迷いなく落とせますが、中間的な段階が連続的に存在していますから、そこは経験によってこのくらいまでというラインを自分で決めなければなりません。
それに比べれば、後の三つは誰でも眼で見て分かる要素ですから、簡単と言えば簡単。
一つだけ難しいのは、小さい虫喰い穴から内部にカビが回っている時です。
これは、外見で分からないこともあります。
これも、今までに疑わしいものをカッターナイフで切り割って内部を確認するなどして、経験値を蓄積してきた結果、まず見落としはないと自負しています。

シュトレンの出荷が本番です。

今週から、いよいよシュトレンの出荷が本番です。
少し前までは、12月に入ってからクリスマスまでに届けば・・・という方が多かったのですが、最近はシュトレンはクリスマスを待ちながら少しずつ食べるものだということが知られたせいでしょうか、11月のうちに送って欲しいというお客さまも多くなって来ました。
そんなわけで、今月20日過ぎからすでに出荷が始まっています。

今年のシュトレンは、また少しですが新たな工夫をしています。
風味や食感に少し変化を感じるかも知れません。
そして以前にも増して、素晴らしい香りをお楽しみいただけると思います。

ご予約の数も、大分埋まって来ましたが、まだ十分余裕がありますので、どうしようか・・・と迷っておられる方も、ぜひご検討ください。
ご注文をお待ちしております。


食工房、明日と明後日は定休日です。

お間違えのございませんように。

藤沢のばあちゃんたちの小豆入荷

ばあちゃんたちの小豆

板橋第一圃場2016年産


ばあちゃんたちの小豆

五十嵐圃場2016年産


ばあちゃんたちの小豆

板橋第一圃場、2016年産小豆の検査結果
画像クリックで拡大します。


ばあちゃんたちの小豆

五十嵐圃場、2016年産小豆の検査結果


大好評のうちに完売品切れとなっていました、地元藤沢集落のばあちゃんたちの小豆が入荷しました。
それで、皆さまに詳しくご報告申し上げなくてはならないのですが、今年は小豆の出来が大変悪く、収量も半分以下となっています。

まずこの夏、開花時期を挟んでしばらくの期間少雨高温の日が続きました。
この影響で、受粉から結実、充実の重要な時期に、いわゆる焼けと呼ばれる障害が出ました。

そしてその次は、収穫期前からの長雨と低温です。
せっかくどうにか実った小豆も、登熟乾燥期に雨に濡れることが多かったため、多くが黒変して廃棄せざるを得ませんでした。
結局、どうにか使えそうなものを選別して、昨年の半分以下の収穫となりました。

しかし、品質は良くありません。
小粒で皮が厚く、全体に色合いが黒ずんでいます。
その分アクが強く、煮えるのも遅いというわけです。

さあ、どうしましょう・・・!

こんな時、良い小豆を手に入れることだけを優先するなら、他所から仕入れればいいだけのことです。
しかしここでちょっと、おばあちゃんたちのことを考えてみてください。

半年近く手間暇かけたのに、たまたまお天気の具合で不作になりました。
収量は半分以下で、品質も劣ります。
普通なら、買い叩かれるか捨てるしかありません。

私は考えました。
一昨年、昨年と、全く素晴らしい小豆を提供してもらって、小豆のおいしさを堪能させてもらって、今年はちょっとダメだったけど、来年またがんばってもらうためには、今年の痛みはある程度でも引き受けなくてはならないと。

そこでやっぱり、昨年と同じ単価で引き取ることにしました。
おばあちゃんたちは、気の毒がって金は要らないと固辞しましたが、無理にも受け取っていただきました。

そのようなわけで、この小豆を昨年と同様に皆さまにも買っていただければありがたいと思っています。
もちろん、無理強いするものではありません。
よろしかったらということで。

食工房では、来年この小豆で漉乃あん丸をつくります。
あく抜きに時間をかければ、そこそこ使えると思っていますので。

藤沢のばあちゃんたちの小豆 250g1袋 350円にて発売

パン焼き、雪囲い、コーヒークッキー、シュトレン

雪囲い

地面に2本の鉄パイプを立てて基礎を作っているところ。
下は三角形の構造にして、倒れないようにします。


雪囲い

ここまでやって、かけた梯子が外せないことに気づきました。
一本外してやり直しました。


雪囲い

しだいに高くなって、作業も慎重になります。
実は、地面から立ち上がっているパイプの先に5メートルのパイプを継ぐ時が、一番怖かったです。


雪囲い

今日はここまで。5メートルの梯子より上まで行きました。

今日も、いっぱいやりましたよ。
早朝から午前中は、まずパン焼きです。

今日は、お天気が良くてしかも暖かかったので私だけ早上がりしして、次に昼前からしばらくの間、外で作業しました。
雪囲い設置の続きです。

今日は、屋根に上がるための足場を作ってみました。
今までは、屋根下の雪山の上から梯子をかけていましたが、これだとある程度雪のカサが上がって来るまで梯子が届かなくて、屋根の上に小山のようになった雪を早くおろしたくても、どうにもなりませんでした。
そこで、今のうちに地上からしっかりした足場を組んでおいて、いつでも屋根に上がれるようにしようというわけです。
あと少しで完成です。

そして3時のお茶の後は、コーヒークッキーの仕込みをして、それから明日のシュトレンの材料の用意でした。

それで面白かったのは、足場を組む時に重い鉄パイプを持ち上げたり、レンチでナットを締め上げたりして思いっきり腕の筋肉を使いましたので、その後絞り袋でコーヒークッキーの生地を絞り出すのが、いつもに比べていかにも楽で、何だか筋肉のスイッチが入ったような感じがしました。
いつも小一時間かけてやる作業が30分で終わってしまったのには、我ながら驚きました。
そのあとも、テキパキと作業が進んで、残業覚悟でいましたが、ずい分早く終えることが出来ました。

さて、まだやることがあります。
ではでは。

忙しくなって来ました

私、元々忙しい人なのですが、この時期は特別です。
例年、どうしても一つや二つ取りこぼしが出てしまいますので、緊張しっ放しです。
それもあまり良くないと思いつつ、そうも行きません。
例年この時期の稼ぎで、どうにか一年を回していますので、ここでがんばらなくてどうする!です。

多くの皆さまの喜ぶお顔を思い浮かべながら励みます。
次々ご注文をいただいているシュトレンですが、まだ余裕があります。
どうぞよろしくお願いいたします。

雪の気配

庭の銀杏

先日葉を落とした庭の銀杏
乗る人もいないブランコがさみしそうです。
間もなくここも雪に覆われます。

今日は、東京で雪が降ったとか。
雪国会津より先に、平地で雪が降ったのですね。
全く何が起こるか分からない、最近の自然界の動きです。

とは言え、ここ会津でも今日は曇り時々冷たい雨または霙、高い山の上は雪でした。
もう間もなく、あたりは雪に覆われて白銀の世界に変わるでしょう。
除雪車も、待機場所にやって来ました。

一方食工房では、暖かい室内にパンの焼けるにおいが立ち込めました。
酵母の調子もパン生地の状態も、今日はほどんど最高でした。

このところ留意していることは、酵母の発酵の熟度をなお一層厳密に管理すること、あと一つパン生地の硬さ加減(やわらかさと言ってもよい)に細心の注意を払うことです。

パン生地の硬さに影響するのは、まず水分量です。
酵母の発酵を活発に維持するために、水分はある程度多い方がいいのです。
風味も食感も良くなります。

しかし、やわらかい生地は、技術的な水準が高くなければ扱えません。
今までこのくらいが限界と思っていたところから、まず一歩でも二歩でも超えてみようと、全員で挑戦しています。
まあ自分で言うのも何ですが、長年やっているうちにある程度下地が出来ていたようで、ここ半月くらいの間にどんどん生地がやわらかくなっています。

国産小麦、天然酵母のパンは、硬くてどっしりと重い・・・、このイメージを返上出来る時が来るかも知れません。
それでいて麦芽と酵母の風味が最高のパンを目指します。
どなたが召し上がっても、おいしいと言っていただけるパンが出来るまでがんばります。

今週のコーヒー焙煎

今週の焙煎

今週焙煎した銘柄と焙煎度
11月第4週

今度から、その週に焙煎した自家焙煎コーヒー豆を、店頭とブログ上に掲示することにしました。

毎週全ての銘柄を焙煎して販売するためには、時間も労力も不足しています。
そこで、お客さまからいただいたご注文を優先しつつ、余裕のある範囲で他の銘柄も焙煎します。
前の週の売れ残りもあったりしますので、そちらはアウトレット品として、店頭にて割り引き価格で販売します。

今週の目玉は、これからマイブームになりそうな「やや深炒り系」です。
インドとコロンビアをハイローストまたはシティーローストにしています。
酸味が切れてロースト香がグンと濃厚です。
苦みはそれほど強くなく、かすかに甘みも残ります。
酸味が苦手な方のために、特におすすめです。

なお、前もってご注文いただければ最優先で用意いたしますので、いつでもご遠慮なくご連絡ください。


オンラインストア でもジャムが買えるようになりました。

ただ今2品目ですが、順次追加して行きます。
ご利用、よろしくお願いいたします。

地震の被害、特にありません

今朝の地震には驚かされました。

久しぶりに大きな長い揺れ、とっさに頭をかすめたのは郷里の高知のことでした。
南海トラフが動いたか!と緊張が走りました。

テレビのニュースが、震源は福島県沖と報じているのを聞いて、半ば安堵と同時にまたしても三陸沿岸かと、複雑な気持ちになりました。

まあしかし、さすがにあの大震災の時に比べたら、被害は軽微だったと思います。
会津の我が家の周辺では、ほぼ何事もなかったかのように今日一日が過ぎました。

その一方、また改めて日本は地震列島であることを思い知らされました。
いつでも、あの震災の時の惨状を忘れてはいけない、と言われているような・・・。
本当は、少しは忘れて先に進みたい気持ちもあるのですけどね。
原発も、何事もなかったようで、ホッとしました。

それにしても、この気持ちの悪いような暖かさ、地震と何か関係あるのかな・・・と思ってしまいます。
明日からは、また寒くなって雪も降るようですが。

おかげさまで、雪囲いがほぼ完成しました。

昨日、今日、いやに暖かく

雪囲い

家の台所の外側です。
足場用単管パイプと垂木で受けを作り、波板のパネルを取り付けます。

昨日もそして今日も、冷え込みが緩んで風も穏やか、これが所謂「小春日和」かと思えました。
しかし、シュトレンのためには、少々気を揉む暖かさではありました。
まあ何とかなりましたが・・・。
所詮暖かいと言っても11月ですから。

今日もこのお天気を逃すまいと、合間に雪囲い設置の作業を進めました。
こんな風に、時間を融通しながら少しずつ進められるのも、そこが自営業のいいところです。

実際、作業自体はそれほど大変ではありません。
毎年の習いで手順もこなれているし、やっていて楽しいとさえ感じます。
この調子なら、本格的な降雪までには、十分間に合いそうです。
明日もまだお天気が持ちそうですから、もう少し進められると思います。

明日と明後日は、定休日でした。
食工房は、お休みです。
お間違えのございませんように。

おかげさまで、カレンダーの編集も少しずつ前進しています。

暖かい一日でしたが、シュトレン無事終了

今日は、日中いやに暖かく、シュトレンを焼き上げた後の冷却が心配でした。
それでもさすがに11月も下旬に入りましたから、夕方にはまたじわじわと冷え込んで来て、バターとグラニュー糖を付ける作業も無事終わりました。

冷却中、外は暖かくお天気も悪くなかったので、このチャンスを逃してはなるまいと、雪囲いの設置です。
外用作業服に着替え、作業用腰袋をぶら下げ、インパクトドライバーを片手にパネルの組み立てをやりました。

首尾よく進んでいたのですが、途中からお天気が急変して雨に。
止むを得ず終了して、家の中で少し休みました。
何しろ、寝不足が溜まっているのです。
その後、食工房に戻ってシュトレンの始末を終えたら、早や夕食でした。

明日は、シュトレンの仕上げと、大麦ビスケットとどろんこクッキーの製造です。
やっぱり忙しいですね。
がんばります。