猿知恵と勝負する

獣の害は、相変わらず酷いです。
猿は、集団で畑を荒らしにやって来るので、荒らされたあとは見るも無残な光景です。

トマトなんか、赤く熟れたものが甘いことが分かっているのでおいしいところだけ齧って、不味いところはそこらに打ち捨てて行きます。
なすでもきゅうりでも同じです。
ネギや玉ねぎは好物で、ネギもたまねぎも白くて甘いところだけ食べてそれ以外は捨てています。
その食い散らかし様が、何とも憎たらしく、腹わたが煮えくり返ります。

先日は、一人暮らしのおばあちゃんが丹精した野菜畑が荒らされて、ほぼ壊滅状態でした。

猿どもは、もう何もかも分かっているのです。
人間は恐れるに足りないと。

大きな音がする花火で追い立てられるのは嫌だけど、それで死ぬこともケガをすることもないと気づいてしまっています。
高い木の上に逃げれば、人間は上って来られないこともとっくにお見通しで、木の上から余裕でこちらを見下ろしています。

猿が何故人里の畑のものを食うのか、山に餌が無いからだと言う人がいますが、そんなことはありません。
山にいくら餌があろうと無かろうと、猿どもは畑にあるものの方が美味くて量も沢山あることが分かっているのです。
わざわざ畑を狙っているのです。
だから作物が実らない季節は、出て来ません。

今頃は、集落から集落へ、まっすぐに道草なんかしないで畑にやって来ます。
こっちで追われればあっちへ、あっちで追われればまたこっちへ、何度でも懲りずにやって来ます。
耕作放棄した畑は見向きもしません。
人間は、自分たちに危害を加えることが出来ないことも知っているみたいです。

唯一の例外は、狩猟者が着用するオレンジ色のベストです。
これを着て近づいて行くと、すぐに逃げていなくなってしまいます。
それではと、オレンジ色のベストを着せた案山子を立ててみたところ、しばらくは効き目があったらしいですが、間もなく見破られてしまったみたいです。

このように知恵の働く猿どもを相手に、どんな手があるだろうかと、頭をひねっている私たちです。
でもねぇ・・・、猿よりは賢いはずの人間なんだから、何とかならんかこの事態・・・。

私は、畑に行く時も、散歩で外に出る時も、いつでもロケット花火と発射筒、スリングショットと弾丸を持って行きます。
もし猿に出会ったら、やる事はもう決まっています。
徹底的に威嚇することです。

ボス猿が仲間に退避を呼びかけるまで、しつこく追い立てます。
時には、ボス猿の威嚇の声を真似て大声を出します。

木陰に姿を隠した時は、指笛を吹くとそれが猿の呼び声に似ているのか、どうしても気になるらしく姿を現します。
そこへすかさずロケット花火を打ち込んで追い立てます。

そうやって少しずつでも猿どもを後退させることが重要です。
この次やって来る時は、ずっと用心深くなっていますから。
実際、私の姿を見ただけで、警戒して退避行動をとるようになり始めています。

地味なようでも、それの繰り返しで、猿どもに「どうも、ここは難しい場所だ・・・。」と学習させるのがいいのです。
猿どもは、花火の音が嫌と言うよりは、そうやって即座に対応されることに恐怖を覚えるのです。

だから何も対応しないでいることが、一番悪い!
たとえば、車で走っていて道路際に猿がいたら、だまって通り過ぎるなよ!
せめてクラクションくらい鳴らせよ!って話しなのです。

とは言え、猿どもも喰うことに命を懸けていますから、益々果敢に人に向かって来るかも知れません。

こちらは、これと言って武器を持っているわけではありませんから、まだまだ知恵比べは続きます。

猿知恵と勝負する」への2件のフィードバック

  1. MIKIO AOKI 投稿作成者

    兵庫の松原の連れ合いさん、コメントありがとうございます。
    全くお察しの通りです。
    猿たちは、間もなく都会に出没するようになります。
    何故って?
    それは、都会では山里のような厳しい対応をしない(出来ない)からです。
    猟銃も、人家の近くでは発砲禁止ですし、大きな音のする煙火も使えません。
    スリングショットなどの飛び道具も、危険防止のために使えません。
    つまり手も足も出ないことを、猿たちはすぐに見破ってしまいます。
    鉄砲で狙われたら、人のいる方に逃げれば良いと、すぐに学習するでしょう。
    もはや、人間よりも猿の方が頭を使っていることは間違いありません。

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  2. 兵庫の松原の連れ合い

    野猿との知恵比べ、お疲れ様です。
    今日帰ると、妻が「幹雄さんが、えらい怒ってるよ」と言ってブログの話をしていました。
    私も一読して、「これは不良中高生vs.コンビニの店員」って感じだなぁと妙に納得してしまいました。
    昔話では、悪さをするタヌキやサルは最終的に懲らしめられて、たぬき汁にされたり殺されたりしますが、今の世の中ではなかなかそうもいかないのが実情ですね。
    「動物愛護の精神」なんてのは都会の人間のエゴでしかないことを思い知らされます。
    「それなりの大きさの犬を放し飼いにしておくのが一番効果的なのだ」という話を聞いたこともありますが、今のご時世では、「リード無しで犬を放すなんて・・・」などと眉をひそめられそうです。
    「遊び」で家庭菜園をやっている都会の人間の価値観と「生活の糧」として田畑を丹精している人の価値観とでは、どこまで行っても交わらないでしょうね。
    幹雄さんが何らかの方法で野猿たちを懲らしめたり殺したりすることは不可能ではないでしょう。
    しかしその後に敵になるであろう「頭の黒い猿」は本当に厄介な存在です。
    やはり人間の敵は、最終的には人間なのでしょうね。
    何だか、とほほ・・・な話になってしまいました。
    私が、山都に行った際には、ぜひ悪ガキ時代に戻ってパチンコと竹竿で幹雄さんの加勢をさせていただきたいと思います。

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