日別アーカイブ: 2020年10月12日

ターニングポイント

昨日も今日も、それも朝に晩に、市の防災無線のスピーカーが報じるのは、熊の出没のことです。
中には猪の出没のこともあります。
山間に限らず、街中でも人家の直近でも、所構わずです。

何と言ったら良いのでしょう、野生動物と人間社会との関りに置いて、ある意味ターニングポイント、つまり引き返すことの出来る最終地点を越えてしまったかも知れません。

動物たちの態度は、明らかに変化しています。
人に対して、遠慮が無くなったと言ったら良いかも知れません。

人が日常的に活動している領域でも、時間を選び状況を選んでどんどん侵入し歩き回っています。
窓を開ければすぐそこの見える場所まで来て、庭の柿の実を食べ大きな糞を残して行く熊がいます。
野生動物にとって、糞をするのは落ち着いて安心している証拠だそうですから、もはや人家の直近がそんな場所になっているということなのですね。

熊の足跡を見れば、熊がどんな気分でそこを歩いたかが分かると言われています。
私も、おぼろげながら少し分かるようになって来ました。
例えば、どっしりと落ち着いていたか、ビクビク緊張しながら来たか、そんな様子を窺い知ることが出来ます。

人の日常的な生活圏に野生動物の侵入を許すのは、本当はあってはならないことです。
それは、動物の側から見ると、人間の敗北と映ります。

相手が熊や猪、またニホンザルなどの大型獣の場合、人命に危険が及ぶ可能性大です。
第一、日々の生活に深刻な支障が出ます。

以前は街はずれの山間地の特殊事情に過ぎなかった野生動物の侵入が、今や街中の駅前のような場所でも起こっていることを考えると、最初に申し上げたターニングポイントを越えたかも知れないという意味をお分かりいただけると思います。

もしそれが事実だとしたら、我々の社会は今後、野生動物との付き合いに悩まされ続けることになります。
解決への道は遠く、社会的経済的負担も小さくは済まないでしょう。

今のうちに・・・という段階は、もはや過ぎ去ってしまったと思っている私です。


明日と明後日、食工房は定休日となっております。
お間違えのございませんよう、よろしくお願いいたします。