今年で6回目となる麦の収穫をほぼ終えました。
ほぼというのは、稲架かけしたまま取り残されたデュラム小麦が、長雨に打たれて多分ダメになってしまうと見込まれるからです。
それは、コンバインの故障による結果なので、ある意味仕方ないこととして受け止めています。
麦作りをして来て学びそして分かって来たことについて、幾つかまとめてみたいと思います。
まず、日本の気候風土では、秋播きで初夏に収穫期を迎える麦は、それがちょうど梅雨の時期と重なるため、幾つもの難しい課題が生じることになります。
最低でも雨が降っていない日が2日程度続いて圃場が乾かなければ、刈り取りは出来ません。
次に、刈り取った麦はすぐに脱穀して乾燥機に入れ、素早く水分を抜かないとカビの発生など品質劣化のリスクが大きくなります。
そのためにコンバインが活躍することになります。
昔のように、手刈り、稲架かけ天日干し、足踏み脱穀、唐箕選別と時間をかけることは、うまく行けば最高かも知れませんが、逆に常に品質を損なうリスクに直面することにもなります。
実用的な量の麦の収穫を目指すなら、耕耘のためのトラクター、播種機、中耕のための管理機、収穫のためのコンバイン、乾燥機、籾摺り機、選別機くらいを最低でも用意して臨む必要があります。
そして、夏に向かうこの時期に収穫した麦は保管も難しく、暑い夏の時期に一気に品質を損なってしまう可能性が大きいのですね。
今は、穀物用の低温倉庫に預けることも出来ますし、自前で冷蔵保管庫を用意すれば、費用はかかるにしても万全な保管が可能です。
逆に言えば、それらの機械設備の用意があれば、梅雨時の不安定な天気の下でも順調に収穫作業が出来、その後も年間通じて品質の良好な原穀を供給出来るわけですから、国産の麦作りは今後発展の余地が大きいと言えます。
で、食工房では、それらを一応一通り用意して臨んで来たわけで、自己評価にはなりますが年々収量、品質ともに概ね向上して来ています。
今後の課題としては、需要に見合うためにまだまだ作付け面積を増やしたい考えがありますので、それに対応した機械力の充実を実現しなくてはなりません。
耕作地は、周囲に空いている圃場がありますから、そこを借りることで満たすことが出来るでしょう。
百姓6年生もこの夏の圃場整備をクリアして、秋の播種に漕ぎつければめでたく卒業です。
次は、百姓中学一年生です。