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山の実りは豊かにちがいない

今年のお正月の元旦早々、能登を震源とする大きな地震があったことは、未だに記憶に新しいことです。
会津のこのあたりでもかなり大きな揺れが長く続きました。

その時とっさに、今年は植物たちが沢山実を成らすに違いないと思いましたが、実際その通りになって来ています。

春先、山の植物も庭の植物も、それはそれは見事な見栄えの花を沢山咲かせました。

6月の頃には、桑の木が異常と思えるほどに鈴なりに実を付け、落ちた桑の実が黒い絨毯のように地面を覆いました。
それを食べにクマたちが連日やって来たことは、このブログでも報告しています。

9月になり季節が進んで、栗や柿が食べ頃となりましたが、こちらも枝が折れんばかりに沢山実を付けています。

これを狙ってクマたちがまたやって来るに違いないと、トレイルカメラを仕掛けて待っていますが、意に反して一向に現れません。
いや、まだこれからなのかも知れませんが、予備偵察に回った様子もありません。

昨年の今頃、連日のようにクマに関する報告を上げていましたが、今年の秋はいやに少ないな・・・と思われませんか。

実際その通りです。
多分ですが、昨年みたいに人家の近くまで侵入せずとも、山の中あるいはもっと集落の外れあたりで十分腹が膨らんでいるのでしょう。
否、そうとしか思えません。

ということはです。
豊富な食料にありついてしっかり身を養ったクマたちが元気に冬を越し、また沢山子を成して来年を迎えるということになります。

その後がどうなるか、考えなくても分かります。
その予測の上に立って、来年の獣害対策を今から考えて置かなければなりません。
まあ、来年になったら、否でも分かります。

9/17 クマ出没

獣害対策

8/27、9/12 に出没した個体と同一個体です。

獣害対策

画像リックで拡大表示します。

今朝方9/17 04:19 、屯所向かい墓地参道入り口にまたクマが現れました。
8/27、9/12 と同一個体だと思われます。(ほぼ間違いない。)

いずれの映像も、映り出しが坂道の途中を上って行くところからなので、その手前でどの方向からやって来たのかが分かりません。
少なくともカメラの前を横切って行ったのではないでしょう。

カメラのトリガースピードは、静止画で0.2sですが、動画の場合は少し遅いとしても0.4~0.6s以内だと思いますので、やはり草の陰などからスッと入り込んで来た、そんな動きだと思います。

複数台設置して違う角度から狙えば、もっと詳しい状況が分かると思うのですが、どこからどの方向に向けるかがとても難しいのですね。
少し前、一度挑戦したのですが、うまく行っていません。

それに、他にも気がかりな個所は沢山ありますから、一箇所に複数台のカメラを置くと、他の場所が監視出来なくなります。

お彼岸も近いことですし、お墓に行く参道ですから、とりあえず注意喚起のために回覧板で情報を告知することにしました。

今後のお天気が、少し心配

昨日までずっと少雨傾向のお天気が続いていましたが、今日は昼頃に猛烈な降雨があり、その後夕方までそして今も雨模様のお天気です。
さすがにパサパサに乾いていた地面も、たっぷり水を含んだと思います。

そして今後一週間くらい、秋雨前線の影響で雨がちのお天気が続きそうです。
このあともう一度乾くタイミングがあると思っているのですが、もしそうならなかった時は、麦の種まきに支障が出ます。

いつもながら、お天気には逆らえませんので、ハラハラドキドキ気を揉むことになります。
まあこれは、農業という仕事を選んでいる以上、宿命みたいなものですね。

それに比べれば、屋内で計画的に仕事が進むパン屋は、ある意味気が楽と言えます。
と言うか、仕事を二つあるいは三つ持つことは必ずしも不可能ではありませんが、その一つに農業が関わると、難易度が飛躍的に高くなるのだな・・・と、今頃思い知ってもどうにもなりませんね。

悪い選択だったと思っているわけではありません。
必要なのは、健康と体力です。

私、今72歳、もうすぐ73歳。
あと何年?と数える方が早い歳になりましたが、まだまだ弱っているわけには行きません。
最後まで現役で、オーブンの前か畑の隅で終わりたいと思っているくらいですから。

がんばります。

予期せぬ雨に振り回される!?

ここ数日のお天気は、曇りまたは晴れで日中は猛暑、そこへ予期せぬにわか雨が15分かそこらダーッと降って来るというもの。
それも一度だけとは限りません。
昼夜問わず数回。
もちろん、外での作業は中断となります。

では、定植したキャベツや白菜にとって良いお湿りになったかと言えば、ノー!
決定的に雨量が足りていません。

整備中の圃場は、トラクターで耕耘すると、所々土ぼこりが立ちます。
麦の種まきまでは、これがかえって好都合ですが、定植したばかりの秋野菜は毎朝夕に水やりです。

お天気というもの、その時々に何をしているかどう対応するかで敵にも味方にもなるということですね。
そしていつもうまく行くとは限らない、それがお天気というものでしょう。

いまだ残暑が厳しく10月まで続くとの予報もありますから、麦の種まきの時期も遅らせるなど調製が必要かも知れません。
尤も、圃場整備はまだ完了していませんが・・・。

農業という仕事、いつも自然と共にあり、自然を観察する目と感覚が大切と思う今日この頃です。

残暑厳しいながらも、季節は秋

昨日も今日も、日中の暑さは真夏並みです。
しかし、日は確実に短くなっており、夕方は午後6時を過ぎれば早や暗くなり始めます。
朝夕の涼しさは快適で、季節はもう秋に入っているのだと感じます。

栗のイガも膨らんで来ました。
柿の実も大きくなって来ました。
雑草の勢いもやっと衰えを見せ、刈っても刈ってもすぐ伸びて来る、あのモンスターぶりは無くなりました。

一方、あたりの水田では、稲刈りのコンバインのエンジン音が響き渡っています。
あちらこちらの農家さんから、夜通し乾燥機の音が聞こえて来ます。

新米がおいしい食欲の秋、始まりますね。
いやいや、パンだって今新麦になってますよ。

明日も、おいしいパンを焼いて、皆さまのご来店をお待ちしております。

クマ出没二夜連続

獣害対策

すでに子グマではありませんが、成獣でもなく年若いクマのようです。


獣害対策

顔に対する耳の大きさから、幼少個体であることが分かります。


獣害対策

何を食べているのか分かりませんが、この時期にしてはずい分肉付きが良く、餌に困っている様子は無い。


獣害対策

向きを変えて、この後足早に走り去る



★画像クリックで拡大表示します。

獣害対策

映り始めがこの位置であることから、段差の上から駆け下りて来た可能性が大。
8/27の個体と同一と見られる。


獣害対策

段差の上を気にしている様子は、8/27の個体と全く同じ行動。



獣害対策

以前と違い、ここ数回とも入口から奥へ上って行く姿ばかりになっている。
★画像クリックで拡大表示します。

実は、昨日(9/11)の早朝未明そして本日(9/12)の早朝未明、二夜連続でクマが出没しています。

それぞれ場所は異なりますが、同一個体か別個体か今一つ判断出来ませんが、最低一頭あるいは二頭がこの付近を活動エリアにしている模様です。

出没場所は、9/11が高野地内最奥の農道分岐点付近(pt1地点)、9/12は消防団屯所前墓地参道入口(p6地点)。

いずれも子グマから成長を遂げた若いクマのように見えます。
大きさもこれまでよく見ているような大きさからすると、やや小さく見えます。

尤も、それでも体長1m以内程度、体重は60kgくらいはあるのではないでしょうか。
人間が素手で戦える相手ではありません。

このクマ、あるいはクマたちが、どの範囲を徘徊しているのか、もっと多くの情報を集めないとはっきりしません。

とりあえず昨日の情報のみですが、役場の市民課獣害対策班に、画像、映像、説明図を添えて出没の報告をしています。

ちなみに、ここは現在箱罠を設置している場所とは離れていますが、当該個体が掛かる可能性がないわけではありません。

今後の状況を見守りたいと思います。

この秋のクマ出没は・・・

昨年のブログを見ると、9月と10月の2ヶ月間、クマが集中的に出没しています。
加えてこの集落では、蜜蜂の巣箱を与っているお家があったため、そこをターゲットにクマが連日連夜通って来るという事案も発生しました。

後になって、その時の複数のクマが通り道にしていたルートを発見しています。

今年は、その通り道の各要所を集中的に刈り払いする対応を取っています。
そして、当集落では、私たちの他にも積極的に刈り払いをしてくださる方が増えて、今クマが出没しそうな、あるいは通り道にしそうな箇所が次々切り開かれています。

その結果が、これから2ヶ月の間に明らかになるものと思われます。
今のところですが、昨年同時期にクマの出没があった地点で、トレイルカメラによる観察ではノーヒットです。

ただ、もし現れたとしても、ルートが変わっている可能性もあり、痕跡を見逃さないよう周辺の見回りを欠かしません。
また、各圃場の地主や、耕作主の方々と情報を交換し共有するよう、積極的に声を掛け合っています。

ここに来て、やっと獣害対策に作戦らしきものを立てられる段階に来たのかなという気がしています。
努力の甲斐はあったと思っています。
これで、この秋のクマ出没に顕著な変化が見られたら、一部我々の勝利ということになります。

ちなみに、8月末の子グマ他の出没に対応して、山の中に捕獲用の箱罠が設置されました。
狙った通りのクマが入るかどうか分かりませんが、他にもクマは沢山いるので、早晩最低一頭捕獲は確実と思われます。
当集落では、区長名で集落全員の総意として駆除要請を出していますので、捕獲されれば確実に駆除されます。

生存は戦い

この頃、生存は戦いであると思うことしきりです。
ロシアが隣国ウクライナに侵略戦争を仕掛けて早や2年半、ウクライナの人々は、まさに生存をかけてロシアと戦っています。

それとは比較になりませんが、私も、生活の安全保障のために、また大切な農作物を守るために、獣たちと戦う毎日です。
また病気の治療に専念することも、「闘病」と呼びこれも生存をかけた戦いです。

他方、自然界に目をやれば、そこにも生存をかけた様々な戦いの風景が繰り広げられています。
今、私の脳裏を、生存は戦いであるという側面が大きく占領しています。

一方、生存は、融和、協調、互恵、共生によって支えられるものであることもまた確かです。
ただし、これは世界の半分を見ているに過ぎません。
否、これだけで世界が成り立つのであれば、そこはパラダイスという名の楽園に違いないのでしょうが、そうは行きません。

ウクライナとロシアの戦いをみても分かることですが、外交努力だけで戦争を防ぐことは不可能です。
確信的に侵略を意図して向かって来る相手に対しては、戦う以外対処する方法はありません。

比較してはいけないのかも知れませんが、私が立ち向かっている獣害においても同様です。
動物愛護の精神だけでは、獣害を無くすことは不可能です。

我々人類もまたこの世界に生きている以上、自分たちの利益を優先するのは当然です。
それが、他の生物の迷惑になるからと言って、それをすべて悪とするなら、私たちは皆生きることを止めなくてはなりません。

どんなにバランスを取ろうとしたところで、何も殺さず傷付けず、どこにも圧力を生まない生存など、人類に限らずともあり得ません。

むやみな殺生はすべきではありませんが、その手段を放棄することは生存をあきらめることと同じです。

何事も、相手次第でしょう。
相手によって手段を選ぶだけです。

かつて人類は、オオカミの仲間である犬を手なづけ、お互いの生存に貢献し合う関係を築きました。
牛や馬もそれぞれに、人と共に暮らしています。

一方、クマはどうだったでしょうか?
とうに結論は出ているはずです。

この強い生き物を大人しくさせておくには、戦ってこちらの強さを思い知らせる以外なかったということです。
いつも彼らに向かって圧力をかけ続けていなければ、彼らの側に奪うことに対する遠慮は存在しません。

今、人類が何万年をかけて築き上げて来た、いろいろな獣たちとの関係が大きく崩れようとしています。

間違った動物愛護の感情に取り付かれている間に、我々が何を失うことになるのか、その重大さに一刻も早く一人でも多く、気づいて欲しい!と願う私です。

生存は、常に戦いの一面を持っていることを忘れないで!

関連記事 「共存は不可能、クマの性格」  「学習放獣」という名の謎

ますます高まる通販依存

物品を購入する手段として、近年ますます存在感を増しているのがネット通販です。

例えばこんなことがありました。
昨日のことですが、食工房で使っている機械設備のパーツ(Vベルト)が摩耗して損傷寸前になっているのを発見しました。

そこで、配達に出た折、ホームセンターに立ち寄って購入しようとしたところ、Vベルトがあるにはあったのですが、お目当ての番手のものは取り扱っていませんでした。
当然取り寄せということになり、日数もかかります。

明日にも必要という状況だったので、ネット通販サイトを当たってみました。
いつも利用しているAmazonですぐに見つかり、しかも翌日配送扱いです。
早速注文して、今日にはそれが届きました。

まあこんな風に、動かずして物品の調達が迅速に出来るとなると、これを利用しない人はいないでしょう。
そして、ホームセターなど実店舗では、利用の稀な商品はどんどん在庫品から削って、売れ筋のものだけ置くようになります。
そんな流れが、あらゆる商品に及んでいるというのが現状だと思います。

毎日買い求める生鮮食料品などは、実店舗のメリットが大きいのでこの先も健在だと思いますが、書店などはもう絶滅危惧業種になりつつあります。
実際、私に関して言えば、ここ数年以上書店で本を購入したことがありません。
ネット通販かあるいはkindleを利用しています。
好きな音楽も、同様です。

そのような生活様式の変化を前提にして、一方で食工房の営業戦略はどうあるべきかと考えてしまいます。
我が食工房の製品は、どちらかというとマニアックな性格を持っている上、場所も山間の小集落の只中ですから、実店舗での販売に限りがあることは分かっています。
そうすると、ここでも通販依存が大きくならざるを得ないのですね。

そこで問題となるのが運賃です。
どうしたって避けられないコストですから、これを利用者の皆さまにどう納得していただくか、それが最重要課題となります。
もちろん、高い運賃を払ってでも手に入れたい魅力ある品物であることが、何より最前提であることに違いはありません。

そして営業に関する情報発信も、欠かすことの出来ない重要課題です。
同じことの繰り返しでマンネリにならないような情報を発信し続けることは、実は大変難しいと言わなければなりません。

皆さまに振り返っていただくためには、ちゃんと手間暇をかけて丁寧な情報づくりを心掛けなくてはなりません。
通販を成功させるためには、実はこれが一番重要かも知れません。
いきおい、忙しくなるわけですね。

さてさて、明日はまたパン焼きです。

気になる台風の動き

天気図を見ると、この進路の定まらなさが分かるかも知れません。

早や九州では被害も出始めた今回の台風10号です。

今後の進路予想を見ると、何とも嫌な動きになりそうです。

高知の妹に電話をしたところ、「心配でしようがないけど、どうにもなりません。」とのこと。
まあこればっかりは、遠い福島から出来ることと言って何一つありませんから、気を付けて過ごすよう励ますしかありませんでした。

尤も、その後はこちらを目指して進んで来ることになっていますから、私だってうかうかしてはいられません。
被害が想定されるところがないか、点検したり対策したり、まあこれも出来る範囲で対応するしかありません。

心のどこかで、まず大丈夫!と楽観していると言うか、これがいわゆる正常バイアスが働いているということなのでしょうか。
心を平穏に保つための自己防衛本能かも知れません。

そう言いつつ、決して油断することなく、いい意味で緊張感を保持しつつ過ごしたいと思っています。
もちろんそんな状況の下でも、いつも通り営業を続行、明後日土曜日には予定通りまたパンを焼くと思います。
動いてさえいれば、宅配便の出荷も出来ると思っています。

皆さまに置かれましては、それぞれの状況の下で、生命の安全第一に過ごされますようお願い申し上げます。

この台風が行けば、多分・・・ですが、涼しくなるのではないかと思っています。