災害一ヶ月

8月3日の夜から4日未明にかけて降り続いた集中豪雨による災害から一ヶ月が経ちました。
時間の経過とともに詳しい被害の実態が分かるにつれ、その凄まじさに驚いています。
全くすごい!の一言に尽きます。
我が藤沢集落だって凄いことになったのですが、これがまわりの至る所で同様かそれ以上だというのも驚きです。

それにしても、8月3日の深夜、中島の圃場はほとんどすべて水没していて、あたり一帯が濁流の海のようになっていたわけで、出来れば見ておきたかった・・・。

あの夜は、豪雨の中、合羽を着てやっと下の様子が見えるところまで行ったのですが、懐中電灯の明かりでは全体の浸水の様子を見ることは出来ませんでした。
推測の域を出ませんが、中島第2圃場で2mくらい、中島第1圃場では3mを超える水位になっていたものと思われます。

状況としては、辰ヶ原橋に引っかかった流木などで堰止湖が出来、堤防を越えて大量の水と土砂と流木が流れ込んだ後、しばらくしてその堰止湖が抜けて一気に水が引いた勢いで、小屋やコンバインなどが川に向かって流されたものと思われます。

物凄い光景だったでしょうね。

水が流れた方向は、草や木がなぎ倒されている方向でだいたい見当が付きます。

それにしても今回の災害では、人的被害が無かったことが先ず何より幸いでした。
それから、辰ヶ原橋が落ちなかったことですね。
相川橋も流木が突き刺さりましたが、持ち堪えました。

あとは復旧が待たれるわけですが、余りの被害の規模の大きさに、対応が追い付いていません。
いろいろな条件を加味して優先順位が決まり、それに従って工事が始まるのでしょうが、この一ヶ月の動きとしては、被害の確認と測量などに止まっています。
着工までには、まだまだ長い時間を要すると思います。

その間、私たちは私たちに出来ることを進めて行きます。

電気柵の復旧、今日もまた一歩進みました。

麦の種まきの準備も進んでいます。

新たに開墾した圃場には、娘がキャベツの植え付けをしました。
あとは大根と白菜だそうです。

もちろん、食工房の仕事もこなしながら。

気落ちなんかしていませんので、ご心配なく。


ЧИ ВІРИШ ТИ – Награш band 「信じますか」- ナグラシュバンド

電気柵復旧に一歩踏み出す

なかなか埒の明かない電気柵の復旧ですが、今日から一歩踏み出しました。

被害直後、ごく一部ですが復旧出来たところは今も稼働していますが、そこから先は遠い道のりです。
特に、川沿いのエリアは、土手が損傷しているためルート変更が必要です。

今日は、土砂流入が著しい第3圃場を避けて臨時ルートを決め、途上の草の刈り払いや流れ込んだゴミなどの片づけをやりました。
とりあえずでも、麦の圃場は守りたいので。

一方、稲は間もなく収穫期になりますが、今のところイノシシの出没は免れています。
周辺では出没しているところもあるようですが、中島にはまだ来ていません。

いろいろ理由はあると思いますが、洪水のせいであたりの風景が一変してしまっていますので、獣たちも慎重に動いているのだと思います。
イノシシは、中でも特に用心深い性格ですから。

一度電気柵に触れて感電すると、もうそのエリアに近づくことさえしなくなります。
そして、電気柵もどきの紐を張っただけの畑にも、近づこうとしないようです。

ただし油断は禁物で、何かのはずみでそういったものや、たまたま稼働停止中の電気柵に触れて何事も無いことを覚えれば、突進して囲みを破ることも躊躇しません。
ですので、稼働は24時間連続です。

また、囲みは一周して閉じていなければ意味がありません。
その意味でも、早く塞いでしまいたいところです。

ま、一歩ずつですが、着実に。

イノシシたちに、今、電気柵が不備な事を知られないうちに・・・。

明日はパンを焼いて、それから・・・

明日土曜日は、またパン焼きの日になります。
お昼前後から順次焼き上がります。

堅焼き黒パンなどハード系のパンは、午後2時頃の焼き上がりとなります。

皆さまのご来店をお待ちしております。

パン焼きが終わったら、その後は麦の種まきをするために圃場の整備を進めます。
少しずつですが、着実に進んでいます。

ただ一つ心配なのは、電気柵が復旧していないことです。
種蒔きした後にクマや猪などの大きな獣に歩かれると、台無しになってしまいます。

こちらもボチボチやっているのですが、公的な支援が得られるかも知れませんので、その沙汰を待っているところです。
間に合って欲しいですが、いよいよとなったら自前で材料を買ってでも復旧させたいと思っています。

監視カメラには、ほとんど毎日のように獣たちの姿が映ります。
この前のクマの後は、タヌキがほぼ毎夜、はぐれサルも一匹この付近に居着いているようです。

サルは、昼間に出て来るので、映像もカラーで鮮明です。
立派な体格の雄であることが一目瞭然です。

もちろん、見つけたら爆音花火を直撃して徹底的に威嚇し追い払います。
「いつでも」「どこでも」「何をしていても」必ず追い払う!
それが猿対応の鉄則です。

最近は、サルの方でも私たちを認識しているようで、姿を見ただけで逃げて行きます。
ただし、私たちが居なくなればすぐにまた出て来る調子の良さと言うか図々しさはサルの性格ですから、こちらもそのつもりで付き合うことにしています。
キリが無いけど、仕方ありません。
サルというのはそういう生き物なので。

クマやイノシシはまたそれぞれ全然違う性格なのですが、その話はまた別の機会に。

ではでは。

獣害対策

大きなフグリがぶら下がっています。
立派な体格の雄です。

生き物なんだもの

会津に来た当初、クマがいる場所に住むようになるのだからと、少し緊張感を覚えた記憶があります。

そして、実際にクマの被害を経験し捕獲現場や駆除現場を見聞する機会もあり、最近また獣害対策の当事者にもなるに至って気がついたと言うか思っていることがあります。

初めの頃、毎日毎夜野生動物のリスクに対応して緊張感を維持しなければならないなんて、大変過ぎる!全く余計な仕事を・・・と思ったものです。
しかしその後、クマやサルやイノシシと対峙する中で、彼らの生態に理解が及ぶに連れ、人間だけが自然界の外で何も知らずにただ能天気に生きているだけだと思い知らされました。

広く自然界を見回せば、どんな生き物も常に喰うか喰われるかの関係の中にあり、喰う方も喰われる方も共に命を懸けて事に臨んでいるのですね。
それ以外に生きのびるための方法はあり得ません。

生存は、即ち闘いなのであり、緊張の連続に違いないのです。
人間にあっても、たとえ文明の城の中に逃げ込んでも、決して逃れることの出来ない宿命だと思っています。

だって、私たちもまた生き物なんだもの!

恐らく、この世界で一番弱い生き物の人間は、その代わりに知恵を授けられたのですから、そこにこそ人間の使命と役割もあるはず。

獣たちに導かれ、今大きな気づきを授かりつつある私です。


明日もご来店をお待ちしております

昨日、今日は定休日でお休みをいただいておりました。
明日はまた営業再開の木曜日、パン焼きの日です。

コロナ禍下の毎日、豪雨災害、ウクライナでの戦争の影、日々の暮らしを憂鬱にする薄暗闇があたりを満たしているような、そんな中でも淡々といつもの時間が過ぎて行きます。

明日も、おいしいパンが焼けると思います。

皆さまのご来店をお待ちしております。


麦ラボ

2m近く泥水をかぶった中島第2圃場の整備が進んでいます。
これなら種蒔き出来そうです。


麦ラボ

中島第2圃場 例年通り、ライ麦を作付けします。


毎日、ウクライナのバンドの歌声を聴いています。

再びクマ出没

獣害対策

クマ出没2022.08.30 午前0時ちょうど、一週間のご無沙汰でした!
ブレているからでしょうが、目つきが凄く怖ーいですね。
画像クリックで拡大します。

獣害対策

前足 巾10cmをちょっと超えているようです。


獣害対策

後足 長さは15cmくらいか?
やわらかい土にめり込んでいるので、実際より大きく見えていると思います。


獣害対策

クマのこぎ跡
熊は肩幅があるので、他の獣よりも大きなこぎ跡が付きます。

ちょうど一週間でしたね。
同じく一週間前の今日、クマの出没を報告しています。<参照>

そして今日また、トレイルカメラにクマが映りました。
先週と多分同じ個体だと思われますが、改めて見ると結構大きいサイズですね。
1mを超えているようです。

この前と同様に、川に向かって下りて行く様子が映っています。
このクマが映った後の時間帯はずっと雨が降っていましたので、足跡も大方消えていましたが、木立の下にいくつか明瞭な足跡が残っていました。
20mくらい辿ることが出来ましたが、そこから先は分かりませんでした。

しかしそこから100mほど先の山際にこぎ跡を発見しました。
残っていた足跡と繋がっているとすれば、多分上から下りて来たものと見られます。
上は、高野地区になります。
以前から何度もクマが出没し、捕獲実績もある場所です。

もうすぐ栗の季節になりますから、周辺にある栗の木を見て回っているのでしょう。

それにしても、しっかりした体つきで動きも敏捷です。
栄養が足りている証拠ですね。
まだ若いクマでしょう。
こんなのに居着いて欲しくないですね。

早速、役場の獣害担当に報告しておきました。

明日と明後日は定休日

毎度申し上げておりますが、明日火曜日と明後日水曜日は、食工房の定休日となっております。
店は閉まっておりますので、お間違えのございませんようよろしくお願いいたします。

それから、この次営業再開となる9月1日(木)より、一部の製品の賞味期限を変更します。
8月中、賞味期間を短縮していたものを元に戻します。

マフィンとスコーンは、1週間に短縮していましたが、2週間になります。
パンも、8月中の臨時措置で短くしていた賞味期間を元に戻します。
※6月~9月の体制です。
お買い求めの際、賞味期限ラベルをご確認ください。

今日も仕事が捗りました。
クッキー2種類、ケーキ1種類焼きました。
今週は、焼き菓子の品揃えが充実しています。
どうぞお楽しみに。

涼しくなりました

一頃の猛暑はもはやどこかへ行ってしまいました。
今日はもうすっかり涼しく感じられました。

仕事をするにも、体はずっと楽です。
今日は、3種類のクッキーを焼きました。
いつもなら2種類で止めるところです。

ちよっと過ごしやすいというだけで、捗るんですね。
暑い時は苦労するコーヒークッキーの成形作業も、スムーズに進みました。
そうしたちょっとした余裕のおかげで、後片付けも億劫になることなくやり遂げられます。

夕方、まだ少し明るかったので、伸び放題になっていた圃場周辺の雑草の刈り払い作業もやりました。

いやいや!今日は、自分が信じられないくらい動けました。
これで、明日の朝起きられなかったりしたら笑えますが、多分それはないと思います。

良い季節がやって来たようです。

会津若松市で、クマによる人身被害続く

先月(7/27)クマによる人身事故があり89歳の女性が死亡した会津若松市で、今日(8/27)またクマに襲われて男性があごの骨を折る大けがをするという事故が発生しました。

場所は、2件とも市街地からそう遠くない周辺の住宅地又は農地です。

今年は、全国的にもクマの出没が相次いでおり、それも都市部での事案が目立っています。
連日、クマに関わるニュースの無い日は無いくらい、立て続けという印象です。

私は、いよいよ来るべき時が来たか・・・と思っています。
これから先こうした事案に対し、社会は大いに苦慮することになるはずです。
都市部では、地方の山間地で対応しているような方策は、ほとんど何一つ実行出来ないと思われるからです。

例えば、追い払い威嚇用の爆音煙火(花火)は使えないでしょうし、わなを仕掛けることも出来ません。
また電気柵で侵入を阻止することも不可能です。
元より市街地での発砲は禁止ですから、駆除することも出来ません。
つまり、何も出来ないということです。

このように、人間たちはクマに対して何も積極的な拒否行動をとれないわけですから、それをクマの側から見ればどう映るでしょう。
人を恐れなくなって当然、自分の行動を邪魔されたと見れば、対抗措置として襲い掛かって来るのは必然だということを、人間の側は承知しておかなくてはなりません。

そうして、人間に手を出して害を及ぼしても、すぐに報復されるわけでもないことを知らしめてしまうという、大きなミスを犯しているのは人間の方です。
次から、もっと大胆に躊躇することなく人に向かってくるはずです。

それからもう一つ、大きな勘違いがあることを指摘しておきたい。
よく言われる、山に餌が少ないから里に下りて来る・・・という、決まり切ったような見方は間違っています。
実はクマが増え過ぎているという現実を、もっと直視すべきです。

そんな中で、例えば子連れのメスなどは、人の近くにいる方が危険なオスを避けるのに好都合であり、安全な場所だと認識している節もあるのです。

彼らは、私たち人間の暮らしを、実によく観察しています。
それに引き替え、私たちはクマのことをほとんど何も知らないのだと思った方がいい。

獣害に関しては今後しばらくの間、苦難の時代が続くことになると思っている私です。

食パン1斤、1000円の時代はもう来ている

この一年くらいの間、諸物価の上昇が顕著です。

その中で、ウクライナで戦争が始まってからというもの、小麦の価格が急上昇し食料品全体の価格に影響しています。
この10月にも、再び小麦価格が見直しされるようです。

皆さまご存知かどうか・・・、小麦は国家貿易品で価格は政府が管理しています。
そのシステムは、分かりやすく言えば、高く買って安く売るいわゆる逆ザヤです。
その補填費用は、税金が投入されています。
そのおかげで、製粉会社は安価に小麦粉を調達出来るのです。

何のことはありません、見かけ上小麦粉やパンその他の価格が安くても、実際には税金投入という形で国民が負担しているのです。
この10月の見直しでは、20%の価格上昇が避けられない状況だそうですが、政府は価格を据え置く方針を決めました。
なお一層税金による補填の割合が増えることになります。

こうしたやり方には、すでに多くの批判があって、国産小麦への代替が進まないなどの副作用も指摘されています。
私も、その通りだと思います。

以前、どこからも補助金を受け取らないで自家産した小麦を製粉して小麦粉とした場合、最低でも500円/kgにはなると申し上げました。
その粉を使ってパンを焼くと、食パン1斤で1,000円になるとも申し上げました。

否、実のところ、外国産小麦を使っていても、このところの価格高騰に対し市場原理に任せて何の補填もしなければ、すでに食パン1斤1,000円の時代が来ているのかも知れません。

この半世紀余り、日本は工業立国を指向して、農業はほとんど顧みられませんでした。
食糧は、いくらでも海外から安く調達可能だったからです。

そのおかげで、我が国の食料の自給率は先進国中最低で、カロリーベースで38%です。
小麦に関して言えば12%で、ほとんどを輸入に頼っている現状です。

特にパン用の小麦粉は、国産小麦では難しいと言われて来ました。
しかし、実際にはそんなことはありません。
最近では、外国産小麦に比べても遜色ない新品種も出来て、今後の普及が大いに期待されています。

あとは、現在の外国産小麦輸入に偏重している食料政策や農業政策を大きく転換して、食料自給に舵を切ることが求められると思っています。

参考記事 : 「税金投入で小麦価格維持の矛盾、9割輸入依存の痛恨」 日経ビジネス