国民には安酒を

日頃酒を飲まない私が酒の話題に触れても、現実味がないよ!と言われそうですが、まあお付き合いください。

ついでにもう一つ前置きがあります。

この頃の私は、すっかり本を読まなくなってしまいました。
いつも忙しくて時間がないというのが一番の理由ですが、それに加えて老眼が進んだ今では、字の書いてあるものを読むにはメガネが無いと始まりません。
それが煩わしくて、つい読書から遠ざかっているのです。

当然のことながら、否それ以前から、文学の話題にはとんと疎い私です。

さてつい先日のこと、日頃マークしているブログの中に、安酒と言う言葉が出て来ました。
有名なノーベル賞作家の村上春樹氏の、最近の発言を取り上げたものです。
この記事の内容は、今日の私の話とは必ずしも関係ないのですが、良い内容だと思いますので、よろしかったらご覧になっていただきたいと思います。<参照>

長い前置きになってしまいましたが、私の本題に入ります。

近頃世の中は不景気で物が売れないと言われますが、アルコール類だけは好調のようで、酒造会社で働いている知り合いも、酒が良く売れていると言っていました。

そしてまた、酒税法適用外の安いアルコール飲料が次々と新発売され、既存の酒類も含めて、今や酒は安上がりな楽しみになりました。

低所得の人も気軽に飲める安い酒、それもいかにも安酒なんて雰囲気じゃありません。
パッケージもキャッチコピーも、なかなかにお洒落と来ています。

一方、世の中は日々ストレスに満ち満ちています。
飲まなきゃいられないって時が、しばしばあるのです。
いや毎日かも知れません。
否が応でも酒が進む、世の中の仕組みですね。

国民には安酒を・・・と、この国の為政者たちが考えたかどうか知りませんが、事実はそのようになっているのじゃないでしょうか。

国にとっても、酒はいい商売にちがいありません。
酒税は、昔から厳しい掟で取りはぐりのない収入源でしたから。

そして酒税法適用外でも、今度は消費税という手があったのですね。
この先10%に引き上げが決まっているのです。

意地の悪い言い方ですが、国民の多くがアル中予備軍くらいでいてくれれば、結構結構!
飲まなきゃいられないって時に酒が無いってのは、腹が減った時に飯が無いことよりも耐えられない、どうやったって酒代くらいは出て来るだろう、そこから絞ればいいのだよ!と。

尤も、これは半分は私の想像を申し上げていますから、話半分にしておいていただきましょう。

さて件のブログの中で引用されていた、村上春樹氏言うところの安酒は一つの比喩ですが、現実の世界では、酔いが覚めた後の酒に対する思いはどんなものなのでしょう。

飲まない私には、正直分かりません。
そして今後も、一滴もとは言いませんが、酔うほど飲むことはないと思っています。
ましてや、乗せられるのだけはご免こうむりたい。