月別アーカイブ: 2019年3月

リズムは知的な遊び

今日は、音楽の話しでも、いかがでしょうか。
リズムの話しです。
人間は二本足で歩きますので、一番ストレートに馴染むのは二拍子です。
マーチですね。
1、2・1、2・・・、右、左・右、左・・・、というわけです。
それを二つつなげて4拍子、スクェアビートになります。
まあ一番お馴染みのリズムでしょう。
我々の世代が青春時代に一番馴染んだロックは、4拍子を2つつなげて2倍の速さで刻みます。いわゆる8ビート。
さて、リズムには、この2を基本とするリズムの他にももう一つ大きな系統があります。
それが3拍子です。
同じ速さで歩いているとすると、3拍子は、右、左、右・左、右、左・・・となり、俄然躍動感が増して来ます。
3拍子のバリエーションは、とても複雑で面白く、2つつなげてそれを2組ずつ2拍子のようにアクセントをつけて刻むと6/8、ゆっくりならブルース、早ければシャッフルと言う具合です。
また3拍子を刻む時も、アクセントをどこに置くかで印象がまるで違って来ます。
クラシックなどで演奏されるワルツは、明確に1拍目にアクセントがありますが、北欧のダンス音楽では3拍目にプレアクセントを置いて1拍目を打ちます。
もっと新しい時代の音楽では、さらにスリリングな刻み方をする例が沢山見られます。
いわゆるロックの系統は、8ビートからさらに16ビートへと刻みが細かくなり、アクセントの置き方も複雑になってスリリングなリズムが生まれましたが、それらとは一線を隠して3拍子の系統でもとても面白い例が、例えば北欧フィンランドのミュージシャンたちの演奏の中に見られます。
これからご覧いただくビデオは、アクセントの異なる刻み方の3拍子が幾通りか交互に出て来て、それぞれのパートの雰囲気の違いが面白いです。


そしてリズムの冒険は、さらに複雑怪奇な変拍子へと進むのですね。
この次にご紹介するのは、もうとても難解なリズムです。
歌の部分は、13拍子(7+6)を3回繰り返して12(6+6)拍子を1回で1回り、間奏はちょっとリズムが掴めませんが、ちゃんと全員の息が合っているので、お互いに分かるルールで刻んでいるはず・・・。
こんなのを聴かされると、頭の中がグチャグチャになりますが、一方、とても知的で素晴らしい遊びだと思います。
凄い人たちです。


寒晒しそばまつり、福寿草まつり

沼ノ平 福寿草まつり

画像クリックで、沼ノ平のホームページが開きます。

お天気の移り変わりが、速く激しいここ数日ですが、明日は、山都町では恒例の寒晒しそばまつり沼ノ平地区の福寿草まつりが開催されます。
寒ざらしそば祭りは、明日と明後日の二日間、福寿草まつりは、明日から約一ヶ月間開催中です。

寒ざらしそばのうまさは、会津の中でも特筆に値します。
そして、福寿草まつり会場でもそば茶屋が開店し、地元の方の手打ちそばが楽しめます。
これがまた絶品で、花を見るより、わざわざそばを食べにだけ来る人がいるほどです。

この週末は、ぜひ山都町方面へお越しください。
ついでの足で、食工房へもお廻りいただければ幸いです。
コーヒーサービスの用意をして、ご来店をお待ちいたしております。


「寒晒しそばまつりフライヤー.pdf」
「福寿草まつりフライヤー.pdf」

悪豆拾いに泣かされる

毎週水曜日はコーヒー焙煎と、ほぼ決まってしまっています。
午前中は、その日焙煎する分量を計って、それから例の悪豆拾いです。

悪豆拾いは、正式には手選別またはハンドピックとも言います。
つまり手作業で、欠点のある粒(豆)を拾い出すのですね。

コーヒー豆は農産物ですから、当然のことながら産地、銘柄、その年の気候条件等により出来不出来があります。
また収穫後の脱果精製の際にも、乾燥不良などの悪い条件が加わると、欠点豆が生じます。

私の手元にやって来るまでに、先ず原産地で多少の選別作業を経て来てはいますが、完ぺきではありませんし、倉庫に保管中に劣化して行きますから、そこで新たに欠点豆が増える場合もあります。
手元に入荷後も、油断していると劣化が進んで、さらに欠点豆が増えます。

特に、脱果精製工程がナチュラルのものは、ウォッシュドのものに比べて欠点豆の割合が多い傾向にあります。
個性的で魅力ある風味を備えたものの多いナチュラルの豆ですが、欠点豆を取り除かないと、ただ雑味の多い何の取柄もない豆です。

そこで時間と手間をかけて、丁寧に悪豆拾いをすることになります。
例えば、ブラジル産「セラード樹上完熟」では、33%(1/3)もの欠点豆が出ます。
1.5kg用意して、使えるのは1.0kgだけです。

500gはどうするのかですって?捨てるしかありません。
カビが生えていたり、発酵変質していたり、どの道使い物になりません。

私の選別方針は、「疑わしきはすべて捨てる。」です。
多少のロスが出ても、完璧に選別されたものからは、別次元の風味を引き出せることが分かっているからです。

それにしても、1/3捨てなくてはならないとすると、1,000円/kgで仕入れた豆も手間暇かけて1,500円/kgになるわけで、時間コスト(1時間/kgかかる)も考えると、全く泣けて来るような話になるわけです。
その分を100%売り値に反映させるわけにも行きませんし。

ではどこで納得しているのか・・・、それは先ず、自分自身がうまいコーヒーが飲めること、そしてその価値をよく分かっているお客さまが幾人かでもいらっしゃること、これに尽きます。
いつまでこんなことが続けられるか分かりませんが、うまいコーヒーを飲みたいと思っている間は止めることはないと思っています。

休養日

今日は定休日、それでもいつもは用事が沢山あって暇な時間などありませんが、今日は違いました。

通信の編集を昨日のうちに終わらせることが出来ましたし、今朝まで大荒れのお天気で外は濡れた地面が乾いていなかったし、それに体調も少し微妙な感じでしたから、一日休養日と決めてほとんど何もしませんでした。

たまにはいいですね。こういうのも・・・。
必要でしょう。
ゆっくり朝寝をした後、日中もソファーの上で毛布包まってうたた寝をして過ごしました。

それで明日はまた忙しく・・・。
もう一日くらい・・・、今はそれは許されません。
まあでも、明日の朝までゆっくり出来ます。
ではでは。

IIDEの編集まもなく終了

「紙版・飯豊の空の下から・・・ 」の編集が、もうすぐ終わります。
食工房の仕事を午前中で上がらせてもらい、あとは娘に任せて、私はデスクワークに。

首が固まって辛くなっては休憩、首や肩の運動をしてまたデスクへ、夜までかかって間もなく終了です。

まあそれにしても、昨年移転に合わせて新しいPCと大画面モニターを導入したので、作業環境は格段に良くなりました。
老眼を全く気にすることなく、いくらでも大きく表示出来るので、ストレスがありません。
また大画面のおかげで周辺まで一様な明るさになるので、目も疲れません。

こんな贅沢をさせてもらって、良い紙面を作らなくては・・・と、自分に対して少しプレッシャーをかけています。
おかげさまで、忙しさの合間を縫って何とか仕上がって来ました。
今夜か明日の早いうちに、Web上に公開出来ると思います。

食工房は、明日と明後日は定休日となっております。
お間違えのございませんように。

焚火

今日は、風のない穏やかな一日でした。
そして今夜遅くから雨になるとの予報も出ていましたので、焚火をするには都合の良い条件でした。

先日、件の荒れ放題の庭園圃場の刈り払い作業で出た、沢山の灌木や枯れ草を焚きました。

私のやり方は、とにかく安全を考えて延焼の恐れのない場所を選び、そこに燃やすものを集めて少しずつ燃やします。
そうすれば、運び出した場所には燃えるものが無くなっているわけですし、暴走しない程度に火の大きさをコントロールしながら燃やすことも出来ます。

少々時間はかかりますが、これが一番安全で確実な焼却方法です。
それに、灰を回収して畑の土壌改良の資材として役立てることも出来ます。

今日は、午後仕事が早めに終わりましたので、夕方にかけてその作業をしました。

そして予定していた分の焼却が終わりに近づいて、残った燠火が厚い火床になった頃、娘たちの手作りした人形たちのお焚き上げをしました。

その人形たちは、娘たちがまだ小さい子どもだった頃におぼつかない手先で手作りし、手垢で汚れ擦り切れるまで遊んでもらった愛おしい人形たちでした。
指先のように小さいものから、腕に抱くくらいの大きさのものまで、100体以上もありました。

もはや誰かに手渡せるようなものではありませんし、ゴミにだけはしたくないと今まで残して来ましたが、ここが自分たちの場所になったのを機会に、焚いて供養することにしたのです。

一つ一つ、誰がいつ作ったか、付けた名前や遊んだ時の役柄など、全部覚えていると言います。
その記憶が確かなうちに供養したかったそうです。

一つ一つ手に取りながら、「ありがとう、良い時間を過ごさせてもらいました。」と声をかけながら火の中に入れていました。
皆きれいな灰になって、そして神さまになって、娘たちの記憶の中で生き続けるのですね。

すべて終わった頃、あたりは真っ暗になっていました。

子どもたちに元気をもらいました

今日は午後、お子さまを連れた若いご夫婦が一組ご来店、その後に続いてやはりお子さま連れのご夫婦がもう一組いらっしゃいました。
子どもたち同士すぐに仲良くなって遊んでいるところへ、近所の子どもたちが自転車に乗ってやって来ました。
さらに続いて別な子どもたちもやって来て、食工房の店の前はどこかの幼稚園の園庭のような雰囲気になりました。

子どもたちが沢山いる風景、いいですね!
この辺りはお年寄りばかりですから、子どもたちのにぎやかな声を聴いたただけで、何だかうれしくなります。
元気が出て来ますね。

その実、子どもたちの相手やご夫婦たちとの歓談で仕事は手につかず、明日の仕込みは・・・と心の片隅で心配する声が聴こえましたが、すごかったのは皆さんが帰ってからです。

すっかり押してしまったスケジュールを、あっけなく取り返してしまうエネルギーはどこから来たのでしょう。
それは、子どもたちがくれたに決まっています。
無事に予定をこなして、明日に備えることが出来ました。

それにしても、本日ご来店くださいました皆さま、心から厚く御礼申し上げます。
今日の余韻で、明日も元気にがんばれそうです。

寒さ戻って雪化粧

今日は、うっすらと雪化粧の朝で一日が始まりました。
風も冷たく、ここ数日の春めいた空気とは違って、冬のにおいがしていました。

その寒さの中、午前中一番にご来店くださったご常連のお客さま、開口一番に「おいしいパンを買いに来ました!」と、うれしい一言。
お目当ては、堅焼き黒パンです。

そして午後は遠く仙台より、いつもお引き立てをいただいている通販のご常連のお客さまで親しい友人でもあるご夫妻が、友人ご夫妻を連れてお越しくださいました。

もちろんその間にその他にも、ご来店のお客さまがいらっしゃいました。
おかげさまで平日にも関わらず、パンは売り切れ状態になりました。

必ずしもお天気ばかりがご来店のきっかけとは限らないのですね。
どんな時でも変わらぬ気持ちで、お客さまを迎える用意をしておくことの大切さを思いました。

明日もしっかりと気合を入れてパンを焼きます。
ご来店、よろしくお願いいたします。

雨模様の一日、高い山は雪

昨日とは打って変わって雨模様の一日になりました。
下界はさほど寒くもない感じでしたが、配達の折眺めたところでは、高い山の上は雪だったようで、白い所が増えたように見えました。

明日はもう少し冷え込むようで、平地でも一時的に雪が降るとの予想です。
でも、日中はまたお天気が回復して来るようですから、日差しがあれば気温も上がると思います。

この時期、花粉症の方には辛い季節でお気の毒とは思いますが、やはり暖かい晴れの日はありがたい・・・。
春の訪れは、正直うれしいです。

さて、今日のパン焼きは、また一段と酵母の調子が上がって、今度は作業のスピードが上がりました。
余り早過ぎるのは問題ですが、自家製酵母としては理想的な速さでした。

おかげで、成形までの作業が午前中余裕をもって終わりました。
食パンも早めに焼き上がっていたので、午前中にいらした遠来のお客さまをがっかりさせずに済みました。

このあたりのこと、イーストでやれば作業効率も時間コストも全然違って来るのだなぁ・・・と、あらためて認識しました。

自家製酵母は、イーストと比較すると、一次発酵、成形二次発酵ともに、2~3倍の時間がかかります。
下準備からして、冷蔵庫から出してすぐに使える生イーストや5分でスタート出来るドライイーストと違って、前日の午前中から仕込みにかからなければなりません。

そこまでして自家製酵母にこだわるのは何故?それは、食工房のパンをご愛顧いただいている皆さまには、とうにお分かりのことと思います。

私自身も、食工房がなくなってこのパンが食べられなくなったら、誰より一番がっかりするはずですから。
だから、死ぬまで現役を誓っているのは、当然の帰結なのです。

白鳥、北へ

ここ数日の暖かさ、そして西から近づく低気圧から吹き出す南風、白鳥たちが北へと旅立つ条件が揃ったのですね。
昨日あたり、白鳥たちがいっせいに北へと旅立って行きました。

北帰行と呼ぶのですね。知りませんでした。
昔、誰かが良く歌っていた歌の題名だとばかり思っていました。

一方、白鳥たちの北帰行の後を追うように、もっと南からこのあたりにやって来る鳥たちもいるのですね。
こうして季節は移り変わりますが、人間の私たちは同じところに居てその様子を眺めながら、成すべことを判断しているというわけです。

農業に関わると、季節の移り変わりに鈍感でいるわけには行きません。
自然に対する感性はいつも磨いておかないと、良い仕事は出来ませんし、その前にやること成すことすべて上手く行きません。

いつも温度管理されている酵母でさえ、季節によって微妙に動きが変わるのですから、命あるものは皆デリケートなのですね。
さて明日のパン焼きはいかがでしょうか。
酵母の動きは、上々です。