「戦争を回避するためにこそ武力が必要。」
そんな言葉を、以前の私はとても信じられませんでした。
詭弁以外の何物でもないと掃き捨てたものです。
戦争を回避するなら先ず武装解除が優先、日本の憲法9条が世界に広まらなくては・・・、などと思っていたのですね。
しかしその後、歳を経るに連れ、そうばかりでもないかも知れないと思うようになりました。
また昨日までの続きになりますが、世界には最後まで人の善意を信じるという人がいる一方、人の善意など最初から信じないという人がいて、それぞれ世界の半々を占めているのです。
と言うか、私たち一人一人の心の中に、その二つの側面が相半ばして同居しています。
である以上、どことも誰とも争うことなく平和を実現することは、単なる理想に過ぎず永遠に実現することはありません。
少し話が逸れるかも知れませんが、他者に争いの刃を向けるのは、自身の心の中の戦いに敗れたからです。
ま、それは置いて。
悪い奴らは、強そうな相手には手を出しません。
否、実際そんな低レベルの理由によって、戦争を回避出来ているのではありませんか。
アメリカやイギリス、フランス、ドイツなどが、戦禍に見舞われないのは強い軍事力を持っているから、他に理由なんかありません。
そして戦争を避けるために、欧州各国はこぞってNATOに入りたいのですね。
武力が背景であることは疑う余地がありません。
我が国日本だって同じことです。
他ならぬロシアやまた中国や北朝鮮が手を出さないのは、アメリカの核の傘の下にいることとそして安全保障上の同盟国だからです。
他に理由はありません。
未来永劫、どこまで行っても人類世界は不完全です。
先に申し上げた二面性が無くなることはありません。
だから我々は、銃と花束の両方を携えて前進するしかないのです。