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イノシシ、焼け跡は平気!?

動物たちは、本能的に火を怖がると教わりましたが、それってどの程度なのでしょう。
燃え盛る炎は熱いですから、恐れているかどうか以前に、どんな生き物だって近寄れません。

では、煙の臭いや焼け跡の焦げた臭いはどうでしょうか。
嫌がる傾向が見られるでしょうか。

私も近所の農家さんたちも、火を焚いて煙を出していると獣が寄って来ないと信じていて、それを実行していますが、昨夜から今朝までに、件の焼け跡にイノシシが侵入した後を見つけました。
残念ながら、監視カメラはそれを捕えてはいませんでしたが。

しかし、このイノシシの行動をどう理解したら良いのでしょう。
動物たちの火に対する認識は、単純に理解出来るようなものではないような気がします。

そう言えば、高野(旧店舗の場所)に居住していた時、裏の林でほとんど毎晩のように焚火をしていました。
そして、そばに監視カメラをセットしておくと、夜中にいろいろな動物たちがやって来るのが映りました。

面白かったのはキツネで、燃え落ちた焚火のまだ熱気の残る灰を掘ろうとするのですね。
何を見つけようとしているのか分かりませんが、熱心に掘り返しています。

一度は、残っていた燠(オキ)に触れて大慌てで灰を蹴散らして飛び出したこともありました。
そしてその後も、灰を掘り返すことを止めませんでしたから、これを見る限り、キツネは火なんか怖がっていないとしか思えません。

件のイノシシは、どうなんでしょう?
なかなか油断のならない相手であることだけは確かです。

収穫期だけでなく、種まき直後の圃場でも、歩き回られたら大迷惑です。
年中ずっと防御していなくてはならないとしたら、いやですねぇ・・・。

だから早く捕獲してくれ!と言っているのですが、役所は動きがありません。
まだあと、猿も熊もいるというのに。

さてさて、明日と明後日、台風接近と報道されていますが、食工房は定休日休業です。
全くいいような悪いような、何というタイミングでしょう。
何処にも被害を出さずに通過して欲しいと願います。

麦藁及び残渣の焼き払い

麦の収穫後、圃場には麦わらと脱穀屑また雑草などが残されています、

トラクターですき込みという手もあるのですが、雑草など他の植物の種が残る可能性があること、害虫駆除の目的、病害のもとになる菌類の焼却、野ネズミを追い出すため、それらの理由により圃場全体を焼き払うことも効果的な手法となります。

昨年は、麦わらを細かく刻んですき込みましたが、虫の害と野ネズミの害が目立ちましたので、今年は焼き払いをするつもりでいました。

しかしながら広い圃場に火を放つのは、一つには危険を伴いますし、うまく燃え切らなければかえって手間がかかることになりますから、慎重にタイミングを見計らっていました。

収穫直後からしばらく雨が続きましたので、麦わらはすっかり湿気っており、まずは晴天が続いて乾くのを待っていました。
そして風のない穏やかな晴天を待って、昨日と今日の二日かけて中島第2圃場と中島第3圃場の焼き払いを実行しました。

それぞれ夕方から1時間程度できれいに燃え尽きました。
燃え盛っている時はさすがに緊張しましたが、想定通りに燃え広がり、適当なところで反対側から迎え火を放って圃場の中ほどで燃え尽きました。

このところ、焚火による山火事が多いですから、自分が悪い例を作ってしまっては今後火を使うことも出来なくなると、慎重な上にも慎重に風向きや火の回りを判断し、火を点ける箇所も良く選んで事に当たりました。
おかげさまで、何を案ずることも無く全くあっけなく終了しました。

ま、こんなことも、近くに人家も無い山間だからこそ可能なわけで、また、今日の炎は、獣たちには小さな山火事くらいの迫力があったはずですから、獣害対策上も上首尾だったのではないでしょうか。
焼け跡に最初にやって来るのは誰か?監視カメラも設置しています。

何故、獣害対策に一生懸命になるのか

我が集落のような中山間地区の小集落では、獣の害が深刻です。
特に、熊とイノシシと猿は、生命に危険が及ぶこともあるので、真剣な対策が必要です。

大切な作物を食害するから、周辺の環境を荒らすから、それらを防ぐためというのが対策の主な理由だと理解されていると思いますが、本当はそれよりも重要な視点を忘れてはなりません。

それは、私たちの生活の安全(生命の安全と言ってもよい)を守るという、にわかには結び付きにくいけれど、一番の眼目は実はそこにあるのです。

前々から申し上げているように、野生の動物たちがただ無条件に本能的に人を恐れているというのは、もはやとんでもない誤解だと知るべきです。
彼らが人を恐れるか否かは、人との関係の中で学習された結果でしかありません。

その学習は、いつでもどこでも不断に行われているのであって、どんな生き物でも条件が揃えば人を恐れない、あるいは人に構わない振舞いをするようになります。
ネズミだって然り!

だから、獣害対策の要は、人間の私たちの縄張り宣言をする、それを行動で示すことにあります。
草刈りをしたり、木を伐ったり、火を焚いたり、大きな音をたてたり、本当はたまには狩りをして強烈なメッセージを送ることも必要です。

ですが、今の私たちには、獣たちに直接手出しすることは禁じられています。
とりあえず出来る方法を、精一杯頭を使って行使する以外、今のところ有効な対策はありません。

被害を報告し捕獲を願い出ても、直ちに採択されるわけでもなく、わなを仕掛けて一定期間が過ぎてかからなかった時は、それ以上の手が打たれることはありません。

昨年の例のように、せっかく捕獲した大熊を山に放してしまうのですから、何が危険なのか、この人たちには理解出来ていません。

先ずは、動物たちのことをよく観察し、知ろうとすることです。
時間と手間はかかりますが、小さな手掛かりは沢山あります。
初めの頃、全く余計な手間暇だと思いましたが、最近、命ある者として生きるということは、本来そういうものかも知れないと思うようになりました。

今後、獣害は、むしろ都市部でより深刻になって行くだろうと思います。
そのストーリーは、もうすでに始まっています。

もっともっと深刻になって初めて、社会の問題として取り上げられるようになるのでしょう。
それでもしばらくの間は、何をどうして良いのか分からず、見当違いの模索が続くことと思います。

そんな間にも、せいぜい被害に遭わないように、命の危険を避けるように、慎重に且つ大胆に、動物たちと駆け引きしながら生きて行きたいと思っています。

お天気が不安定なもので

今日あたりは、やっと雲も切れて日差しが覗く瞬間もありました。
しかし、それも続かずすぐにまたにわか雨。

麦刈りの後ずっーと雨続きで、畑の後始末も出来ないでいます。
そのままになっている麦藁の始末をしたいのですが、燃やして灰にする予定だったものの、もはや水浸しになってしまいましたので、しばらく晴れが続いて乾かないことにはどうにもなりません。

稲架かけした後の稲架も片付けなくてはなりませんし、イノシシ除けに張り巡らしたネットも撤去しなくてはなりません。
それにしても、お天気が不安定では如何ともし難い・・・。

今日も、何度もにわか雨が降りましたし、雷鳴も聞こえました。
まあ、しかたがありませんね。
ワクチン接種の副反応が、今日もまだ残っていて体がきつかったですから、ここは休んでいろ!との思し召しかと。

ちなみにこの夏は、農繁休を兼ねて長めのお盆休みをいただくことになりそうです。
決定次第、お知らせいたします。

副反応ですね

昨日2回目のワクチン接種を受けて、多少の副反応はあるものと思ってはいました。
1回目の時は、翌日になつて上腕の痛みで腕が上がりませんでしたが、それだけで済みました。

今回は、同様に上腕の痛みがありましたが、それだけでは済みませんでした。
全身の倦怠感、軽い頭痛、気分の悪さ、首筋や肩やその他筋肉がこわばって痛みを覚えました。

尤もどうにもならないほど強いものではありませんでしたが、とは言えそこまでの状態を予想していませんでしたので、いつも通り仕事の段取りをして始めてしまっていましたから、ちょっと無理をして仕事を終わらせるはめになりました。

さすがに何度か途中で音を上げ、娘たちに後を任せて休憩する場面もありました。
それでも静かに横になっていればどうというほどのことはありません。

今日一日体がきつかったものの、夕方には峠を越えたようで、少しずつ楽になって来たかな・・・という実感があります。
明日にはずっと回復すると思います。

さて、食工房は明日と明後日の二日間、定休日休業となっております。
毎度申し上げて恐縮ですが、お間違えのございませんようよろしくお願いいたします。

2回目ワクチン接種

本日、2回目となる新型コロナ感染症のワクチン接種を受けました。

接種後2週間ほどすれば、ほぼ万全な免疫獲得が成ると言われていますから、店頭にて不特定多数のお客さまに相対する者としては、自分たちに対して、お客さまに対して、双方向での感染リスクが下がることになります。
まずは一安心ということになりました。

あとは、娘たちを含めた若い世代の方々に、接種が進むことを願うのみです。

今回のワクチンは、今着目されているインド由来のデルタ株に対しても一定の免疫効果があるとされていますから、未接種と比較すれば格段にリスクは下がります。
デルタ株の蔓延に追い付かれないうちに、早く接種が進むことが何より重要なのですが、合わせて重要なのは私たち一人一人の感染対策の質を落とさないようにすることです。

ワクチン接種前に感染してしまったら、もう全く何にもなりませんからね。
若い皆さんも、せっかくワクチンが開発されて、もう少しの時間待っていれば接種を受けられるのですから、賢明な選択で感染を避けていただきたいものです。

変異の機会を出来るだけ少なくするためにも、感染者そのものの数を減らすことが最も重要であることは、科学的にもはっきり分かっていることなんですから。

梅雨明けはいつに

関東以西、特に西日本では豪雨の被害が深刻のようですが、こちら東北は今のところ大きな被害は聞かれません。

しかしお天気は不安定で、予報も次々変化します。
昨日の予報では、梅雨明けが早いかも知れないと言っていましたが、今日には打ち消されて雨が続く予報になっています。

明日は、早朝から集落の奉仕作業です。
今度は、周辺の道路沿いの草刈りです。
雨は降って欲しくないのですが、どうなりますか・・・。

それにしても、先日麦刈りが終わってから今日まで、麦刈りが出来そうなタイミングは結局ありませんでしたから、あの時は良い判断だったと改めて胸を撫で下ろしますね。

ライ麦は、早や低温倉庫(雪室)に入庫完了していますし、スペルト小麦はやっと乾燥が仕上がって来て、この次晴れたら籾摺り作業です。

お天気の動きは人間の力ではどうにもすることは出来ませんが、お天気を味方に付けるための計らいに人知を尽くすことは可能だと思っています。
すべてうまく行くとは限らなくても、リスクを減らしたり逆に恵みに変えることさえ出来るのではないかと思うことがあります。

ですから、梅雨明けがいつになるのか、とても気にかけているのです。
雨が上がれば、獣たちの動きも活発になるし、それはそれでまた大変ですが、作物は旺盛に育っていろいろな野菜などを食卓に乗せて楽しむことも出来ます。
せっかく手間暇かけたものを、やつらに盗まれないように気を付けながら。
こうして夏はやって来て、過ぎて行きます。

思い通りに行かないから、謙虚になれる

麦作りをしていて思ったことです。

農業という仕事、先ず一つは植物という命あるものを相手にしていること、次にお天気という人間の力ではどうにも動かすことの出来ない自然現象に左右されること、またその場所場所の土壌環境に左右されること、そして虫や鳥や動物たちの食害、さらに病害と戦わなくてはならないこと。

それらの中で、我々人間の努力によって改善出来る部分もありますが、どうにもならない部分も少なくありません。
だからと言って、その場その場に成り行き任せで良いかと言えば、そうは行きません。

やはり計画は必要です。
それも一年間という時間のサイクルを頭に思い描きながら、種まきから収穫までの工程が順調に進むために、どの時期に何をすれば良いか綿密に計画し準備しておかなくてはなりません。
且つ、その場その場に想定通りに行かない時の臨機応変な措置までも考えておく必要があります。

さらには、5年先10年先までも持続可能な土壌の循環を計らって行かなくてはなりません。

一方、食工房の中の仕事つまりパン屋ですが、天然酵母という不確定要素の多いものを扱っていてさえ、概ね何事も計画通り予定通りに進みます。
毎週決まった曜日の決まった時間に仕込みをして、決まった時間までにパンが焼き上がります。

お客さまのご注文に応じて、数を増やしたり減らしたりも自由自在です。
そうして考えると、ほとんど何でも思い通りです。

比べて畑のことは、全く思い通りにはならないと感じます。
本当に難しい・・・!

しかし、私たちの生存は、そもそもそういうものだったはずで、土から作物を得る仕事をすることになって、改めてそれが分かったような気がしている私です。

私の娘たちも同じようなことを感じているらしく、先日際どいタイミングで最後のスペルト小麦の刈り取りが終わった後、引き上げ際に畑に向かって思わず手を合わせて拝んだのだと言います。

分かります、その気持ち!

私もコンバインに乗って帰る道々、畑を振り返り、天を仰ぎ、ありがたさを噛みしめていましたから。

決して自分の力で成し遂げたのではない、これは天地の恵みなのだと素直にそう思えた瞬間、気持ちはずーっと謙虚になれるのですね。

麦刈り、終わりました

昨夜から本日早朝未明の頃まで、娘たちと交代で畑のわきに張り込みました。

午後10時50分、イノシシの群れが現れました。
車が止まっているのに気がついていそうなものですが、何事も無いように近づいて来ます。
ライトの明かりを向けても、動じる様子がありません。
何と図々しい!

それでもずっと照らし続けていたら、ゆっくり向きを変えて去って行きました。
しかしこれで安心は出来ません。
張り込みを解くことは出来なくなりました。
結局その後は現れませんでしたが、これを毎日続けることは出来ません。

明けて本日、何としても麦刈りをしたいのですが、お天気がスッキリしないのですね。
もっと晴れ間も覗くはずだったのでは・・・と思っていると、小雨が降り出す始末。

天を仰いで、恨み言の一つも呟いていたら、少し空が明るくなって来たではありませんか。
とにかく出来るところまでと、意を決して機械を出動させて圃場に向かいました。

まず、高野第2圃場の試験栽培区の麦を手刈りして片付け、ライ麦を刈るためにコンバインが入れるようにしました。
そしてライ麦を収穫。
その間に、またも小雨が降り出すタイミングがありましたが、すぐ止んで事なきを得ました。

前半戦を無事終了して、後半スペルト小麦の収穫のために、コンバインの分解掃除をしていたら三度雨が降り出し本降りになって来ました。

今度こそ万事休すかと諦めかけましたが、午後3時頃には止んで何とか作業が出来そうな状況になりました。

麦はしっかり乾いていた方が良いに決まっていますが、濡れていてもコンバインは支障なく収穫をこなすのですね。
もちろん、収穫後は乾燥機に入れて乾燥させなくてはなりません。

途中何度か小雨に見舞われながらも、何とか最後まで刈り終えることが出来ました。

それにしても、作業が終わって機械を片付けた直後から、土砂降りの雨です。
何という際どいタイミング!

麦は屋根の下に取り込みましたから、一先ず安心です。
もう本当に心の奥底から、「あぁ、良かった!」と胸を撫で下ろしている自分に気がついて、またもう一度「本当に良かった!」と頷いている私です。

娘たちもよく頑張ってくれました。

食工房、万歳!麦ラボ、万歳!

明日は麦刈りを

絶望的だと思っていたお天気が、明日一日だけ回復するようです。
何とか畑も乾いて、麦刈りが出来るのではないかと期待しています。

高野第2圃場のライ麦と中島第3圃場のスペルト小麦を刈り取って、今年の収穫にキリを付けたいと思っています。
うまく行けばいいのですが・・・。

と言うのは、昨日に続いて今朝も、監視カメラにイノシシの画像が記録されていました。
側のおばあちゃんの畑のじゃがいもは、わずかに残っていたものもさらに荒らされてしまいました。

で、出没の時間帯というのが曲者で、昨日の出没は4日の午前1時頃、今朝の画像は昨日4日の午後10時頃でした。
昨夜は、午後8時半過ぎ、午後10時40分頃、深夜午前1時頃、早朝未明午前3時過ぎの計4回パトロールしているのですが、1回目と2回目の間に来ていたのですね。
全く油断がなりません。

明日は残っている麦を刈る予定ですから、それをイノシシに荒らされたのではたまりません。
寝ずの番をしてでも、麦を守る決意です。

そして麦が終わったら、かぼちゃとさつまいもの圃場を電気柵で囲う予定です。

何故このように獣の害が増え続けているのか、それにはちゃんと理由があって私にはそれが見えていますが、いろいろな人がいろいろな事を言うので、口で説明するよりも先ずは状況を端的に正確にお伝えして、そこから先は皆さまにも考えていただきたいと思っています。

ちなみに、明日と明後日は、食工房は定休日休業となっております。
お間違えのございませんように。