半農半商の本分

麦ラボ

水田には青苗、麦畑はそろそろ色づく頃


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中島第2圃場 ライ麦


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手前から、第3圃場・スペルト小麦、第2圃場・ライ麦、ずっと後ろに第5圃場・南部小麦が視界に入ります。
間に隠れて見えませんが、第4圃場・ライ小麦も作付けされています。


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中島第5圃場 南部小麦

パン屋を営業しながら、原材料の麦を自分で作付け、つまり農業ですね。
この生業の形は、言って見れば半農半商ということになります。

どちらも、それだけで十分重く奥の深い仕事です。
それを二つ掛け持ちしている私は、欲張りかも知れません。

でも、麦の作付けに挑戦するようになったきっかけは、止むに止まれぬ事情あってのこと、それはそれまで使っていたライ麦が、どうにも納得の行かない品質低下で使えなくなってしまったことでした。

一度は、地元の農家さんに作付けをお願いしたこともあったのですが、こちらも続きませんでした。
結局、自分でやるしかないという結論だったのです。

パン屋の仕事だけでも大変なのに、農業まで抱え込んでどうするつもり・・・と言われそうですね。
まあでも、パン屋が麦のことを知っていて損はありませんし、逆にパン屋の仕事を知っているからこそ良い麦を作ることが出来るという側面もあります。

私の場合は、半分は自ら望んで、あとの半分は運命的計らいによって、農業が出来る環境とパン屋を開業出来るチャンスを同時に与えられたわけです。
どちらの仕事も、片手間に出来る仕事ではありませんから、バランスを考えながらそれぞれを極めて行きたいと考えています。

ですから、街のパン屋さんのように毎日パンを焼いて売ることは出来ません。
農作業に時間を割かなければならない時は、臨時休業することもあります。

でも、パン屋と農業、どんな比重になっても守らなければならないことは一つです。

それは、多くの皆さまに支持していただける、喜んでいただける、おいしいパンを焼いて提供することです。
日々、命を養う糧としてのパンを、心も体も元気になっていただけるパンを。

井上憲一フォークロアライブ1974年10月

今日、ふっと思い出して、古い音源を掘り返していたら、昔録音したお宝が見つかりました。
前に一部をご紹介したと記憶していますが、今回、フルライブバージョンということで、全編ノーカットでアップロードいたします。
その場に居合わせた皆にとっても、私自身にとっても、本当に良い時代でした。
コロナ禍の下、ステイホームで時間がある方、約1時間半のフォークロアライブをどうぞ。
井上憲一フォークロアライブ1974.10.mp3

今朝は、熊

今朝と言っても時間にすると午前10時頃の話です。

すぐ近所の方から電話があり、すぐ下のカーブのところ(道路)を子熊が横切るのを目撃したとのこと。
昨年秋に柿の木に熊が上り下りしたあたりです。

二時間ほどたって一仕事終えてから、直接詳報を聞きました。
どうやら一週間前5/28に国道を横切るのを目撃されたあの子熊のようです。
推測の域を出ませんが、まずほとんどのところ今年親から離れて独り立ちしようとしている子熊です。

では、どうして山の中ではなく、わざわざ人里を選んで子を放すのでしょう・・・?
その理由は、たぶんこうです。

山の中には、大きくて強い雄熊がすでに縄張りを持っていて、入り込む隙がないのです。
子熊にとって一番の敵は、大人の雄です。
大きく強い雄熊が、子熊や若い熊を襲って喰ってしまうことは、何も珍しいことではありません。

そこで母熊は、危険な雄熊が近寄って来ない人里に子熊を放します。
と言うことは、人は熊から見てさほど恐れる必要のない存在になっているということです。
分かりやすく言えば、舐められているのです。

今時、大方の人間が熊を恐れていることは、熊の方ではとっくの昔に感づいています。
ですから、時には山の中から大きな雄熊が母子連れを狙って人里にやって来ます。
彼らもまた、もはや人は恐るるに足りない存在だと自覚している可能性が濃厚です。

さてでは、この子熊をどうしましょう・・・。
近年、人間にとって悪い学習ばかりをし続けている熊たちですから、どこかでそれを断ち切らなければ、私たちが安全に生活出来る場所は、そのうち無くなります。

何とかして、人間は手強い存在だと言うことを思い知らさなければなりません。
それも、一時的なものでなく継続的に、日々私たちの側の努力によってのみ成し遂げられるものであることを、銘記しておきたいと思います。
そして生存は、常に命の危険とせめぎ合い闘うことであると。

正直落ち着かない毎日

麦ラボ

ポールの間隔、約2.5~3m ネットの高さ、約1.9m


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中島第3圃場と第2圃場の南端 約40m

麦畑が実りの季節を迎えています。
開花の時期を過ぎ、少しずつ実が熟し始めています。
まだ緑色をしていますが、気が気ではありません。

と言うのは、イノシシがうろついているからです。
彼らは、穀物が大好物です。
量当たりのカロリーが高くて、栄養豊富ですから。

そこで圃場の周りをネットで囲う作戦なのですが、被害に遭う前に囲い切れるかどうか、そこを心配しているわけです。

否、何とかして囲い切りたいものですが、一方、何か別な方法でイノシシが近づかないような作戦は立てられないものかと思うのですね。

あるいは、捕獲して殺処分するとか。

圃場の周りを囲うなんてのは、いちばん受け身で消極的な対応ですから。

役場には駆除願いを出していますが、いつ対応してもらえるのか、今のところ動きはありません。

これは、ある意味命がかかっているのですよ。
昔の農民の気持ちが分かります。
大事な作物を餌食にされるくらいなら、その前に撃ち殺して肉を食いたいと。

この生ぬるい社会の中で、多分こうした命のやり取りを理解してはもらえないであろうことに、釈然としない思いばかりが募る私です。

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明日もおいしいパンを焼いて、皆さまのご来店、ご利用をお待ちしております。

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晴天の下、作業は続きます

今日は定休日、朝から晴天に恵まれ、屋外での作業に汗を流しました。
麦畑の周りをネットで囲う作業です。

まず初めに、まわりの草刈りをして、作業がしやすいように準備をします。
これは、数日前から進めていましたので、すでに終わっていました。

次に地面に2~3m間隔に穴を開けて細い竹の棒(2.5m長)を差します。
それからネットを張ります。

圃場の周りをぐるっと一周、すき間が無いように囲います。
張り巡らしたネットの高さは約1.8~2.0m、裾は固定せず地面に這わせています。
1m以上幅を取っています。

写真があれば分かりやすいのですが、その余裕がなくて写真を撮っていません。

一見頼りないこのネットも、獣たちから見ると、突破して大丈夫かどうか、相当戸惑うはずです。

近づくと、まず最初に足元に網が絡まり付くので、先へ進むことをためらいます。
下からくぐろうとすれば、尚のこと体全体に網が纏わりつきますから、それもしないと思います。

結局入れるところを探して、グルグル周りを回っているうちにあきらめるざるを得ないだろうと言うのが、私の作戦です。

実は昨年、かぼちゃとさつまいもを植えた圃場をこの方法で囲ったところ、熊、猿、イノシシ、その他の小動物も一切侵入がありませんでした。

今年も上手く行くかどうか分かりませんが、勝算は大きいと思っています。

ただ、作業が間に合うかどうか・・・、それが問題です。
何しろ膨大ですから。
まあでも、やるしかないのですね。

今の法律では、獣たちの数を減らしてはいけないことになっていますから。
何とも歯痒い思いはありますが、致し方ありません。

営業の一週間が終わりました

食工房の営業の一週間は、木曜日に始まり翌週の月曜日までです。
今日は最終月曜日で、明日と明後日は定休日です。

何と言うか、月曜日の夜は、少しだけほっとした気分になれます。
別に、仕事に嫌気が差すことはありませんが、緊張から解放される安堵の感覚は、気合を入れている日常あってこそ味わえるものです。
暫しの休息を与えられれば、木曜日にはちゃんと気合が入ってパン焼きに臨めるのですから、ありがたいことです。

明日は、獣害対策のために大方一日中、圃場の周りで作業していると思います。
これだって仕事と言えば仕事ですが、リクレーションの効用もあるのですから、悪い気がしないどころか楽しくやれるのですね。

獣たちと知恵比べ、楽しいですよ。
もちろん、日々の生活がかかっていますし、命がかかっているのではありますけれど。
だから、楽しいのですよ、分かりますか。

イノシシが毎夜やって来る

ここ数日、毎夜イノシシがやって来ています。
先日被害を受けたおばあちゃんの畑に再び侵入しました。

しかし今のところ、麦畑には入りません。
と言うより、登熟を待っているのでしょう。

実が入って来たら、確実に被害に遭いますから、今日から圃場の周りにネットを張る作業を始めました。
総延長は、およそ600mにもなりますので、全部張り終えられるかどうか、危ぶんでいるところです。

何しろ資材購入の代金だって大変な負担になりますので。
我が家の対策は、多くの方がやっているような電気柵は用いません。
多額の費用がかかりますし、管理も大変です。

私の作戦は、やわらかいネットを張り巡らす方法です。
これで本当に防げるのか、やって見なければ分からない部分もありますが、うまく行けば多くの農家にとっても朗報になると思います。

ここ数日お天気が良いようなので、その間に進められるだけ進めなくてはなりません。
間に合うかどうか、イノシシとの駆け引きが続きます。

一方で、熊や猿もいるので、そちらも気にしながらの対策です。

敵の動きを把握するために、また監視カメラも仕掛けています。

「おいしいパン屋さん」と呼ばれること

ここ数年、やっと「おいしいパン屋さん」と言ってもらえるようになりました。

何人かのお客さまが、ご来店の際、お友達から「おいしいパン屋さん」があると紹介されたと仰るのです。
これはもう、素直にうれしかったですね。

以前は、こだわりのパン屋さん、ちょっと変わったパン屋さんなどと言われていたものですから。
そして私たちの方でも、確かにこだわりは強いし、多くのパン屋さんとは違うかも知れないと思っていて、まあそれでもいいか・・・と気持ちを割り切ってやっていたのです。
でも、心の奥では、多くの方に素直においしいと言っていただけることを望んでいました。

で、これまでの努力が実ったと言うこともあるかも知れません。
またお客さま方の意識が高まって、国産小麦や天然酵母の味わいを認めてくださるようになったこともあると思っています。

「体にいいから」は、大切なことにちがいはありませんが、やつぱり「おいしいから」と選んでいただけることが本望です。

今後ますます努力して、なお多くの方に「おいしいパン屋さん」と呼んでいただけるようにがんばります。

子熊の目撃情報

今日の夕方、日没前、わが家に用があって訪ねて来た方が、帰り道当集落地内で子熊を目撃したと、車中から電話して来ました。

場所を詳しく聞いて、早速駆けつけて見ましたが、もちろん子熊の姿はあるわけもなし、しかし足跡はいくつか認めることが出来ました。
どうやら、何度も繰り返し通っているルートのようです。

すぐ近くには駐在所と人家が2軒、住人もいます。
そこでまず駐在所に報告を入れ、それからまわりの方々に知らせて回りました。
区長にも連絡しましたが、暗くなってからでは手の打ちようもありませんので、明日の早朝また現場付近をパトロールすることになりました。

目撃した方の話だと、その時は単独だったそうですが、母熊がいた可能性もありますので、最大限警戒はすべきでしょう。
今回は、貴重な情報を得られて幸運でした。

何処にどんな熊がいて、どういう行動をしたか、情報を集めることが何より先決です。
そうすることによって、対応の仕方も見えて来るというものです。
先日の熊が、実は親子連れだったかも知れず、それを確かめるためにも、次々情報を集めて行くしかありません。

イノシシも、相変わらず出没しているようです。

さて、それはそれとして、明日はパン焼きの日です。
店はいつも通り営業しております。

皆さまのご来店をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。