「学習放獣」という名の謎

長野県は、捕獲したクマを殺処分しないで、人間を怖がらせる学習をさせてから山に放すという対応をしているそうです。
これを「学習放獣」と呼ぶらしいですね。
他県でもこうした例はあるようですが、長野県はその割合が高いことで知られています。

しかしこれには課題もあるようで、学習放獣した個体が複数回繰り返して罠にかかり捕獲される例が少なからずあり、結局最後には殺処分された例もあります。

ところで学習と言いますが、どんなことをするのか・・・と思いましたが、クマ撃退用のスプレーを浴びせるとか、大きな音の花火で脅すとか、いわゆるお仕置きですね。
決して暴力的な措置は含みません。

そこで私が素直に疑問に思うことを申し上げます。

こうした手法で、クマが人間を怖がる学習をさせたつもりかも知れませんが、私は逆に、「捕まっても、少しいやな目には合うけどまた自由になれる」ということを学習するのじゃないかと思うのですね。

それに、遠く離れた場所に放しても、高い確率で元居た場所に戻って来ます。
だから、もう一度ならず罠に入ることもあるのではないでしょうか。

結局、クマの側に立って見れば、命を奪われる危険もなく人間は無害だと認識するに至るのではないでしょうか。

学習放獣は、人間の側の自己満足に過ぎないと、私は思います。

10分と持たないお天気でした

今日の空模様は、本当に目まぐるしく変わりました。
晴れから雨へ、曇りから晴れへ、突然降って来る雹、再び差して来る日差し、その最中に落ちて来る雨粒、いずれも10分と続かず変化して行きました。

今日は、食工房の仕事の合間に少しでも冬支度を進めようと狙っていましたが、こんな空模様でどうにもなりませんでした。
否、いっそのこと、降っても10分で止むなら外作業を続けられなくもなかったのにと悔やんでもあとの祭り、まあ仕方がありません。

その代わり、食工房の仕事は大いにはかどりました。
シュトレンの仕上げ工程を終わらせ、なかなか出来ずにいたクッキー焼きも4品目、ワインケーキを焼いたり、閉店時間を過ぎてさらに1時間以上も残業していました。

明日と明後日は定休日です。
明日は安定した晴れの日になるとのことですから、冬支度を一気に進めたいと思っています。
目が回るほど忙しい一日になりそうです。
ではでは。

クマ対策に柿の木を伐るの件について

飯豊の空の下から

小鳥たちは、雪の合間に隠れて柿の実を啄みます。

クマによる人身被害が相次いでいます。
そんな中、人里にクマを引き寄せてしまうとの理由から、柿の木の伐採を奨励する動きが出ています。

ちょっと待ってください!

クマの数を減らすことが先決だと思うのですが、クマを減らすのは何故ダメなんでしょうか?

ナチュラリストの皆さま、もう少し広い視野で周りを眺めて見てください。

あたりをすっかり雪に覆われた真冬の大地、柿の木に残っているオレンジ色の実がとても美しく印象的です。
そしてそれだけではなく、この柿で命を繋いでいる小さな生き物たちが沢山いるのです。

そうです、鳥たちですね。
大きいのはカラス、小さいのはシジュウカラに至るまで、彼らの貴重な冬の食糧となっています。

降雪地帯では、冬の間地面にアクセス出来ないので、樹上が専ら食料探しの場となります。
そこに熟した甘い柿があれば、どれほど大きな救いになることでしょう。

シジュウカラが自分の体より大きい柿の実にとまって啄ばんでいる姿は、見ていてとても愛おしい気持ちになります。
一個で何日も生きられます。

熟した柿は、ほとんど雪が融ける頃まで木の上に残っていて、彼らの命を支えます。
そして雪が融ける頃、一斉に地面に落ちて土に帰って行きます。

ですから、クマ対策だけのためにあっさり伐ってしまって、そこから先の影響は無視して良いとは思えません。

自然界は、もちろん人間だけのためのものではありませんが、クマだけのためのものでもありません。

そこは見失わないようにしたいものです。

寒くなりそうです

やっと先週あたりから気温が下がって来ました。
今夜は、冷たい風が吹き雨が降っています。
みぞれに変わるかも知れません。
来週後半は、いよいよ降雪もありそうです。

そしてこの寒さの到来で、やっとシュトレンの製造も始まりました。
実は、先週の月曜日に今シーズン初の製造をしています。
明日は2回目のシュトレン焼きの予定です。

一方で、最近まで暖かかったせいで、冬支度が進んでいません。
雪囲いもまだまだ完成してないし、電気柵の撤去もまだです。

と言うか、電気柵に関しては、降雪後は稼働させられませんが、本当は撤去までしなくてもいいのです。
ただ、道路沿いだけは、除雪車の通行の邪魔になりますので、撤去するしかありません。
それがまだなのですね。
気が揉めますが、致し方ありません。

明日はまた、当集落の収穫祭イベントがあり、私一人ですが、仕事の合間に参加して来ます。
旨い手打ちそばが食べられるのです。

差し入れに、スコーンを50個用意しました。
バザーで売ってもらって、売り上げを寄付します。

そんなわけで、明日も思いっ切り忙しい一日になりそうです。
早朝4時から、シュトレンの仕込み作業です。

バチルス菌対策を考えています

食工房

2023年度食品検査結果
画像クリックで拡大表示します。

スコーンの糸引き現象の原因が分かったのをきっかけに、製造環境全体の衛生管理を見直すことにしました。

まず、パンや焼き菓子は、庫内温度が200℃に達するオーブンで焼いた時点で完全に滅菌されるはずと思いがちですが、実はそうではないのですね。

水分のある生地を焼くのですから、水分が無くなるまで焼くのでなければ、表面はともかく内部は100℃を超えることはありません。
たいていは80℃くらいに止まるようです。

これでは、バチルス菌の淘汰など望むべくもないことですから、何か別な方法を考えなくてはなりません。

※バチルス菌は、150℃ 30分間でも完全には死滅しない。

防腐剤あるいはpH調整剤などの添加物に頼る方法が先ず一つです。
これに関しては、重曹+りんご酢の件で説明した通り、化学反応によって酢酸ナトリウムが発生するので、ある程度の殺菌効果が期待出来ます。

それから、ヨーグルトなどの乳酸発酵製品を原材料の一部として使用することで、バチルス菌を抑制する効果があるそうです。
このあたりをもっと詳細に化学的に検証して、確実な殺菌効果を発揮出来てしかも風味に響かない配合を編み出せないか、研究して見たいと思っています。

あと一つは、製造環境のクリーニングの意味で、オゾン発生器による環境除菌を検討中です。
あるいは、次亜塩素酸水の活用も可能ではないかと、そちらも検討しています。

尤も、酵母菌や乳酸菌も一緒に淘汰されたのでは元も子もなくなりますから、使用する場面や使用方法などは、細かく検討する必要がありそうです。

ちなみに、本年の食品検査では、スコーンを検体として提出しました。

※年一回以上、製品の生物化学的検査が義務付けられています。

結果は、一般生菌数 10未満/g 大腸菌群 陰性 /0.1g 黄色ブドウ球菌 陰性 /0.01g でした。

これなら、糸引き現象が発生する懸念はないものと思います。

収穫の恵みパンセット 発売!

食工房

食工房の麦畑・収穫の恵みパンセット 2023

画像が用意出来ましたので、オンラインストアでも発売いたしました。
食工房オンラインストア、ハンドメイドマーケット”Creema”、二つのサイトでご購入いただけます。
原則として、お一人さま1セット限定とさせていただきます。
商品は、オンラインストア、店頭販売、直接通販を含めて合計50セットです。
よろしくお願いいたします。

飯豊の空の下から

台所の窓から見える飯豊山、すっかり冬の装いになりました。

スコーンの糸挽き引き現象について・その後

2017年5月の記事ですが、「スコーンの糸挽き引き現象について」という報告をしています。

その後どうなったかについて、報告しないまま時間が過ぎてしまいました。
私の勉強不足もあって、正確な原因が分かったのは、割合最近になってからのことです。

糸引き現象は、業界では「ロープ現象」と呼ばれ、バチルス菌という細菌によって生成されます。
納豆菌とは類縁の細菌です。

環境には普遍的に存在しており、製造現場の空気中にも浮遊しています。
また小麦粉そのものにも、数種類のバチルス菌が存在することが分かっています。

原材料から生地を経て焼き上げ、冷却に至るまで、すべての工程がバチルス菌汚染のリスクに晒されています。
しかも、バチルス菌は150℃まで耐えるので、オーブンによる焼成の温度でも死滅しません。
バチルス菌のリスクを除去することは大変困難です。

それでその後、食工房がどういう対応を取って来たかと言うと、製造現場の衛生管理をより徹底したこと、賞味期間を夏、春秋、冬で変更し、夏場は特に短く1週間としました。
ちなみに冬は、1ヶ月です。

この対応で、ほぼクレームは発生しなくなりましたが、原因についての核心が掴めていなかったので、いつも若干の不安がありました。
しかし、ごく最近になって多くの情報に触れることが出来、一挙に学習が進みました。

それによると、バチルス菌を抑制するためには、生地、製品のpHを低く保つこと(pH=5.0~5.5)が重要と分かりました。
業界では、添加物の使用が推奨され、特に酢酸ナトリウムあるいは酢酸そのものの有用性が報告されています。

そこで思い当たるのですが、食工房では膨張剤として重曹(炭酸水素ナトリウム)とりんご酢(酢酸を含む)を反応させて炭酸ガスを発生させています。

この時の反応で、微量の酢酸ナトリウムが生成されますので、当然これによる殺菌効果が期待出来ます。
ただし、製品のpHを正確に測ることまではしていなかったし、そのような殺菌のメカニズムについても無知でした。

とは言え最近は、重曹臭さを回避するために、りんご酢を規定量より若干多くしていましたが、これがpHを下げることに貢献したものと思っています。

こうした対応が功を奏したのか、スコーンに対するクレームは、最近では一件も発生していません。

今後はなお念を入れて、定期的な品質テストを行うこと、製品pHを正確に設定することなどを実現していきたいと考えています。

<参照> 「食品の微生物変敗と防止技術」 アサマ化成株式会社発刊 「アサマNRWS パートナー №192」

またしてもクマ出没

獣害対策

目撃情報 2023.11.14 6:50


獣害対策

詳細図の表示範囲を示しています。

もう冬眠の動きになっているので、餌になるものが無いところには出没しないだろうと思っていましたが、とんでもないところに出て来ました。

今朝6時50分頃、藤沢集落の中心とも言える国道459号線の曲がり角の付近、介護老人施設「ハッピーランドあいかわ」の進入路入口に1頭のクマがいるのを、住民が目撃しました。

その時、道路を車2台が通過して行ったとのことですので、車の運転者も目撃したかも知れませんが不明です。

かなり大きな個体だったそうで、一旦老人施設の方向に坂道を上りかけて引き返し、プール跡の柵沿いに裏手の山に向かって移動し、藪の中に見えなくなったとのことでした。

クマの立ち去った方向めがけて追い払い用の爆音煙火を発射したそうで、その音がわが家まで聴こえました。

図面を見て分かると思いますが、集落の往来のど真ん中に出て来たわけで、こんなところに何をしに来たのか、いろいろ推測していますが今一つ謎です。
そして目撃された箇所に、どこからどこを通って移動して来たのか、それも想像の域を出ません。

娘たちが、朝方カラスが騒ぐ声を聴いたと言いますので、その位置にクマがいたのだと思いますが、まだ寝床にいましたので詳細な位置は不明です。

出没箇所の周辺のどこかにトレイルカメラを仕掛けようかと思いますが、今一つ設置場所を絞り込むことが出来ません。
何とかして動きをキャッチしたいものです。

ちなみに、川を渡ったこちら側の我が中島地区は、今日もトレイルカメラ3ヶ所ともノーヒットでした。
イノシシもクマも、何の痕跡も見つかりません。

地→自 粉食パンになります

麦ラボ

南部小麦自粉角食パン


麦ラボ

南部小麦近影
スペルト小麦に比べても遜色ないほど風味が良く、製麺に適し、製パンも可能です。

今年収穫した南部小麦の品質が良かったので、原穀60kgを製粉してもらいました。
約40kgの小麦粉が取れましたので、期間限定ですが、現在主力で使用している岩手県の東日本産業製の南部小麦粉に替えて、自家産の南部小麦を使用することにしました。
国内産小麦の粉のことを地粉と呼びますが、さらに自家産であることを主張するために「自粉」と呼ぶことにしました。
これからこの小麦粉が無くなるまでの一時、地粉角食パン→自粉食パンになります。
それに合わせて、「2023 収穫の恵みパンセット」を発売します。
内容は以下のとおりです。
• 自粉角食パン1斤  ×1
• 堅焼き黒パン・大  ×1
• スペルト小麦丸   ×1
• プンパニッケル   ×1
• かぼちゃあんぱん  ×2
以上、合計2,825円のところ、50セット限定 特別価格2,000円で販売します。
近々、オンラインストアにアップしますので、よろしくお願いいたします。
お電話やファックス、またEメールでのご注文も受け付けますので、ご遠慮なくいつでもお問い合わせください。
なお、店頭でのご購入をご希望の方は、前以てお問い合わせの上ご予約ください。
その場では、ご用意出来ません。ご了承ください。

早いもので、間もなく12月がやって来ます。
この時期に「紙版・飯豊の空の下から・・・」が出せていないので、各方面に告知が間に合っていませんが、それでもシュトレンのご予約を次々いただいています。
大変ありがたく感謝申し上げますとともに、これも長年続けて来たことへのご信頼あってのことと、うれしい気持ちです。
来年1月には、開業20周年の節目にもなります。
今後ますます精進いたしますので、どうぞお引き立てのほどよろしくお願いいたします。

ちなみに、食工房は、明日11/14(火)と11/15(水)の2日間定休日休業となっております。

続・何故、誰も「戦え!」と言わないのか

一昨日からの続きです。

では、今後どうすれば良いのか・・・、まず結論から申し上げましょう。
それは、動物たちとの間に、適切な緊張関係を維持することです。

何だ、そんなことか!と言わないでくださいね。
では、少し違う所から話を進めましょう。

先日、クマ出没に関するニュースを漁っていたら、岩手県の雫石町の肉牛飼育農家の牛舎に、8頭ものクマが同時に侵入して牛の飼料を食っている映像が流れていました。

この農家さんは、最初は侵入を防ぐために扉に鍵をかけて締め切りましたが、次々何度も破られて修理するのもキリがないと諦め、クマが侵入するままに任せ気が済むまで餌を食べさせることにしました。
「餌を食って大人しく帰ってもらう方が、かえって安上がりだ・・・」と言っていました。

さらに行政の担当者も、現状人身被害の報告も無いので、積極的な駆除は考えていないと言っていました。

この情報に接して、私は、もう呆れてものが言えない、また憤慨に堪えない気持ちになりました。

違うでしょう!

クマに餌を食わせて、それも一度に8頭もの個体が同時に居合わせるなんてことは、自然界ではあり得ない恐ろしく異常な事です。
その状況下で、クマがどのような学習をすることになるのか、考えてみてください。

また、豊富な食料にありついて栄養状態が良くなり、繁殖率も上がるでしょう。
確実に数が増えますね。
そしてこの状況が、他の畜産農家へと波及して行くことは必至です。

本当は、どんなことがあっても、人間の用意したものを一欠けらだってクマに食わせてはなりません。
厳しく追い払い防御すべきであり、悪い学習をしてしまった個体は、すべて駆除すべきです。

それを、今のところ人身被害が無いので駆除しないとは、一体どういう考えなのでしょうか。
最初の犠牲者が出るのを待ってから、でしょうか。

私には、いずれ犠牲者が出ることは必至と思えるのですが。

ところで、クマなど野生動物の習性を語る時、多くの人が動物たちは本能的に人を恐れているとか、本来臆病な性格だとか言います。
申し上げておきますが、それは全くの間違いです。

そういう意味での本能と言う概念は、存在しません。
動物たちは、人間の私たちと同様に、時々刻々、新たな状況を学習し適応しようとしています。

近年、狩猟者が減り続け、また多くの市民が野生動物は皆、保護されるべきものと思い込んでいる現状では、動物たちが人を恐れる理由は無くなってしまっています。
ここしばらくそうした状況が続いているのですから、これから先は人を恐れないどころか、積極的に人を狙って攻撃して来る事態が頻発することになります。

ここまで申し上げれば、皆さま、もうお分かりでしょう。
戦うしかありません。

かつて動物たちが人を恐れたのは、人が卓越した腕前の狩猟者であり、度々その脅威にさらされたからです。

しかし人類も最初から卓越した狩猟者だったわけではありません。
恐らく・・・、そうなるまでに、一体どれほどの仲間が命を落としたことでしょう。
強い動物たちの食事メニューの中から「人」の名を消すのにどれほど多くの犠牲と時間を要したかは、想像に難くありません。

そうした幾万年を経て得た人類の自然界における地位も、失う時はあっという間だということを知らなくてはなりません。

今日はここまで。
さらに続けます。