投稿者「mikio aoki」のアーカイブ

クッキー類、品切れのおわび

只今、年末体制でシュトレンの製造に手を取られているため、クッキー類の製造がほとんど出来ていません。
品切れのものが多くなっております。
毎週、2、3品目をどうにか製造していますので、ものによっては棚に並んでいることもあります。
しばらくの間ご迷惑をかけますが、ご了承ください。


印刷版の「パンだより38・冬至号」、只今編集中です。
今週中には、Web上に公開出来そうです。

☆シュトレン、引き続きご予約を承っております。


おいしいコーヒーのいれ方・総集編


おいしいコーヒーを召し上がっていただくために、コーヒーを何倍も楽しんでいただくために、今までにずい分いろいろなことを、毎週水曜日の「習刊、コーヒー通信」で取り上げて来ました。
それらの情報を、手早くご覧いただけるように、各記事へのリンクをまとめて見ました。

何と言っても、おいしいコーヒーを召し上がるためには、先ずは良い豆を見つけることですが、これはもう時間をかけて楽しみながら、いろいろな豆に出会う中で、好みに合った豆を見つけていただきたいと思います。

それで一つ、良い豆の条件の筆頭は何かというと、焙煎の鮮度です。
「炒り立てであること」、これは何より大切な品質であるとご理解してください。
焙煎の鮮度は、抽出の際の泡立ちの良さで判断出来ます。
炒り立ての豆は、湯を注ぐほどにどんどん泡が膨らみ、こんもりとドーム状に盛り上がります。



 


食工房の自家焙煎コーヒー豆は、少量ずつ二度焼きで仕上げています。
ロースト香の深さと味わいのまろやかさを兼備するための配慮です。

さあそれでは、各記事へご案内いたしましょう。


☆2008.01.23 「おいしいコーヒーの淹れ方」
☆2007.05.09 「こだわりのネルドリップ」
☆2008.01.30 「コーヒーミル」
☆2008.08.20 「水で決まるコーヒーの味」
☆2008.08.27 「体調で変わるコーヒーの味」
☆2007.12.05 「カップを選ぶ楽しみ」
☆2008.03.12 「コーヒーには生クリームを」
☆2008.05.09 「ブレンドコーヒーのススメ」
☆2008.11.12 「コーヒーの酸味」


あと、ちょっと補足ですが、ドリップしたコーヒーは、温め直さずにすぐに召し上がるのが一番です。
そのためにも、カップは十分に予熱しておいてください。

国産小麦のパン



食工房製 地粉角食パン


先日のこと、「国産小麦のパン」をキーワードに検索したところ、いくつかよく知っているパン屋さんの名前が上がっていて、サイトを拝見したりブログを読んだりしましたが、一つ気になるパン屋さん(ではありませんけど・・・)の名前が上がっていました。

そうです、業界最大手の「山崎製パン」です。
うーん・・・、「ヤマザキよお前もか!」ではありませんが、こういう大手が国産小麦に手を出す時代になったのかと感心する一方、これは我々のような国産小麦で独自路線を歩んで来たパン屋にも、少なからぬ影響が及ぶだろうと思った次第。
早速サイトを覗いて見ました。

その結果分かったことは、確かに国産小麦100%だということ・・・。
何々!とよく見て行くと、国産小麦は製パンに適さないところを、独自の研究開発で克服した旨が宣伝されています。
そしてその中身も、公開されていました。
それは、パン生地の改良材として、臭素酸カリウムを使用する方法でした。

この臭素酸カリウムというのは、私などは、30年くらい前に勉強してよく記憶に残っている、製パン用の食品添加物の一つです。
※臭素酸カリウムに関する、検索結果 <こちら>

当時、盛んに使用されていましたが、遺伝毒性が認められるということで、使用を自粛することになった危険な添加物です。
イギリスでは、使用禁止措置がとられているとのこと。
日本では、禁止ではなく自粛という方向で、代わりにLアスコルビン酸を使用しています。

そこを何故敢えて臭素酸カリウムなのかというと、やはり生地改良の能力が格段に優れているということなのですね。
そこでヤマザキさんは、最終製品のパンに焼き上がるまでに、この臭素酸カリウムの残存を限りなく0にする技術を研究したらしいのですね。
残存が0ならいいじゃないかという話になりそうですが、あまり気持ちのいい話しではありません。

まあ、考え方感じ方の違いで、支持する方もいるでしょうから、輸入小麦の価格がさらに高くなってくれば、大手の製パンメーカーもどんどん国産小麦に乗りかえて来るでしょうね。
そうなると、私たちのような小さいパン屋は、今までどおり安定して小麦粉を仕入れられるか、ちょっと気になったという次第。

食品行政や農政に、もっと国産重視の姿勢をとって欲しいと思わずにはいられません。

今年もまた・・・



キルトのクリスマスツリーにオーナメント
そして天使の楽隊が並ぶのが、定番です。


今年もまた、クリスマスを待つ季節になりました。
昨年のブログにも登場した、同じ飾り付けを今年もまた出して来ました。<参照>
今年も同じようなアングルで写真を撮ってみましたが、同じものが同じように並んでいるのを見て、何だかとても幸せな感じがしました。
そうです、少なくともこの一年間、落ち着いていられた証拠ですから。
そして今年は、いくつか新しい飾りつけも増えました。




星型のカットがいかにもクリスマスにピッタリでした。






こちらは、通販で買ったもの。
派手さはありませんが、とても
素敵です。さすが、ドイツ製。


一番目をひかれるのは、連れ合いが今年の誕生日に、親しいお客さまからプレゼントにいただいた、ステンドグラスの入ったプレートです。
それから、ドイツの品物だそうですが、レーザーカットで作られた切り紙細工のクリスマスカード。
あとはいつもどおりの、連れ合いや娘たちの手仕事で少しずつ増えて来た、キルトのツリーやオーナメント。


 




カトリンさんは、ステッチで雪の結晶を模って
いるのが、
とても気に入ったみたいでした。



そうそう先日のことですが、西会津町にある「国際芸術村」<参照>に招請されているアーティストの一人、ドイツ人のカトリン・パウルさんが、今日こそはとプンパニッケルを買いに見えたのですが、その時このクリスマスの飾り付けが目に留まったようで、沢山写真を撮って行かれました。
あとで彼女からメールが届いて、彼女のブログにその写真をアップしてくれていました。<こちら>


今年の娘たちは、店の仕事で忙しくさせてしまったため、昨年のように沢山オーナメントを作ることが出来ず、とても残念そうです。
以前は、リースやアドベントカレンダーやクリスマスカードなど、全部手作りして楽しんだものです。

まあその代わりと言っては何ですが、皆の活躍で今年のシュトレンの出来は昨年以上です。
おかげさまで、バターの入荷もどうにか間に合いそうで、製造は順調に進んでいます。
皆さまから、次々ご注文をいただいていますが、まだ少し余裕がありますので、引き続きご注文をお待ちしています。


シュトレン 1本 2,600円 1/2カット 1,500円
※ギフトパッケージは、プラス200円

忙中、閑。「カフェクラブの集い」

昨日張り切ったので、今朝はさすがに起きられませんでした。
8時も過ぎてからやっと起き出して、先ずはシュトレンの仕上げを終わらせて、そこから先は本日のイベント「カフェクラブの集い」の支度をするだけにして、あとは休みと決めました。

と言っても、予告なしのサプライズにピザを考えていたので、急ごしらえでチリーソースを造りました。
午前中、カフェでコーヒーのお客さまの相手をしながら、玉ねぎを刻んだり炒めたり、夏に造っておいたトマトペーストを出して来たり、そのうちいいにおいが漂って、そのお客さまも、とうとう予定を変更してイベントに参加してくださることになりました。
結局、他にも当日参加の方が2名追加となり、計6名さまをお迎えしての盛会となりました。

それで私、今日も改めて自覚しましたが、料理するのが好きなんですね。
手間をかけることは、全然苦になりませんから・・・。
楽しくてしょうがありません。

最近メニューに加わったセラードコーヒーの各銘柄をストレートで味わっていただきながら、シュトレンやケーキを、そしてお客さまにトッピングしていただいてピザを焼き、一通り飲んだり食べたりしていただいたあとは、皆さんと一緒に、とりとめなくおしゃべりして過ごしました。

その間、工房の方で、娘たちが何やらやっている気配がしていましたが、見に行ってみると、シュトレンに使って残ったバターが混ざってしまったグラニュー糖や溶かしバターから分離したバターミルクを使って、クッキーを造っているところでした。
本人たちは、「いたずらしてるんだよ。」と言っていましたが、思いっきり楽しげないろいろな形のクッキーが出来ていました。
食工房の仕事のスピリッツは、実はこんなところにあるのかも知れないと、うれしくなりました。

そしていくら忙しくても、時々こういう長閑な時間は、スパイスのように欠かせない、人生を味わい深くするのに必要な材料だと思いました。

今日は夜なべです。

個人経営の自営業は、どの道、労働時間に区切りがつけられませんが、それにしても今日はいかにも夜なべということになってしまいました。

明日、カフェクラブのイベントだというのに、コーヒー豆の在庫が心許ない状況になっているからです。
そして今日はまた、シュトレンを沢山仕込んだため、後処理で時間を食ってしまいました。
まあこんなことは、年に何回もあることではありませんし、体が動くのがありがたいと思いながら、今コーヒー焙煎をやっています。
そのちよっとの合間に、タイマーを睨みながらブログを書いているという次第。


ところで、こんなことも自宅が仕事場だから出来ることですね。
今の私は、職住接近の極めつけみたいな生活になっています。
仕事と私生活の分け目がはっきりしなくて嫌だという方もいますが、私はむしろ好みに合っています。
それに酵母の管理など、パン焼きの前日は就寝直前まで様子を見ていますから、このスタンスじゃなければ成り立たない仕事になっています。

と言うわけで、たった今やっとコーヒー焙煎が終わりました。
あとは、今日の経理をやっておしまいです。

ほんとうの空色


 


これは本当は、ハンガリーの作家 Balazs Bela の著作になるファンタジー小説のタイトルなのですが、今日のお話はそれとは直接関係ありません。
でも、このタイトルをいただいたのには、少しわけがあります。

私が、20代の終わりかあるいは30代の初めか、詳しい時間は忘れてしまいましたが、ある時、草原に寝転んでぼんやり空を眺めていました。
ふと思いついて、片方の目を掌で覆って片方の目だけで眺めた後、次にもう一方の目に替えた時、微妙に空の色が違っていることに気がつきました。

上の2枚の写真は、左右それぞれの目で見た空色を、少し差異を強調して再現したものです。

何でこんなことをやって見る気になったかと言うと、耳でも同じようなことが起こるのを、すでに体験していたからです。
ヘッドホーンで、左右の耳に個別に音が聴こえるようにしておいて、「ピンクノイズ」と呼ばれる音源を出します。<参照>
左右交互に聴くと、全く別な音を聴いているくらい違って聴こえるのです。
左右の耳の周波数感度特性は、もちろん人にもよると思いますが、かなりバラツキがあるのだなと、20代の初めの頃だったと思いますが、その時初めて知りました。

それで、目でも同じような差異があることに気がついて、やっぱり少しショックでした。
右の目と左の目でも違って見えるのだから、ましてや他人の目と自分の目では、同じ空を眺めていても違った空色に見えているかも知れないと思うと、自分の中で何かが大きく揺らぐのを感じました。
それ以来、世界とそして人を見る目が変わったような気がします。

そしてその時、同時に思い出していたのが、「ほんとうの空色」でした。
このファンタジー小説のことは、18か19の頃、朗読をラジオで聴いた時以来、忘れることが出来ない記憶として、頭の片隅にしっかりと刻んでいました。
どうしてこの物語がそれほど印象に残ったのか、自分ではうまく説明出来ませんが、もし興味がおありの方は実際にお読みになってください。

いつでもベストを

もうずい分前、何度かお邪魔したことのある、お店(カフェ・レストラン)のお話です。
そこは、サイフォンコーヒーがおいしいお店でしたが、ランチタイムの食事について来るコーヒーは、残念なことに、コーヒーマシンで淹れた安いブレンド豆のコーヒーでした。
サービス品なので仕方ないと言えば、仕方ないのですが、せっかくおいしいコーヒーを出せる腕があるのに、こんなところでケチってはもったいないというか、あまりいいことにならないんじゃないかと思っていました。
結局そこは、まあそんなことが関係したかどうか分りませんが、何年か経ってやっぱり閉店してしまいました。

一方、食工房がお世話になっている別のお店(そこもカフェ・レストラン)では、ランチタイムのサービスコーヒーに、フェアトレード・オーガニックのオリジナルブレンド豆を、一回一回挽いて淹れて出しています。
豆を買ってもらっているウチはいいのですが、そのお店の方はこれで利益が出ているんだろうかと、ちよっと心配になるほどの大出血サービスです。
でも・・・、です。
食事の後のおまけのコーヒーでさえ、最高の味を出そうという心意気は、料理にももちろん現れていますし、そのコーヒーが美味いと別料金を払ってお代わりする人や、わざわざコーヒーだけ飲みに来る人もあり、そこのお店は大繁盛しています。
「損して得取れ。」とはよく言ったものですね。
もちろん一番効いているのは、お店を切盛りしているおかみさんのお人柄です。
ウチは、こことお付き合いさせてもらっていることで、売り上げ以上に「元気」をいただいています。
あぁ・・・、でも、今度からここに納めるコーヒー豆も値上げしなくてはならないのです。
心苦しい決断です。
さてそのお店とは、<こちら>です。




    イベント開催のおしらせ

11月30日(日)、午後2時より
「カフェクラブの集い」を開催します。
参加費1,000円 定員8名
今回は、気になる銘柄をそれぞれストレートで、味比べをします。
「シュトレン」の試食もあります。


なお、当日雪で駐車スペースが確保出来ないほど積もった場合は中止となりますので、心配な時はお出かけ前にお電話などでご確認ください。

食物環境という話

食品の偽装や毒物の混入など、食物の安全が揺らぐ昨今、一体何を食べればいいのか、食の安心はどこに求めればいいのか、どなたも頭を悩ませていらっしゃると思います。

そういった危険回避のことは、この時代の重大事になってしまいましたが、それ以前から、健康維持を考える時、毎日食べる食物は一つの重要な要素でありました。
「何喰ってたって同じだよ!」と思っている方がいるかどうか知りませんが、はっきり言ってそれは間違いです。

我々人間も含めて、動物も植物も皆、直接間接に環境の産物です。
食べるということは、肉か魚かあるいは野菜かその他何でも、それらが採れた場所の環境を体の中に取り込むことと同じです。
食生活は、その人の体にとって、ある面、気候風土以上に直接的な環境だと言えます。

「じゃあ、何を食べるのが体に良くて、何が体に悪いんだ?」ということになるわけですが、それは人それぞれに少しずつ違っているということもありますし、それから食品商売をしている私の立場上、特定の食品の悪口になることは言いたくありませんので、ここでは具体的なことは申し上げられません。

私の限られた経験からでも、個々の食品と体への影響について、つかんでいることはいくつかありますが、それらは直接お話しする機会があれば、お伝え出来ると思っています。
一つ言えることは、どんな食べ物にも適量があって、不足しても多過ぎても、健康に何らかの害があるということです。

今、私たちの回りに氾濫している食に関する情報や飽くことなき美食への志向のことなどを考え合わせると、私たちはただ贅沢なだけに止まらず、それ以上に心身の健康に対して、とても罪深い状況であると思います。

そんな時代に、パン屋をやっている自分としては、食べてくださる皆さんの体にもそして心にも良いパンを提供したい。
そのためには、体のことも心のことも全て含めて、まず自分自身のコンディションからだと思っています。
無理に達観するんじゃなくて、自然に仕事が喜びとなるだけの力量を身に付けることが肝心と、この歳になってやっと覚悟が決まった私です。