習刊 コーヒー通信」カテゴリーアーカイブ

コーヒー好きは、おこげ好き!?

コーヒー通信、今週は食べ物の好みに関する話題です。
人の食べ物の好き嫌いについて研究した資料によると、コーヒーが好きな人が共通して好む味は、焦げたものの味だそうです。
例えば、こんがりと良く焼けたトースト、ご飯のお焦げ、焼き芋、いり胡麻、ドーナツ、そして極めつけは燻製品、言われてみるとどれもこれもウンウンとうなずけるものばかりです。
そうです、そもそもコーヒーの風味はコーヒー豆を焦がすことによって出て来るのですから無理もありません。
コーヒー好きの貴方、煎茶とほうじ茶のどちらが好き、と聞かれたら何とお答えになりますか。
私は迷わず、ほうじ茶ですね。
この資料によると、コーヒーよりも煎茶や紅茶などを好む人の食べ物の好みは、コーヒー好きの人とは対照的であるらしいです。
さて貴方は、コーヒー党ですか煎茶党ですか、それとも両刀使いですか・・・。


 食工房オリジナルブレンド
食工房では、只今4種類のオリジナルブレンドを用意しています。
それぞれミディアムローストベースですが、全てのブレンドに一定割合の深炒り(フルシティーロースト)豆を入れています。
一見ひどい炒りムラに見えて、何だこの豆は!と言われてしまいそうなのですが、一度味わっていただければたいていの方が納得してくださいます。
この少量の深炒り豆の効き目は大したものです。
適度に酸味を和らげ、香りを高め、苦みとコクを加え、後味のキレを良くしてくれます。
お店で召し上がる方のためには、お好みに合わせて深炒り豆を別に粗挽きし、その場でブレンドするという気づかいもしています。
さて、そのブレンドレシピは・・・、企業秘密です。




 食工房のパンだより 新緑(5月)号 配布中
プリントバージョンの「パンだより」が出来ました。
ご来店者には直接手渡しで、遠方の方にはメール便で、さらに今度からはご希望があれば、PDFファイルにしたものをeメールに添付してお送りすることも出来ます。
お申し込みはコメントで。(メールアドレスは公開されません。)

カフェクラブの集い

 「カフェクラブの集い」のご案内
4月29日(日) 午後2時から、皆さんの時間の許す限り。
            参加費 お一人1000円
今回は、新作焼き菓子を試食しながらコーヒー飲み放題でおしゃべり。
                                                                          
食工房では月に一回、コーヒー好きの方にいろいろお楽しみいただける「カフェクラブの集い」というイベントを開催しています。
店内のカフェスペースにて、毎回一つテーマを決めて時に真剣に、時に楽しく、薀蓄をかたむけおしゃべりを楽しんでいただいています。
今までに、コーヒー豆の銘柄別テイスティング、入れ方別テイスティング、コーヒー抽出の実践教室、コーヒーに合う焼き菓子の試食評価、そして何も決めずにコーヒー飲み放題でただおしゃべりだけ、等々いろいろやっています。
昨年の暮れには特別バージョンで、アイリッシュミュージックのライブ演奏付きで、クリスマスカフェパーティーも実現しました。
ただ少し残念なのは、参加者が今一少なくてちょっともったいない感じがしていることです。
自分で言うのも何ですが、参加費一回1000円ポッキリで、こんなに中身が濃くて楽しめるイベントは滅多にないと思いますので、皆さんどうぞ奮ってご参加ください。
※カフェクラブは会員制です。
ただし、どなたでもその場で会員になることが出来ます。
会費は無料です。

 食工房の自家焙煎コーヒーが飲めるお店

  空色カフェ
コーヒー、紅茶の他、オーナー手づくりのチーズケーキをはじめ焼き菓子がおすすめです。 
おなかのすいた方には、特製カレーライスも。
空色カフェは、福島県大沼郡三島町にある美坂高原の中にあります。
山の上の公園内のため電話は携帯のみです。
                         090-1938-8119
なお、ホームページやブログもありますので、先ずそちらをご覧になってからお出かけください。

  くさの根
新鮮な魚を使ったお食事メニューが沢山あって、どれもこれも皆おいしい!
しかも良心的価格で超お得。
そしてコーヒーは、食工房自家焙煎の「くさの根オリジナルブレンド」を召し上がっていただけます。
いわき市四倉漁港エリア内にある、ふれあい物産館の一角にあります。
                   TEL 0246‐32‐6460
営業時間:AM.10:00~PM.8:00  定休日:毎週火曜日

はっぴいえんど

 人気のない朝のコーヒー屋で・・・

      人気のない朝のコーヒー屋で

      ひまをつぶしてたら ひびわれた

      ガラス越しに 摩天楼の衣ずれが

      歩道をひたすのを見たんです

      それでボクも 風をあつめて 風をあつめて

      青空を駆けたいんです 青空を


1970年代前半に青春時代を過ごした方なら、ひょっとしてご存知でしょうか・・・この歌。
いわゆるアイドルではありませんでしたが、日本では不出のロックバンドだったと、私は今でもそう思っている「はっぴいえんど」・・・。
「風・街・ろまん」というアルバムのA面3曲目に入っていた「風をあつめて」という曲は、当時20代前半を過ごしていたボクの感性にあまりにもピッタリとはまってしまったのでした。
人気のない朝のコーヒー屋で・・・は、その3番目のフレーズ。
貧乏、各駅停車、風来坊、友達のアパート、飲み慣れないバーボンウィスキー、夜明けまで語り明かした朝の眠気覚ましのコーヒーの味、そしてバックに流れていた「はっぴいえんど」・・・。
やっぱりここでも、コーヒーは役者でしたね。




 嗅覚はタイムマシン
嗅覚は、五感の中でも一番原始的というか、動物的な感覚だそうです。
だから、匂いは時として、突然とんでもない古い記憶を呼び起こすことがあるのです。
コーヒーを入れている時、フワッと上がってくる香りが鼻に入った瞬間、日頃絶対に思い出すこともないような記憶が、鮮やかに蘇ることがあります。
たとえばそれは、20代の初め一人で東京に住み始めた頃、下宿の狭い部屋で朝コーヒーを入れている、まさにその瞬間の記憶だったり、また別な時、コーヒーを入れてくれる彼女の手元を覗き込んだ瞬間の記憶だったり、そして友達のアパートでレコードに合わせて口ずさんだ「風をあつめて」のフレーズ、それは他のどんなきっかけで思い出す時よりも、ずっと鮮烈な臨場感を伴っています。
その瞬間、どこに連れて行かれるかは分からないけれど、まさに嗅覚はタイムマシン!
あなたは、コーヒーの香りで何を思い出しますか?

私とコーヒーの出会い

今でこそコーヒーを商売のネタにしている私ですが、レギュラーコーヒーを自分で入れて飲むようになったのは、大人になって独り立ちしてからのことです。
昭和20年代後半生まれの私、しかも育ったのは四国の山奥の小さな村、喫茶店もなければ日常コーヒーを嗜む人などいるわけもなし、意外にも私とコーヒーの付き合いは、中学生の頃にインスタントコーヒーから始まりました。
かの有名なネスカフェは、その頃四国の山奥の小さな村に初めて出来たスーパーマーケットの店頭にもちゃんと並んでいました。
牛乳を沸かしてインスタントコーヒーと砂糖を溶かして飲むというのが、飲み物の中では一番気が利いているという感じでしたね。
「カフェ・オーレ」なんて言えば聞こえは良かったでしょうが、そんな呼び名は聞いたこともありませんでした。
今は「コーヒー牛乳」がレトロ感覚にマッチしてウケたりするのですから面白いですね。
その後、ジャズ喫茶に通うようになったりして、レギュラーコーヒーの香りと雰囲気にすっかり浸ってしまい、以来、豆から挽いてコーヒーを入れるという手順を踏んでみたくなったのでした。
手回し式のコーヒーミルとネルドリップフィルター、それにホーローのポット、実はこれが自分で稼いだ金で買った最初の所帯道具と言えるものでした。
そしてコーヒー豆は、コロンビア、モカ、ブラジルの三種類。
今思うと最初からコーヒー通を気取っていたようで、何とも愉快な思い出です。


 
 
不思議な味わい、ネパールコーヒー
ネパールというとインドと並んで「紅茶の国」という感じがありますが、少ないながらコーヒーも生産されています。
そしてネパールのコーヒーは、コーヒーの主産地である中南米や中東、東アフリカなどのコーヒーとはちょっと違った不思議な味わいがあります。
何と言ったら良いのでしょう、お茶の雰囲気なんですね。
繊細でスッキリとした苦みがあり、酸味はフルーティーでいつまでも口に含んでいたいような爽やかさがあります。
後味もあまり残らず、何杯でも飲めそうな感じです。
今、ブラジルの豆とブレンドの相性を試しているところですが、これがなかなかイケそうなんですね。
食工房カフェブレンドに、もう一つ新しいメンバーが増えるかも。

One more cup of Coffee /コーヒーもう一杯


 
 ”One more cup of Coffee”
これは、ボブ・ディランが1976年に発表したアルバム 、”DESIRE” 邦題「欲望」の3曲目のタイトル。
詩の内容はいかにもディランらしい哲学的なものですが、ゆっくりと押し出すようにリズムを刻むギターに、絡みつくような旋律を奏でるジプシーバイオリン、抑揚を押さえて淡々と歌うディランのボーカルにどこか東洋的センスを感じます。
 堕ちてゆく世界に、覚悟を決めて・・・  「さあ、行く前にコーヒーをもう一杯」

世界中に嗜好品の数多くありと言えど、コーヒーほど幅広く愛されているものはないでしょう。
数え切れないほど多くの物語の中で、コーヒーは主役になり、脇役になり、小道具になり、時には遠い背景になって、様々に役を演じています。
コーヒー好きが高じて自家焙煎を始め、商売にまでしてしまった私ですが、私のコーヒーの後ろにも沢山の物語、思い出があります。
そして休みの日の朝、ゆっくりともう一杯のコーヒーを楽しむ、たまらなく幸せを感じる瞬間です。
コーヒーの話、また折々に語らせていただきます。
どうぞお楽しみに。