文旦ピール、ふたたび


文旦何個分になるでしょうか・・・?
おいしく食べるのも、半分お仕事です。



熱いうちに袋に入れ、湯気がこもって脱気したらすぐにシールをかけます。
大がかりな設備を要さず簡易な方法ながら、完璧な保存方法です。


3年前に文旦ピールのつくり方を詳しく書いていますが、その記事の閲覧者が、毎年この時期になるとグンと多くなります。 <参照>
参考にしてくださっている方が多いのだなと思って、私も他のつくり方の記事を見させてもらっています。
人によってやり方は実に様々。
実際のところ、出来具合にどのくらいの違いがあるのか興味はあっても、こちらは業務用に使うものを造っていますので、他の方法を試してみるわけにも行きません。
まあ今のところ、これ以上の方法はないかなと、これまでの試行錯誤の末の結果には、一応の自信はあるのです。
ただ皆さんがやるのには、ちよっと時間がかかり過ぎるのが問題かも知れません。
それで私の方法だと、けっこう苦味が残るという方もいらして、それについて一言。
この文旦ピールは、そのまま食べるということはなく、全部お菓子の材料に使います。
出来上がったお菓子にほど良い苦味が残って欲しいので、そのまま食べるとちょっと苦味が強いくらいになっています。
でも今年は、もう少し苦味を抜いてもいいかなと思って、二時間冷水に浸ける際、二回とも少量水を流し放しにしてみました。
これでずい分苦味が軽くなったように思います。
もちろん、香りの方は全く動きません。
水が冷たいのが、大事なところです。


煮詰め方や時間のかけ方、それでどのくらい保存が利くか、それもまたいろいろだと思います。
食工房では、一年間使う重要な製菓材料ですから、レトルト用包材に密封し、袋ごと30分間煮沸殺菌してから保存します。
常温でも大丈夫ですが、香りをより良好に保存するため、冷凍ストッカーに入れて、-25℃で保存しています。
これだと、丸2年置いても状態は完璧です。


こうして造った文旦ピールが、如何に優れものであるかは、出して来て刻んでいる時、作業場が文旦の香りでいっぱいになることで分かります。
一かけら口に入れると、自分で造ったのだからよく分かっているはずなのですが、それでもいつも香りと味わいに感激してしまう私です。
同じ方法をお試しくださった方、きっと私がこのように自画自賛するわけがお分かりだと思います。