父が亡くなって今年で15年になります。
今日は父の日で、私も6人の子の父ですが、今日もまた今は亡き父の思い出を語らせていただきます。
父は、生前「玉蜀黍」と言う題名の詩歌集を残しました。
もちろん、無名の一市民の作品ですから、世に出たというわけではありませんが、私にとっては年を経るごとにとても大切な心のよりよりどころになっています。
以前申し上げたことがあると思いますが、この詩歌集の一編一編に私が写真を撮ってコラボレーションして見たいと、ずっと思って来ました。
そこで思い立って、今日から機会あるごとに、このブログ上に発表して行くことにいたしました。
玉蜀黍というカテゴリーを一つ増やして、そこにまとめて行きますのでどうぞよろしくお願いいたします。
蒸気機関車
私は街の公園におかれた
黒くつめたい蒸気機関車
あかあかと燃えていた缶の火は
一昔まえに落とされて仕舞ったのです
それでも私は
形のある限り
黒い煙とスチームを
青空高く噴き上げながら
坂をあえぎ、トンネルの暗闇を
仲間たちと一体となってくぐった
むかしの夢を
追い続けているのです
きのう運轉席に上った老人が
スロットルレバーを握りしめて
発車オーライと
つぶやいた一言に
駅頭にひびく汽笛の音を
思わず聞いた私です
このスロットルレバーを握りしめていたのかと、感慨無量の私でした。
子どもの頃、父に連れられて蒸気機関車を見に行った時の記憶が蘇りました。
高知市比島の子ども交通公園に展示されているC58335号機
私が20歳を過ぎてしばらくの間もまだ、土讃線で現役でした。
あかあかと缶に火を焚け気関車よ冬の公園のふるき我が友
子ら乗りて声彈けたり公園の蒸気機関車黒くたくまし
若き日に曠野はしりしSLを画面に見つつ涙垂れくる