福島で生きて行くということ・2

今日は、郡山から一組のご家族がいらっしゃいました。
いつもいつも食工房をご愛顧くださっている、親しい方々です。


その方々とお喋りしている中、奥様が、毎日毎日の食材選びに苦労しているというお話しでした。
出来れば放射能汚染の心配のない、関東以西の野菜などを求めたいと思っても、どこのお店に行っても、関東近県か福島県の地元産のものしかないということでした。


本当なら地産地消はうれしい計らいのはずですが、この状況下ではとても微妙です。


こうした消費者の方の心理や動向を、福島県内の農家や私のような加工業者は、よくよく承知しておかなくてはならないと思います。


生産者あるいは製造者として、どんな対応努力をしているかまた検査結果などを包み隠さず提示し、消費者の方々に判断を委ねる態度が、ご信頼をいただくための先ずは第一歩であると思います。


汚染の心配のない遠方の産物だけで食生活を賄おうとしても、実際には手に入り難い状況があったりして、結局は手に入りやすい地場物を食べるより他ないということの方が、多いのではないでしょうか。


だったら避難すれば良いとか、そんな簡単な問題ではないことは、福島に暮らしている私たちなら誰でも、よくよく身に染みて分かっていることです。


だから私はここに居て、少しでも安心して食べられるパンを焼いて、皆さまの食生活に貢献したいと思って頑張っています。


この場所この環境での最善を選び取りながら、納得していただける方々のご支援に支えられながら、やっていけると信じています。


食工房の作業環境および原材料に関する考察


周辺屋外放射線量 0.12~0.16μSv/h 自主測定及び県発表
室内作業環境 0.08~0.09μSv/h 自主測定
水質検査 すべてND(検出限界=0.1~5Bq/kg) 県発表
牛乳検査 すべてND(検出限界=0.1~5Bq/kg) 県発表
小麦粉(岩手県産) 昨年度産のため懸念無し
小麦全粒粉(地元沼ノ平産) 昨年度産のため懸念無し
ライ麦全粒粉(カナダ産オーガニック) 汚染の懸念無し
オートミール アメリカ産 汚染の懸念無し
その他の材料も状況的証拠に基づき、汚染の懸念無しと判断


※水と牛乳については、状況的証拠に基づき、実質ND=0 と判断しています。