大げさなタイトルを付けてしまいましたが、今の福島第一原発の状況が一つの喩です。
政府が昨年末に宣言した「冷温停止」。
そもそもこの冷温停止という概念は、健全な原子炉の中で使われるものであり、事故後の中の状態も把握し切れていない中では、ほとんど意味のない概念であることは、多くの学者技術者はもちろん素人の私でさえ理解出来る程度の事柄です。
もう誰もがお察っしの通り、この「冷温停止」には政治的な意味しかないことは明確だったのです。
しかもここに来て、それさえ根底から意味を失ってしまいました。
ご存じの通り、2号機の水温が異常な値を示し、結果的に温度計が壊れていたことが原因だったと言うお粗末・・・。
そもそも溶け落ちた燃料がどこにあるのかさえ不確実なのに、測定している温度が何を示しているのか分かる訳がありません。
全ては推測でしかないのです。
そのような薄弱な根拠に基づいて、形式だけの「冷温停止」を宣言したばかりに、温度計の異常に対しても正しい原因を突き止める前に、とにかく温度を下げるためにただ注水量を増やすという盲目的な対応をせざるを得ませんでした。
その辺りのことについて、やはり現場の方はとっくに気が付いていて、原子炉の状態が安定とは程遠い状態だと、前々から指摘しています。 <参照1> <参照2> <参照3> <参照4> <参照5> <参照6> ・以上Happyさんのツィートより
冷温停止と事故の収束を宣言したことについて、世界は一様に首をかしげたものですが、この度の温度異常とそれへの対応と判明した結果を並べると、これはもう物笑いの種でしかありません。
日本の政治家の判断力、指導力、行動力は、世界からどのように見られているのか、背中が寒くなる思いです。
加えて、東京電力の不誠実さも・・・。
そして、民主主義国家なのに、それをどうすることも出来ない日本国民とその社会、自滅するしかないのでしょうか。
全く、ため息しか出て来ない私です。