ずっと変わらないこと


2007年8月9日撮影 その時の記事もご覧いただければ幸いです。


ずっと変わらないことの大切さ、重さというものを、この頃特に思います。

画像は、2007年の夏に撮影した、地粉角食パンです。

今日の地粉角食パンも、まったくこれと同じでした。
もちろん、味も香りも変わっていないと思います。
長年・・・と言ってもまだ10年になりませんが、それでももうすでに私のパンの一つの完成した姿です。

もちろん、研鑽は怠りません。
自分のパンよりおいしいと思う味に出会った時は、徹底的に研究し納得の行く結論を出します。
それでも、今の自分のパンをおいしいと言って支持してくださる方がいるなら、その方の満足に応えることも大切にしたいと思います。

そして、そうやって考えているうちに思い当たることがあります。
嗜好品ならともかく、パンのような基本的食糧のおいしさには、何か一つ心理のようなものがあるのではないかと。
それは、最終的に命を裏切らない食べ物ということに尽きるのではないでしょうか。
その理想を求める姿勢を、ずっと変わりなく持ち続けたいですね。
その結果として、ずっと変わらぬおいしさというものがあるとしたらあるのではないか、そんなことを思います。

目新しさを必要としない、定番だけでやっていけるパン屋になれたら、本当はそれが最高かも知れません。
まあでも・・・、皆さんに喜んでいただける仕事ということで考えれば、サプライズもあった方がいいですよね。
私もその方が楽しいし・・・。

確かなものに、時々思いがけないものを加えて、皆さまに喜びを差し上げられるパン屋でありたいと思います。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。