先日のメインデスクトップに続いて、上の娘に譲ったノートPCを7化してみました。
実はXPも2014年4月までサポート期限がありますので、急がなくてもいいと言えばいいのですが、もうすでにリリース以来12年、その間にWindowsは実に3つも世代を更新しているのですね。
これがいいか悪いか、功罪はいろいろあると思いますが、技術というものはそのように進んで行くものだと私は思っていますから、あとは自分のニーズに合ったものをいかに選ぶかだけです。
で、古いながらもそこそこのスペックのXPマシンがあったとして、OSを入れ替えて今後も使い続ける価値があるかどうか・・・ですが、通常の家庭でのニーズを満たす範囲なら十分使えるし、そうした方がいいと私は思います。
そんな方の参考になるかもしれませんので、今回の7化レポートをご報告しておきます。
先ず最初にやることは、自分のPCのスペックを知ることです。
CPUの速度、メモリーの容量、ハードディスク(HDD)の容量の三つは、最低でも分かっていた方がよろしいです。
あと一つ重要なのは、DVDROMを読み込めるドライブがあることです。
CDだけのドライブではダメです。(今時、大丈夫だとは思いますが・・・。)
次に、Windows7アップグレードアドバイザーというアプリケーションをダウンロードして<こちら>、自分のPCをスキャンし、Windows7に更新出来るかどうか、その場合互換性などに問題が生じるか否か、詳細なレポートを得ます。
これは大変良く出来ていて、インストールされているアプリケーションや接続されているデバイス全ての互換性、新たに必要となるドライバーなどを報告してくれます。
重大な問題がないことが分かったら、更新のための準備をします。
先ずは新しいOSを手に入れなければなりません。
私は通販サイトで検索し、通常パッケージ版の半額程度で買えるDSP版と呼ばれるものを利用しました。
ただしパッケージ版と違って、32bitか64bitのどちらかのバージョン単体になります。
どちらにするかも、先ほどのアドバイザーで判断出来ますが、私的に言わせてもらうと、メモリーに関しては32bitバージョンでも2GB、64bitバージョンでは4GB以上を推奨します。
CPUもデュアルコア以上が求められますので、と言うことは、XPマシンでも後期のものに限られるかも知れません。
今回対象となったPCは、CPU・デュアルコア・1.9GHz×2、メモリー・2GB、HDD・80GBでしたから、Windows7Professional・32bitバージョンを選びました。
もちろんWindows7Home Premiumでも構いません。
次に、インストールする前にPCの中にあるデータを外付けハードディスクか、別の十分な空き容量のあるPCに転送保存します。
XP → Windows7更新では、新規インストールの形になりますので、データは一旦全て失われます。
あとで呼び戻すために、バックアップしておかなくてはなりません。
この時使えるのが、Windows転送ツールと呼ばれるアプリケーションです。
注意しなくてはならないのは、XPの中に最初から入っている転送ツールは使えないということです。
<こちら>のサイトからダウンロード・インストールします。
対象となるPCを立ち上げて外付けHDDを接続し準備が整ったら、Windows転送ツールを開きます。
必要なコマンドを選択クリックして、転送を開始します。
転送には、最低でも1時間くらいは(2~3時間かかることもあります。)かかりますので、その間はPCを使用出来ません。
間違っても電源を落としたりしないよう、また自動的にスリープ状態になる設定をしている場合は、ずっと電源が入りっ放しになるよう設定を変えておきます。
転送が終わったら、認証の必要なアプリケーションの認証解除とアンインストールを実行し、新しい環境で再インストール出来るようにしておきます。
フリーソフトなど、また手に入れられるものは、そのままにしておきます。
もしHDDに十分な空き容量がないと思われる時は、データやアプリケーションを次々消して、空き容量を確保します。
それからやっとインストールにとりかかります。
今回は32bitバージョンでしたから、XPが起動している状態からインストールに入れました。
Windows7のDVDROMディスクを挿入すれば、インストール開始のガイダンスが表示されます。
あとはガイダンスに従って進めば良く、特に難しいことは何もありません。
この場合も、一時間以上かかりますので、時間のある時に作業した方が無難です。
その場を離れていても大丈夫な時がけっこうありますが、大体は近くにいて確認していた方が良いでしょう。
ほとんどのプロセスが自動的に完了し、黙って見ていれば最後にWindows7が起動します。
この時、ディスプレーの画像解像度が変わってしまっていることがあります。
最高の解像度がサポートされず、粗い大きなアイコンが表示されたりして、がっかりするかもしれません。
実際今回、そうなりました。
解決策はあったのですが、とりあえず他の設定を優先してそのまま進みました。
何といっても最優先は、インターネット接続とセキュリティー設定です。
これだけは、絶対にスキップしないで実行します。
私は、無料で使えるMicrosoft Security Essentials<こちら>を導入するつもりでしたから、ダウンロードのためにもインターネット接続の設定が先でした。
そこまで出来たら、もうその間にもOSの更新ファイルが次々入って来ていますから、一度更新をインストールして再起動します。
それからまた続きの作業です。
先ほどの画像解像度の問題ですが、今回の場合、XPで機能していたディスプレードライバーが7上で機能しないため、自動的に汎用ドライバーが適用されて、解像度が下がっていました。
そのため、更新されたドライバーを探すべく、このPCの製造元であるDELLのサポートページに行きましたが、7用のドライバーはありませんでした。
あきらめるしかないかと思いましたが、Vista用のドライバーがリリースされていましたので、ダメ元でこれをダウンロードし適用しました。
このドライバーは、7上で問題を起こすと警告がノートされていましたが、構わずインストール。
解像度の問題は一発で解決しました。
さてその問題とは何ぞやと、
しばらく気が付かなかったのですが、画面をよく見るとWindows7で売り物のエアロビュー(ウィンドウの枠などを半透明表示して、下にあるものが透けて見える・・・)がサポートされていませんでした。
まあ、これはもう仕方ないとあきらめがついて一件落着。
それから次にデータの呼び戻しです。
先ほどの外付けHDDをもう一度接続して、PCが認識するのを待ちます。
大体自動的に認識するのが普通ですから、案ずることはありません。
それから今度は、Windows7の中に入っている転送ツールを起動します。
必要な項目に入力して、転送を開始します。
やはり一時間くらいはかかります。
しかしこれは大変うまく出来ていて、見ているうちにデスクトップ背景が以前使っていた画像に置き換わったりします。
ブラウザを開けば、お気に入りも全て元通りに入っています。
作成したファイルも、それぞれ適切な分かりやすい場所に、元のフォルダーのまま収まっています。
実は、XP環境下のデータファイルも、Windows7インストール時に、Windows old というフォルダーに残されています。
このフォルダーが相当大きな領域を占有していますから、不要であることが確認出来たら消去した方が、ディスクの空き容量が大きくなります。
最後は、各アプリケーションの再インストールです。
結構手間がかかりますが、仕方ありません。
メールブラウザなどは、アカウントの設定もありますし、過去アイテムは残りませんので、手動で別なメディアに残しておく必要があります。
フォントも自動的に再インストールされませんので、これも別にバックアップしておいて、手動でインストールします。
また、しばらく使ったことのないIDやパスワードが必要になることもありますから、事に当たる前によく確認しておきます。
大体これだけやるのに、足かけ二日でした。
まあほとんど放ったらかしでいいですし、その場にいて他のことが出来ますから、それほど大変ではありませんでした。
とは言え、実際ご自分のPCで実行すると、ここには書かれていないトラブルが発生するかも知れません。
あくまでも、自己責任でお願いします。
さてあとになって、データの呼び戻しより先にアプリケーションの再インストールだったかな・・・と思ったり、もっと適切なやり方があるかも・・・と思ったりしています。
ざーっと申し上げましたが、あくまでも参考資料の一つとして、お役にたてれば幸いです。
私もNECの同程度の機種 VersaPro VJ20AEDNHFL4 (2008年6月製造。CPU: Core2Duo 2.0 GHz , HDD:80GB,RAM:2GB )をWindows7にバージョンアップ出来ないかと考え、自分でNECの公式サイトで調べたり、PC修理やBTOパソコンメーカーでもあるパソコン工房やドスパラにPCを持って行って診断してもらった結果は、出来ない / やる意味がない という回答だったので、飯豊さんの報告には、全く我が意を得たりという思いです。有難うごさいました。早速,私もWindows7にバージョンアップし、さらにWindows10にバージョンアップして、ほとんど使われておらず筐体がアルミボディでとてもしっかりとしていて気に入っている(特にキーの打感がよい)VersaProをこれからも末永く使っていけるようにしていきたいと思っています。
参考までに、飯農さんの報告に出会うまでの経過をお知らせしておきます。まず、以前にDELLのPCでWindows7にバージョンアップできないか試みた時に、ダウンロードして診断したこともあったWindows 7 upgrade Adviser をインストールして調べました(Windows7のサポートが終了しているため、MSの公式サイトからはダウンロードできませんでしたが、別の英語版のダウンロードサイトから英語版のものがダウンロードできました)。結果は、Cドライブの空きスペースがWindows7がインストール出来るだけの容量がないこと、Intel(R)82566MM Gigabit Network Connection のドライバーをWindows7をインストールする前に最新のものにしておいて保存しておき、Windows7をインストール後に戻すようにという指示があり、後は、OKという診断でした。
NECの公式サイトでは、2009年製造のVista以降でないとWindows7のバージョンアップはサポートされておらず、またWindows up grade adviserの診断でOKが出ても、NECとしては保証できないというコメントがありました。パソコン工房では持って行ったPCを見ようともせず、私の話を聴いただけでバージョンアップは出来ないという回答でした。隣にあったドスパラに持っていくと、インターネットで型番を入力して調べてくれましたが、Vistaまでのドライバーしか提供されていないので、できない。Vistaのドライバーでも動くかもしれないが、やってみないとわからないが、マザーボードのビデオチップ・・・etcなどのドライバーも一つ一つインストールしなければならないので、合うドライバーが見つかるかどうかもわからないし、一つ一つ適合具合を確認しながらの作業は大変である。Windows7はメモリーを1GB使うので、残りの1GBでPCを操作するのは不都合なことが起こる可能性が高い。バージョンアップに費用をかけるなら2~3万円でより性能の高い中古品を買うか、新品を買った方がよいという回答でした。以前にインターネットを調べたときに、英語版で全メーカーのドライバーが提供されていたサイトがあったことを伝えると(後で確認すると、飯農さんも使用されたDriver Scapeというサイトですが)、本当に適合する信頼のおけるドライバーかわからないし、仮にウィルスが紛れ込んでいたとしてもドライバーが適合していればPCは動くが、自己責任でやることになるということでした。
このような専門家の回答を聴いて、やはり出来ないかと殆んど諦めていたのですが、自宅に帰ってから、念のため
「PC-VJ20AEDNHFL4ドライバー」で検索するとDriver Scapeというサイトがあり、「NEC PC-VJ20AEDNHFL4」のドライバーということで、必要なドライバーの更新や欠損を調べるソフトをはじめ、この型番に適合するいろいろなドライバーが提供されていました。Intel(R)82566MM Gigabit Network Connection のドライバーも提供されていました!! Driver Scapeの評価を調べると、特に問題はないようでした。やはり、Windows7にバージョンアップ出来るかもしれないなと思われて、関係する項目をいろいろと調べているうちに飯農さんの報告に出会ったという次第です。
NECが提供しているWindows7にバージョンアップするためのマニュアル(「Windows7 アップグレード導入ガイド」PP67)や、以前に印刷していたマイクロソフトが提供していたマニュアル(英語版と日本語版)は印刷済みですが、念のため一通りは目を通してから、大筋は飯農さんの経験に基づいた丁寧なご教示に従いながら、近いうちに実行していきたいと思っています。成功すれば、Windows7が問題なく動くことを確認したうえで、さらにWindows10にバージョンアップしていく予定です。
OSをWindows7にバージョンアップできなければ、無料OSであるLinuxをインストールしてみることを考えていました。Linuxは全世界に広がる多くの既徳な有志の方々によって改善はされてきているようですが、星の数ほどの種類が出回っているようですし、まだまだ対応するソフトや周辺機器が少ないようなので、(私の勉強のために)Linuxを試してみるのは、また別の機会にしたいと思っています。
飯農さんは、長野県の飯田市近辺の方でしょうか。私も下條村に住んでいたことがあります。これからは、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代から、本当によい物を大切に丁寧に必要な修理・調整をしながら使っていくことが求められる時代になってくると思われますが、情報交換しながら、「もったいない」という伝統的な日本精神を失わずに、それぞれの持ち場で生活、活動ができればと願っています。
飯農さま
前のコメントに追加です。Cドライブに空き容量がないことについては、easeUs Partition Master といパーティションの拡張・移動ほかをする無料ソフトの最新版を使って、(途中で異音がしたりしましたが)問題なく20GB→40GBに拡張できました。
このソフトは中国人が経営する会社が作ったものですが、(ケチをつける人もいますが)どちらかというと評価は高いですし
サイトの説明の仕方、言葉遣いを考えると、信頼のおける会社ではないかと思われます。
sowerTango