全くグレーディングされないまま入荷する、
ブラジル・ジョアキン農園産オーガニック
先ず、スクリーンを通します。
次にハンドピックで厳しく選別します。
奥の缶に入っているのが選別済み、
手前のボールは選別下、ロスが21%
にも及ぶのが悩みの種です。
ミディアムローストしたジョアキン
いくら気をつけても、どうしても
炒りムラが出てしまいます。
ロースト後にもハンドピックします。
悩み多きこの豆を使い続けているのは、
風味の良さを評価しているからです。
近頃、コーヒー焙煎に興味を持つ人が多いらしいですね。
趣味でやる人はもちろんですが、仕事として始める人も増えていると聞きます。
私の周辺にも、自分でコーヒーを焙煎して飲んでいる人が何人かいます。
コーヒーは嗜好品ですから、趣味の対象になりやすいし、素人からいきなり開業という冒険も出来ないわけではありません。
その点、他ならぬ私が一番いい例かも知れません。
うまいコーヒーを、安上がりに飲みたいという、その一心で始めたようなものですが、初めっからそこそこに出来て気を良くしたことが、商売にしようと思ったきっかけです。
当然のことながら奥が深かったわけで、もう18年もやっていますが、自分のコーヒーに自信らしきものを持てるようになったのは7~8年経った頃からで、プロを自覚するようになったのは本当に最近のことです。
今では、何軒か他所の喫茶店でも使っていただいていますから、自分の仕事に対する責任という意味でも、プロを自覚しないわけには行かなくなりました。
その18年間を思い出していると、当初、素人に毛が生えた程度の経験しか積んでいない私のコーヒーを、気に入って買ってくださる方がいたというのも驚きですが、コーヒーというものは、そのように懐の深い何でもありの嗜好品の王者だと、改めて思います。
しかし一方で、私が気楽に趣味半分で路上でコーヒー豆を売っている間に、同じ街で、商売をたたんでしまった老舗のコーヒー店もありました。
もちろん、私のコーヒーが影響を与えたなんてことは全くあり得ないことですが、そのお店のおかみさんが、路上で私のコーヒーを飲みながらいろいろと質問して来たことは、今でもよく覚えています。
そして今、コーヒー焙煎が流行っていると聞いて、これは自分のコーヒー商売にとってプラスだろうかマイナスだろうか・・・?と、今度はそんなことを考えている自分に気がつくわけです。
結論から言えば、プラスもマイナスも自分次第だと思っています。
多くの方がコーヒー焙煎を経験し、その面白さや難しさ、また大変さや奥の深さを味わうことにより、コーヒーに対する認識が高まること、そしてそれぞれご自分流のコーヒーへのニーズを持たれるようになることは、少なくともコーヒー業界全体にとって、絶対的プラスであることは確かです。
ただ、私たちコーヒー焙煎を仕事にする者は、今以上に研鑽を積んでレベルを上げないことには、お客さまのニーズに応えられなくなるでしょう。
コーヒーの全体的な需要は伸びているそうです。
私も、幾分なりともその恩恵に与りたいものです。