写真のオーブン、只今食工房で現役です。
佐々木製作所1981年4月製とありますから、もう25年も経っています。
資金もろくに用意出来ずに始めたパン屋なので、設備は全部中古です。
ところが運の良いことにパン屋を廃業した方がいて、いらなくなった機械設備をまるごと譲っていただきました。
このオーブンもその中の一つです。
古いものですが、至って調子よく使っています。
ただ、製造メーカーはもうとっくに廃業してしまっていますので、メンテナンスサポートしてくれるところはどこにもありません。
それがちょっと不安といえば不安、いや、かなり不安かも・・・。
とにかく毎日、故障しないことを祈ってから電源を入れています。
写真では分かりにくいかも知れませんが、このオーブン、温度調節は自動ではありません。
手動式の切り替えスイッチを操作して、ヒーターの出力を加減して温度を調節します。
大きなスイッチハンドルが、いかにもレトロな感じで私は気に入っています。
庫内の温度は温度計が付いていて大体は分かりますが、あまり正確ではないようなので、必ず実際に手を突っ込んで勘をはたらかせて測ります。
このオーブンで、庫内温度とヒーター温度を使い分けながら、何でも思い通りに焼けるようになるまでに2年はかかりました。
でもおかげさまで、ものすごくいい勉強を沢山させてもらいました。
物が焼けるためにどんな熱が必要かということを学びましたので、今ならどんなオーブンに触っても大丈夫です。
もっとも買い換える気も、資金も、どっちもありませんが・・・。
昔のモノは丈夫、の手本のようなこのオーブンが壊れたら、その時は私がパン屋を止める時だと思っています。