このところ、日本も世界も経済不況と言われ、かつての世界恐慌の再来かと危惧されていることは、先刻皆さまもご存知の通りです。
そんな折に私がふと思ったのは、今、モノとお金はフェアに交換されているだろうか?ということです。
また、お金は本当に誠実に、本来の目的に適って機能しているだろうかとも思います。
その昔お金は、物々交換では不可能なモノのやり取りを可能にするための、画期的な発明だったに違いありませんが、そのシステムは今や一人歩きして、お金そのものを売ったり買ったりして利益や損失を生じる、ある意味でとても不誠実な力を発揮するようになってしまったと、私はそう思います。
例えば、証券取引で相場の上下にうまく乗って得た100万円と、数ha(1ha=3000坪)の田畑で一年間汗水流して得た100万円は、果たして等価でしょうか?
絶対に違うと、私は声を大きくして申し上げたいです。
本来、人類全体のためにいくらでも善い働きをさせることの可能な経済のしくみも、悪用すればいくらでも利益を一人占めして、多くの人を不幸に落としてしまう困った道具にもなるのです。
しかし問題は、それがどちらに傾くかは、私たち一人一人の態度にかかっている部分がどうしてもあるということは、否定することの出来ない事実です。
今回の不況の果てはどうなるのでしょうか。
波の上下のように、時が過ぎれはまた好況になるのでしょうか?
そんな単純に行くかな?またそんなことで過ぎて行ってしまっていいのかな?と私はちょっと素直じゃないかも知れませんけど、あまり肯定的な近未来観を持ってはいません。
そんな時代に、この先どのようにして生きていようか?このパン屋という仕事を通してそれは実現出来るだろうか?このところいつもそんなことを考えている私です。