言うまでもないことですが、コーヒー豆は農産物です。
お米や豆を作ったことのある方ならわかると思いますがそれと同じで、その年によって出来不出来があるのはもちろん、同じ生産者の同じ年度産でも、品質に多少のバラつきが出ることは、どうしても避けられません。
そこで、スクリーンを通して粒度を揃えたり、手選別によって欠点豆を取り除いたり、また複数の農園産の豆を混ぜて均質化したりして、その産地なり銘柄なりの平均的品質を保証するわけです。
ところで、コーヒー豆が元々どんな姿形の農産物か、ご存じない方のために説明しておきます。
例えば、銀杏を思い浮かべていただくと、ちょうどピッタリです。
春に花を咲かせて結実し、秋までに熟して収穫期を迎えます。
さくらんぼくらいの赤い実は、別名コーヒーチェリーとも呼ばれます。
表皮の下に果肉があり、その中に殻に入った種子が納まっています。
この種子がコーヒー豆になります。
外側の果肉を取り除き、殻の中に納まっている種子を取り出すには、けっこう大変な作業が待っています。
脱果精製と呼ばれるこの作業は、栽培以上にコーヒー豆の品質を決定づける、とても重要なプロセスです。
まず、ナチュラルと呼ばれる方法では、果肉をつけたまま屋外で天日に当てて乾燥させますので、お天気に左右されます。
元々この方法は、一年が雨季と乾季にはっきり分かれていて、なお且つコーヒー豆の収穫の頃に乾期に入り、晴天が続く土地でなければ実現出来ない方法です。
そしてもう一つの代表的な方法が、ウォッシュドと呼ばれる方法です。
こちらは、果肉を先に取り除きます。
まず、実を水の中に浸けて果肉を腐らせ、水で洗い流します。
その後乾燥機で乾燥させ、それから殻を砕いて中の種子を取り出します。
こちらは、お天気に左右されにくい代わりに、水に浸けている間に微妙に発酵が始まって、それが品質に影響することがあり、これはこれで難しい局面があるのですね。
最近は、両者の良い所を取り入れた中間的な方法であるセミウォッシュド(別名、パルプドナチュラル)と呼ばれる方法が、急速に普及して来ています。
いずれにせよ、これらの方法によってグリーンコーヒーと呼ばれるコーヒー生豆が得られるわけですが、産地の仕事は実はそれで終わりではありません。
この後、グレーディングという作業が待っています。
決まったサイズの網目(スクリーン)を通して粒度(粒の大きさ)を揃えた後、あの手選別作業(ハンドピッキング)です。
いわゆる欠点豆を、目で見て判断して拾い出すわけですが、未熟果、過熟果、割れ、欠け、カビ、発酵豆等々、十項目以上もの欠点項目を瞬時に判断しなければなりません。
地味な作業ですが、こう見えてハンドピッキングは、なかなかに熟練を要するプロフェショナルの仕事なのです。
ペルー産コチャパンパ生豆(ウォシュド) 大変良くグレーディングされています。
こうしてやっと消費地に向けて出荷されるのですが、たとえパーフェクトな生豆でも、輸送中や保管中の状況により、また欠点豆が生じることが少なくありません。
それを私たちは、水際作戦で拾い出すわけです。
この時に、コーヒー豆が農産物であるということを、身を以て承知しているのといないのでは、仕事の質にずい分差が出るだろうと私は思っています。
その意味でも、昨日のように畑をやることは、大変有意義なことだと思う私です。
ネパール産・サガルマータ、取り扱い休止のお知らせ
産地より出荷の時点で、乾燥が甘かったか、あるいはカビなど何らかの変質の原因が混入していたか、はっきり分かりませんが、最近の暖かさで品質が急変して来ました。
同様に保管している他の豆には異常がないので、この豆自体に原因があるものと考えられます。
思わぬところで損失を出すことになってしまいましたので、当分この豆の仕入れが出来ません。
また次年度産の豆が出て、サンプルを取り寄せて品質を見極めた上で、再開を決めたいと考えています。
ご了承ください。
空色カフェさんの営業が、再開されます。
昨年秋から冬期休業中だった、空色カフェさんの営業が再開されます。
5月2日(土)より。
詳しいことは、<こちら>をご覧ください。
こんな風景の中に、カフェがあります。
こんな木々を眺めながらお散歩もいいもの
雨の日もまたいいものです。
山の上で、もう一度春を楽しめます。
ぜひお出かけください。
この風景の中にカフェですか。東北は文化果てる所のように言った社長が居たが、見当違いも甚だしいなあ。
arz2beeさん、コメントありがとうございましたる
「東北は・・・」そんなようなことを仰った方、確かにいましたね。
まあでも、来れば分かる、住めばなお分かる東北の良さです。
ぜひ一度お訪ねください。