そこそこ膨らんでいますが、生地が耐え切れず所々破れてしまっています。
まあでも、やっとここまで出来たという実感です。
食べてみて、独特の風味です。
甘皮の部分が多い影響かと・・・。
★試食品を差し上げています。数に限りがあります。(先着10名様)
とにかくまあ、やってみました。
製麺を頼んだ時に、製粉のままで少し取り分けてもらった粉を使って、山型食パンを焼きました。
正真正銘の山都産の小麦100%のパンです。
それでこの際、小麦粉の製粉のことについて、ちよっとご説明申しあげて置きたいと思います。
まず小麦の粒は、表皮が強靭で中身の胚乳部分は崩れやすい性質を持っています。
皆さんがよくご存じの白い小麦粉は、この胚乳の部分のみを挽いたものです。
ただし小麦は、先に申し上げたような性質のため、米のように粒のままで精白することは出来ません。
白い小麦粉を得るためには、とても手の込んだ機械設備が必要になります。
製粉機というような小さなものではなく、工場に設置するようなプラントです。
とてもじやありませんが、農家やパン屋が自前で設備することなど不可能です。
今回加工をお願いした製麺所の製粉機は、ずい分旧式のもので、逆にこれなら自分たちでも設備することが出来そうな規模のものでした。
その分、表皮と胚乳をきれいに分離することは困難で、どうしても粉は繊維質が多く混ざった状態になり、グルテン質の割合が下がってしまいます。
パン生地をこねた時によく分かりますが、いわゆるコシのない生地になってしまいます。
麺の場合は、逆にコシが強すぎるとノド越しが悪くなりますし、風味の点でも繊維質が適度に混ざるのは、かえっていい具合なのです。
で、もしこの粉でいい調子にパンが焼けるなら、原材料・地元の小麦100%のパンが実現出来るわけです。
そう思って、試作に臨んだという次第。
結果から申し上げると、やはりまず製粉に課題があることが分かりました。
あと一つ、難しいのは小麦の品種です。
今回、アオバという品種の小麦を使っていますが、他にもっとパン向きの品種があるのではないかという気もしています。
ただし、一年に一度しか収穫のチャンスがない小麦を、幾種類も同時に収穫して製粉して試すのは、実際のところ不可能です。
今までに出ている情報を集めて判断するしかありません。
それで改めて分かったことは、食工房のパンの風味を決定付けているのは、今までずっと使い続けている粉に依るところが大きいということです。
米以上に品種による味の違いが大きいことを、知らされる結果となりました。
当面食パンは、今まで通り岩手産の粉をベースに、山都産の小麦とライ麦(今年度産から使用)を全粒粉でミックスする配合で焼きます。
プンパニッケルのみ、この夏から、地元産の小麦とライ麦だけで焼けるようになります。