製菓業界に一つの法則があって、曰く「砂糖の使用量に比例して、売り上げが増える。」とか。
つまり、甘いものほどよく売れるというわけです。
一頃、甘味離れが話題になったことを覚えているのですが、その実どうだったのでしょう。
私の実感では、その法則はずっと生きていますね。
近頃は、若い人も年配の人も、「スィーツ」と名前こそ変わりましたが、甘味品への嗜好は多様化しますます強くなっているのですね。
甘いものへの需要が陰りを見せることはないようです。
一方、甘味品の摂り過ぎが健康によろしくないということは、前々から言われているのですね。
特にマクロビオティックの考え方では、砂糖は禁忌品と目されていますし、蜂蜜や果物さえも避けるべきと教えています。
その是非は賛否両論あると思いますが、甘味中毒というのは実際に起こり得る疾病なので、軽く無視しておけば良いというものではないと、私は思います。
人間の甘味への欲求には際限がないと言われています。
※そのへんのことは、<こちら>を参照していただきたいと思います。
しかしそうなると、いくらでも甘味を強くして嗜好を誘うことが出来るわけで、限度を超えれば明らかに健康に害が出ることは否定出来ません。
その限度がどの辺にあるのか、それがまたいろいろな意見があって難しいのですね。
人の味覚は、甘いとおいしいが微妙に重なり合っていて、はっきりと分け隔てることが出来ません。
つまり、甘いものはおいしい、おいしいものは甘い、と感じるように出来ているのですから。
実はその辺りに菓子屋の功罪があると思うのです。
食工房も、甘いお菓子を造っていますので、それが皆さんの健康にとって功となるか罪となるか、やはり気にしています。
もちろん、皆さんがそれぞれ自分に合った食べ方をコントロールすれば良いことなので、私が気にしても仕方がないのかも知れません。
それでも、食べた後になって「ああ、こんなに食べなきゃ良かった・・・。」と思われるようなお菓子でないことを願い、いつもそのコンセプトに基づいてレシピを練っています。
ちなみに、食工房のクッキーやケーキなどは、時々「甘くない。」とか「味がしない。」と言われることがあって、そういう時はいろいろな意味でちょっとショックです。
売れなきゃ困るけど、妥協は出来ない、したくもない。
万人に好まれるなんて所詮無理です。
例えお一人でも、おいしいと言ってくださる方がいれば、そこからスタートと思って今までやって来ました。
これからもその方向でやって行きます。
お付き合いのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
この頃のスコーン少し甘味控えめですか?
なんとなくそんな気がしました。
ミルクの感じがよりフワっとする感じしてます♪
稀少パタポンの大フアンです
バタビーも大好き♪
単に薄味だからいいってことじゃなくて
小麦や酵母をはじめとして材料のパワーもりもり感じる
食工レシピ大好きです!!
やまずん@ふくすまさん、コメントありがとうございます。
スコーンの砂糖の量は、変えていません。
薄味に感じるとしたら、それは焼いた時によく膨らんだ証拠です。
冬は、よく膨らむのです。
カサが増えると、その分味は薄まります。
そこで、砂糖の量を増やして味を維持するか、一個食べた分の砂糖の量を同じにするか、それが悩みですねェ。
でも、スコーンは何でも好きなものをはさんで食べるように考えていますので、甘いのがいい方は、上下に割って、ジャムなどをたっぷり間にはさんで食べてください。
食工レシピ・・・、実は見えないところでいっぱい工夫してます。
気にいっていただけて、幸せです。
今夜は外房から書かせていただきます。
自分なりに西洋文化を体験して新鮮だったことは、濃いものを少量食べて満足していることでした。
リッチなチョコレートやチーズを少しの量ゆっくりと味わう。
そう、西洋文化だけでは無いですね。
例えばインド。
チャイはすごく甘いけどインドのカップは小さいです。あとインドのすごく甘いお菓子も小さい。
これは良く言われることですけど、食べ物自体は外国へ簡単に伝わるけど、どうやって食すかなどhowの部分は伝わり難い。
今、日本で一部の人たちが神経質になっている砂糖の問題はこのあたりに関係するのではと僕は思ってます。
ちゃんといれた紅茶(もちろんミルクを適量入れて)にジャムをつけた食工房のスコーン。
至福の一時ですね。
yasuさん、コメントありがとうございました。
食べ方、確かに大事なことですね。
それでも思うのですよ。
こうしていくらでも安易に口に入るようになった状況で、自己コントロール出来るだろうかと。
そこで出て来るのは、甘さとおいしさはやはり同じではないということです。
重なってはいますが、確かに違います。
だから、少しで満足出来るためには、甘いのじゃなくて本当においしくなくてはダメなんですね。
材料にこだわったり、レシピを練ったりするのは、それが一番の理由だと思っています。