岩手県産「ナンブコムギ」 カビ毒の件

岩手県産の南部小麦から。基準を超えるカビ毒が検出され回収騒ぎとなっています。<参照>

食工房では、自家産のライ麦のカビ毒検査をした経緯について詳しくご報告していますが、折しも時代はこういうリスクにも厳しい目を向けるようになったことを示す結果となりました。<参照1><参照2>

食工房では、岩手県産の南部小麦の粉を主力原材料の一つとして使用しています。
件のカビ毒に汚染された小麦がどこに出荷され使用されたかを追跡していますが、我が食工房の仕入れ先である東日本産業のホームページ上には、今のところ懸念を示す報告はありません。<参照>
東日本産業は、独自に生産者を抱えており、早くからカビ毒の問題にも対応していましたので、まず問題は無いものと思っています。

それにしても、有機栽培は良いとしても無農薬が最良とばかりも言えないことがこれで明らかになりました。
必要があれば使うのが、賢明な人類としての対応ではないでしょうか。
来年以降、食工房でも必要な時に備えて、農薬使用に関する研究を始めようと思っています。

明日と明後日は定休日です

食工房の営業の一週間がまた終わりました。
今週も、多くのご利用いただきまして、ありがとうございました。

明日11/28(火)と11/29(水)の2日間、定休日となっております。
店はお休みとなっておりますので、お間違えのございませんよう、よろしくお願いいたします。

この週は、連日閉店時間を過ぎてなお残業する日が続きました。
シュトレン製造に並行してクッキーやケーキなどの製造も進めました。

今日は、コーヒークッキーとジンジャークッキーでしたが、クッキーの食感を良くするには、品目ごとに違った工夫を凝らしています。

コーヒークッキーは、生地を冷凍して固まらせて置き、それを細かく刻んで天板に並べて焼きます。
ジンジャークッキーは、硬めにこねた生地をローラーで延ばして拡げ、型抜きしたり包丁で切ったりして天板に並べて焼きます。

火力の使い方は最も難しいところで、食工房では、長い焼き時間を取っています。
短いものでも30分、長いものは50分くらいかけています。
ま、その間の詳細については、企業秘密です。

そして、昨日申し上げたスパイスの使い方も、一品一品異なります。
パウダーで使うことが多いですが、ホウルのものをミルで粗挽きして入れることもあります。

種類もいろいろ、ジンジャークッキーだってジンジャーだけってことはありません。
もう一つくらい、違うスパイスが入っています。

コーヒークッキーも2種類の香りを入れています。
そんな工夫が楽しく、皆さまにも喜んでいただけて、とてもいい仕事です。

さて明日は、製麺屋さんに出かけて来ます。
スペルト小麦を古代小麦麺に加工してもらいます。

仕事と言えばこれも仕事ですが、久しぶりに長距離ドライブで目先が変わっていいのです。
お昼も外食にして、気分を変えます。

忙しい合間の、ちょっとしたお楽しみです。
ではでは。

シュトレンから見えるスパイスの効用

今日もシュトレンを焼きました。

午前中に焼き上げたシュトレンは、夕方までかけて完全に冷却した後、とかしバターをつけてグラニュー糖を振りかけ固めます。

それを明日の朝まで置いて落ち着かせ、それから粉砂糖をまぶして仕上げます。
この表面処理は、長期保存のための重要な工程です。

一方それとは別に、中身自体にも防腐剤としての役割を果たすものが調合されています。
それは、シュトレンスパイスと呼ばれる数種類のスパイスを調合したものです。
これが、あのシュトレンの素晴らしい香りの元であると同時に、防腐剤の働きもしてくれるのですね。

食工房では、過去にシュトレンの長期保存テストを何度もしており、一度は賞味期限を一ヶ月以上過ぎた4月に開封試食して全く異常が無かったことをご報告しています。<参照>

それでまた思い出すのですが、チャイをつくる時に使った鍋を洗わずに一日置いてしまったことがありました。
真夏でしたし、牛乳が残っている鍋でしたから、酷いことになっているだろうと覚悟して確かめたところ、嫌な臭いはなくスパイスの良い香りがしていたということがありました。
さすがに口に入れて確かめるまではしませんでしたが、全く支障は無いかに思われました。
この時、スパイスの働きってすごい!と、改めて目を剥いたものです。

胡椒が防腐の効果を持つ貴重なスパイスとして、ヨーロッパで珍重されたことはよく知られていますが、それ以外のスパイスにも、防腐作用だけでなく様々な効能があることが知られています。

食工房は、このスパイスをシュトレンだけでなく、その他の焼き菓子などにも使いこなしています。

この次召し上がる機会がありましたら、少しスパイスのことを気にしてお口に入れてみてください。
どんな香りがするか、そして何が調合されているかご想像ください。

明日はシュトレンを焼きます

年末の稼ぎ頭シュトレンですから、どうしても最優先の仕事になります。
1個3,700円は、決して安いものではありませんが、複雑なレシピと完成までの手数の多さを考えれば、この価格にむしろ誇りを持って仕事をしています。
多くの皆さまにご支持をいただいています。

話は変わって、ここ数年、特に今年は、獣害が深刻で対応に追われています。
電気柵の設置と維持管理、トレイルカメラの設置と日々のチェックなどなど、ただでさえ忙しい毎日の中で貴重な時間を割かなければなりません。

一方、こんなことも一市民として誰が義務を負うものでもありませんが、被害を受けるとしたら自分たちですから、自宅周辺や生業としている圃場を護るために、出来ることはやるしかありません。

しかしその時間を割くために、食工房の仕事が疎かになるというジレンマを抱えてしまいます。

このところずっと、クッキーなど焼き菓子の在庫は全品目揃ったことが無く、いつも何かが品切れの状態が続いています。
また、食工房の看板であり広告塔でもある通信「飯豊の空の下から・・・ 」を発行するための時間も捻出出来ていません。
売り上げにも当然影響が出ます。

とは言え、獣害対策はいつでも最重要課題です。
これでは、まるで戦時下でパン屋をやっているようなものです。
確かにそうに違いない一面があります。

今やっとクマが冬眠に入ったであろう状況となり、一番の強敵と一時休戦となりましたから、これでもうずい分食工房の仕事に集中することが出来ます。
否、これが本来でしょう。

と言うわけで、明日はシュトレンを焼いています。
店の内外に、いい匂いが漂うことと思います。

シュトレンの試食もご用意して、皆さまのご来店をお待ちしております。

明日の朝は、白くなっているかも

雪の予報が出ています。
今夜遅くに一瞬らしいですが、多分明日の朝は、まわりは白くなっていることでしょう。

もうそういう季節になっているのですから、いつ降っても不思議はありません。
ただ、夏以降いつまでも暖かかったので、ここに来て急に真冬の寒さになるのは、衝撃が大きいですね。

これでもう、クマも穴に入ったでしょうか。
一時休戦です。
ただし、イノシシとサルは冬眠しませんので、戦いは続きます。
今のところまだ出没しませんが、ニホンジカもいるので、警戒しています。

さてさて、獣たちに振り回されながらも、本業は疎かにしていません。
明日は、パン焼きです。

収穫の恵みパンセットのご注文をいただいていますので、それに組み込むパンの仕込みが多くなっています。
おいしいパンを焼いてお届けまたお渡ししたいと思います。

お天気は優れないようですが、明日のご来店を心よりお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

冬支度ほぼ完了、そしてサル

飯豊の空の下から・・・

朝は、まずこの景色からスタートです。


シュトレン

こちらは、2023年のシュトレン、いつもと変わりません。
2023.11.21に撮影したものです。念のため。

暖かく穏やかな晴天に恵まれた昨日と今日でしたが、今日の午前中までかかって件の冬支度がほぼ完了しました。

中島圃場の道路沿い部分の電気柵の撤去、自宅と食工房の雪囲いの設置、自宅と食工房の周囲に設置していた電気柵の撤去などが完了しました。
あとは、自宅の周りの細かいものの片づけなどが残っています。

まあしかし、これで大きな仕事はなくなりましたので、ずい分気が楽になりました。
明日は定休日明けの営業日ですから、早朝から夕方まで食工房の仕事に集中します。

明後日には、雪も降りそうな予報ですから、昨日と今日の晴天は最後のチャンスだったわけです。
いつもながら運のいい私、間に合って良かった。

飯豊の空の下から・・・

母屋南面の雪囲いです。
この高さでは、簡単に越してしまいますので、頻繁に除雪しなければなりません。


飯豊の空の下から・・・

食工房の裏手の雪囲い
軒下ということもあり、除雪しないでおくと、雪囲いの上端に達するほどカサが上がります。

そして午後からコーヒー焙煎など取りかかっていたところにサル出没となりました。

ま、サルに関してはこちらが優勢を確保していますので、こちらの姿を見ただけでパニックを起こして逃げて行きました。

もちろん、そんなことで追撃の手を緩めたりはしません。
花火を打ち込みながら、ある程度の距離を追いかけました。

山の向こうまで逃走して行きましたが、しばらくすればまたやって来ます。
何しろ、威嚇はしても実際に危害を加えることはしていませんので、いずれそのうちこちらの対応の限界を見破られる恐れがあります。

何らかの実力行使の手段を持つ必要があります。
しかしこれには、法の改正など幾つものハードルがあります。

もっともっと、被害と犠牲者が積み上がらないと、状況は変わらないということなのでしょうか。
何ともやりきれません。

「学習放獣」という名の謎

長野県は、捕獲したクマを殺処分しないで、人間を怖がらせる学習をさせてから山に放すという対応をしているそうです。
これを「学習放獣」と呼ぶらしいですね。
他県でもこうした例はあるようですが、長野県はその割合が高いことで知られています。

しかしこれには課題もあるようで、学習放獣した個体が複数回繰り返して罠にかかり捕獲される例が少なからずあり、結局最後には殺処分された例もあります。

ところで学習と言いますが、どんなことをするのか・・・と思いましたが、クマ撃退用のスプレーを浴びせるとか、大きな音の花火で脅すとか、いわゆるお仕置きですね。
決して暴力的な措置は含みません。

そこで私が素直に疑問に思うことを申し上げます。

こうした手法で、クマが人間を怖がる学習をさせたつもりかも知れませんが、私は逆に、「捕まっても、少しいやな目には合うけどまた自由になれる」ということを学習するのじゃないかと思うのですね。

それに、遠く離れた場所に放しても、高い確率で元居た場所に戻って来ます。
だから、もう一度ならず罠に入ることもあるのではないでしょうか。

結局、クマの側に立って見れば、命を奪われる危険もなく人間は無害だと認識するに至るのではないでしょうか。

学習放獣は、人間の側の自己満足に過ぎないと、私は思います。

10分と持たないお天気でした

今日の空模様は、本当に目まぐるしく変わりました。
晴れから雨へ、曇りから晴れへ、突然降って来る雹、再び差して来る日差し、その最中に落ちて来る雨粒、いずれも10分と続かず変化して行きました。

今日は、食工房の仕事の合間に少しでも冬支度を進めようと狙っていましたが、こんな空模様でどうにもなりませんでした。
否、いっそのこと、降っても10分で止むなら外作業を続けられなくもなかったのにと悔やんでもあとの祭り、まあ仕方がありません。

その代わり、食工房の仕事は大いにはかどりました。
シュトレンの仕上げ工程を終わらせ、なかなか出来ずにいたクッキー焼きも4品目、ワインケーキを焼いたり、閉店時間を過ぎてさらに1時間以上も残業していました。

明日と明後日は定休日です。
明日は安定した晴れの日になるとのことですから、冬支度を一気に進めたいと思っています。
目が回るほど忙しい一日になりそうです。
ではでは。

クマ対策に柿の木を伐るの件について

飯豊の空の下から

小鳥たちは、雪の合間に隠れて柿の実を啄みます。

クマによる人身被害が相次いでいます。
そんな中、人里にクマを引き寄せてしまうとの理由から、柿の木の伐採を奨励する動きが出ています。

ちょっと待ってください!

クマの数を減らすことが先決だと思うのですが、クマを減らすのは何故ダメなんでしょうか?

ナチュラリストの皆さま、もう少し広い視野で周りを眺めて見てください。

あたりをすっかり雪に覆われた真冬の大地、柿の木に残っているオレンジ色の実がとても美しく印象的です。
そしてそれだけではなく、この柿で命を繋いでいる小さな生き物たちが沢山いるのです。

そうです、鳥たちですね。
大きいのはカラス、小さいのはシジュウカラに至るまで、彼らの貴重な冬の食糧となっています。

降雪地帯では、冬の間地面にアクセス出来ないので、樹上が専ら食料探しの場となります。
そこに熟した甘い柿があれば、どれほど大きな救いになることでしょう。

シジュウカラが自分の体より大きい柿の実にとまって啄ばんでいる姿は、見ていてとても愛おしい気持ちになります。
一個で何日も生きられます。

熟した柿は、ほとんど雪が融ける頃まで木の上に残っていて、彼らの命を支えます。
そして雪が融ける頃、一斉に地面に落ちて土に帰って行きます。

ですから、クマ対策だけのためにあっさり伐ってしまって、そこから先の影響は無視して良いとは思えません。

自然界は、もちろん人間だけのためのものではありませんが、クマだけのためのものでもありません。

そこは見失わないようにしたいものです。

寒くなりそうです

やっと先週あたりから気温が下がって来ました。
今夜は、冷たい風が吹き雨が降っています。
みぞれに変わるかも知れません。
来週後半は、いよいよ降雪もありそうです。

そしてこの寒さの到来で、やっとシュトレンの製造も始まりました。
実は、先週の月曜日に今シーズン初の製造をしています。
明日は2回目のシュトレン焼きの予定です。

一方で、最近まで暖かかったせいで、冬支度が進んでいません。
雪囲いもまだまだ完成してないし、電気柵の撤去もまだです。

と言うか、電気柵に関しては、降雪後は稼働させられませんが、本当は撤去までしなくてもいいのです。
ただ、道路沿いだけは、除雪車の通行の邪魔になりますので、撤去するしかありません。
それがまだなのですね。
気が揉めますが、致し方ありません。

明日はまた、当集落の収穫祭イベントがあり、私一人ですが、仕事の合間に参加して来ます。
旨い手打ちそばが食べられるのです。

差し入れに、スコーンを50個用意しました。
バザーで売ってもらって、売り上げを寄付します。

そんなわけで、明日も思いっ切り忙しい一日になりそうです。
早朝4時から、シュトレンの仕込み作業です。