高野通信」カテゴリーアーカイブ

自分たちで出来ることは自分たちで・・・

今日は私の住む集落で、各戸から一名ずつ出役して、道路清掃のボランティアをやりました。
朝8時までに集会所前に約50名が集合し、班を編成して分担を決め早速作業にかかります。
国道、県道、市道を含む地域の生活道路すべて、路肩に溜まった砂やゴミを掃き、沿線に捨てられた空き缶などのゴミを回収し、側溝の泥上げ、支障木の枝打ちもやります。
また集会所前広場にあった老朽化した遊具類の撤去、処分業者への搬送までも、全部自分たちでやるのです。
農業、林業はもちろん、皆さんそれぞれに土木建設業、機械設備業、電話工事業などなど、いろいろな職種のエキスパートですから、作業はどんどんはかどって午前中にはすっかりきれいに終わってしまいました。


人口の少ない地方の、そのまた周辺地区では、何でもかんでも行政任せにしていたのでは、何もはかどりません。
納税者が少ないのですから、当然執行出来る予算も少ないのですし、その上人家のまばらな田舎では、例えば、一戸あたりに必要な道路の延長も長いわけです。
わが集落の人々には、「自分たちのための自分たちの道路」という感覚がしっかり定着しています。
ですから、冗談交じりに文句を言いつつも、結局は一生懸命作業しています。
集会所になっている公民館も、管理を委託されて集落の中で役を選んで行っています。
だから遊具の撤去も、老朽化して危険で誰かが怪我をしてからでは遅いというふうに、自分たちの問題だと考えてやっているわけです。
それだけではありません。
我が集落には、まだまだ他にも自治的な取り組みがあるのです。


今や財政の大赤字を抱えている日本の社会、税金を拠出して必要なことをしてもらえるという前提が崩壊しつつあります。
そして地方は、先んじてその洗礼を受けています。
これからのことを考えると、小さな集落が高い自治意識の元に、必要なことをボランティアでやるという姿勢は、最も先進的、かつ必要とされていることではないでしょうか。


作業の後は、集会所で皆でささやかに懇親会でした。
これがまた地域の結束を確かなものにするのですね。

高野通信 2007.4.7

  柳
食工房がある高野は、飯豊の麓を流れ下る一ノ戸川が、大きく蛇行する内側に半島のようにせり出した高台です。
川岸は、いつも私の散歩コースになっています。
屋内で立ちっ放しの作業に疲れた時など、気が向くと川に下りて行きます。
そこには、樹齢も分からないくらい大きくて立派な柳の木があり、その下に立つと、神々しい霊気に緊張するのと同時に、大地の底から湧き上がって来る生命力に包まれて安堵する感じを味わいます。
この柳の木の中ほど、枝分かれの付け根の苔生した窪みには、春の一時うす紫色のスミレが咲きます。
足元にも沢山のスミレとアズマイチゲが咲いて、踏まないように歩くのが大変です。
今はまだ花の時期には少し早いのですが、もうじきかと思い楽しみに待っています。
川岸と家の周りの道をぐるっと一回りしてくると、心地良く息が弾み体が温まって元気になれるのです。



 
 今日もパン屋

いつもどおりに土曜のパン焼きですが、今日はパンを減らしてサワードゥービスケットを焼きました。
サワードゥービスケットというのは、パン酵母を使って発酵させた生地で焼いたビスケットです。
食工房のは、長さが18cmくらいの棒状ですが、ひらがなのに似た形に成型すると、プレッツェルとかクリングラと呼ばれるお菓子になります。
そして、今日も写真を撮ってもらいました。





本日の食工房

 木曜日は忙しい!
定休日明けの今日は、一週間で一番忙しい日です。
朝から一通りパンを仕込んで、昼頃までかかって焼き上げます。
早朝の合い間にコーヒーを一杯飲んで目を覚まし、トーストをひとかじりしたら、後は昼過ぎまで飲まず食わずで作業します。
そんなに多くのパンを焼くわけではないのですが、何しろ手間がかかるのと醗酵中目が離せないなどで、油断が出来ないのです。
それが終わったら、やっと「朝飯」という名の昼飯を食べて、休む間もなく後片付けです。
焼き型や天板を洗ったり拭いたり、機械の掃除をしたり、そこまでやって私は配達に出かけます。
実は、次の日の準備という大事な仕事があるのですが、もう大分前から、食工房を手伝ってくれている我が娘に任せきりになっています。
明日は、スコーンとマフィンを焼く予定。


 パン生地も音楽を聴いている!?
私は、仕事をしている間中、ずっと音楽を鳴らしています。
何もないと、時々集中力が途切れて他の事を考えたりしてミスをしてしまうからです。
朝一番にかける音楽は、まあ私の独り善がりかも知れませんが、酵母も気持ちいいんじゃないかなと思えるような、北欧やスペイン、アイルランドのルーツミュージックです。
そして、成型が始まる頃からテンションを上げるために、テンポの速いものに変えて行きます。
仕事が一番はかどってお気に入りなのは、バスクのアコーディオン弾き、ケパ・フンケラのビルバオ・オラ・セロ1と2。
パン焼きの日は、いつもケパに手伝ってもらっています。
音楽のおかげかどうか知りませんが、今日も上々の焼き上がりでした。

どうしてフィンランド?

ノルディック ミュージック
私の気持ちをフィンランドへと誘った元の原因がこれです。
子どもの時から音楽好きで、若い時ミュージシャンを志したこともあった私ですが、音楽遍歴の果てに辿り着いたのが、いわゆるルーツミュージックと呼ばれるジャンルです。
音楽の話を始めると本当にキリがなくなってしまうので、寄り道しないで話を進めると、その中の一つにノルディックミュージック、つまり北欧の音楽があったわけです。
もちろん、フィンランドだけではありません。
ノルウェーもスウェーデンもその他の国々も、それぞれ同様に私は好きです。
今、特にフィンランドに興味が行っているのは、たまたまフィンランドの情報に触れることが多かったからです。
とは言え、私のフィンランドへの興味は尽きません。
今の日本にとって、大いに参考になるんじゃないかと思うことが沢山あります。
そんな話を、今、別な原稿にまとめているところなので、いつかまたお目にかけるとして、私がどんな音楽をいいと言っているのか、見聞出来るwebサイトがありますので、いくつか紹介しておきます。


http://www.tvfolk.net/
北欧のルーツミュージシャンたちのビデオクリップを見られる、スウェーデンのサイト。
 (要 Quick time player)
http://homepage3.nifty.com/nordic-notes/
北欧の音楽の紹介、CDの発売、来日ミュージシャンのコンサートの企画などをやっている日本のサイト。
http://www.noside.com/index.html
アメリカの、ノルディックミュージック専門のCDショップサイト。
http://www.drone.se/
スウェーデンの、CDショップサイト。


Kaneli Pulla シナモンロール
これが話題のカネリプッラです。
渦巻きが二つになっているのが面白いですね。
この形だと、渦巻きの部分が天板に触らないので、焦げつかずきれいに焼き上がります。



正面から見るとお面のようにも見えます。
「仮面ライダー」だと言った人もいます。


 

なぜかフィンランド 高野通信10号より

「世界一、政治家の汚職の少ない国。」それを知った時、いろいろ比較すれば何だってどこかが一番になるのは当たり前だけど、フィンランドってどんな国?かと思ったら・・・。
子どもの学力が世界一、一方で授業時間数は世界最低。
経済競争力が世界のトップクラスで2001年から4年間は首位。
自然環境保全指数が世界一で世界一水のきれいな国。
国民一人当たりの年間観劇回数(コンサートや映画などに出かける回数)、図書館の利用率、それぞれ世界一。
他にもまだまだあるみたいですが、要するに、なりたい世界一をほとんど独占しているってことなんですね。
それでは、国を挙げてスローガンを掲げて競争心を煽っているのかと思ったら、それがどうも全く逆のようなんですね。
そんなフィンランドの人々は、自分の国をSuomi(スオミ~沼地、沼の国)と呼んでいますが、おとなりのスウェーデンの人々は、Fin‐Land(フィンランド~美しい国)と呼んでいるのです。
そしてそこに暮らす人々は、Finsk(男)、Finska(女)、つまり皆さん美男、美女というわけです。
今わが国では、首相自ら「美しい国日本」などとブチ上げていますが、そんな言葉はよその国から言ってもらいたいものですね。
フィンランドという国を知れば知るほど、今の日本は逆の方向に突っ走っているような気がしてなりません。
本当の世界一は、実は、競争に勝ってなるものではないのかも知れません。

高野通信10号 配布中  食工房のパンだより・春4月号 出来ました。
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