食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

文旦ピールとコーヒークッキー

今日は先ず、文旦ピールづくりから始まりました。
朝一番から、文旦の香りが作業場の内外に漂い続けました。
しばらくたって、コーヒークッキーの仕込みにかかりましたが、香りが自慢の自家焙煎コーヒーのフルシティーローストを微粉末に挽きますので、今度は強烈なロースト香が広がります。
柑橘の香りとコーヒーのロースト香は、必ずしも相性がいいとは思えませんので、どんなことになるのかと思っていたら、何のことはありません。
コーヒーの香りは、他のにおいを消す働きがありますから、あっさりと文旦の香りを押しのけてあたりをすっかり占領してしまいました。
これがチョコレートだと、とてもいい感じの香りのハーモニーになるんですけどね・・・。
でも、コーヒークッキーを焼き終わってしばらくしたら、また文旦ピールの香りが広がっていました。
今日もシロップが沢山出ましたので、小ビンをありったけ用意して、これから詰めるところです。
今週、パンを買ったお客さまに差し上げることに・・・。
はてさて、何人分出来るでしょうか?




立ち昇る湯気は、芳しい文旦の香り。
砂糖を加えるにつれ、しだいに香りは弱くなり、
その分ピールの中に固定されています。



強烈なコーヒーの香りを放ちながら、
オーブンの中で焼き上がり寸前のコーヒークッキー。


忙しかった一週間も終わり、明日は定休日なのですが、いろいろやることがあります。
その一つ、沖縄の知人から自作のコーヒー豆<関連記事>をいただきましたので、テストローストします。
また七輪に炭火を起こして、手網焙煎です。
今度の日曜日は、カフェクラブイベントで、他店のコーヒーを仕入れて飲み比べをします。
その一つに、この沖縄コーヒーが加わることになりました。
それでイベントの方は、すでに予約満了です。
これを読んで、オッと思われた方、残念ですがまたの機会に・・・。
焙煎の様子などは、明後日の「習刊・コーヒー通信」で。

春を感じる一日



さすがに、タンポポはまだです。
これは2004年、会津に来て初めて迎えた春に撮影したもの。
このへんには、当たり前のように日本タンポポが沢山咲いています。


今日も昨日に続いて、いいあんばいの一日でした。
お天気が良くて過ごしやすい気候のことを、このへんでは、いいあんばいと言います。
おかげさまで、午前中から三々五々お客さまが見えましたが、皆さんいずれも、今日のお出かけ日和に大変気を良くしていらっしゃるご様子でした。
きっと、寒晒しそばまつりや沼ノ平の福寿草観察などに、お回りになった方もいらしたことと思います。
私たちは、いつもの土曜日の定番仕事が忙しく、うららかな外の日差しを、店の中から眺めるだけの一日でした。
我が家の庭の福寿草もアズマイチゲも咲いたよと、連れ合いが知らせてくれましたが、見に行かないうちに日が暮れてしまいました。
明日もう一日お天気が良いことを願って、明日は写真を撮りたいなと思っています。
お彼岸を過ぎて、まさに「暑さ寒さも彼岸まで。」の言葉どおりの昨日今日です。

  本日の食工房
今日は、カネリプッラとクリングラの両方を焼きました。
トントゥたちが、皆さまのご来店をお待ちしています。

緊張、緊張、昨日、今日

いやはや、ハイテンションでした。
今週はたまたまですが、ご注文が集中してしまい、発送分と配達分のパンと焼き菓子を、昨日今日で焼きました。
もうこれ以上はパンクしてしまうという仕事量だったため、かつてないほど緊張しました。
そのせいか昨日は、配達に出た時にフッと気が抜けて大事な買い物を忘れてしまい、明日の仕事に支障が出るというので、帰り着いてホッとする間もなくとんぼ返りで街までひとっ走りしました。


もう毎回手慣れた仕事になっていても、やはり一回一回気は抜けないですね。
自分ところで売る分だけならまだしも、他所へお願いして販売していただいている分もあり、そちらはもし失敗して納品出来ないと、先方のご商売にも影響が出てしまいますから、余計に気を使います。
順調にはかどっていても、ものをぶつけたりひっくり返したり、ボーっとしている間に焦がしてしまったり、一瞬の油断で台無しになってしまうことは、いつでもあり得ますから、とにかく緊張を緩めるわけには行きません。
そのために、いつも音楽を流しながら作業しているのですが、これがどんな音楽でも良いかというと、そうは行きません。
うっとり聴きほれてしまうようなのはダメだし、しんみりしてしまうのもダメ。
テンポのあるものの方がいいですが、かと言ってあまり騒々しいのもダメ。
そして、日本語で歌う曲も、ついつい歌詞を聞いてしまい、そちらへ頭をとられてしまうのでやはりダメです。
意味の分からない外国語の歌なら気にならずに聴けますが、楽器の演奏だけのものの方が無難です。
そういうわけで、食工房では仕事がはかどる定番があって、一番はバスクのアコーディオン弾きケパ・フンケラ、二番はガリシアのトラッドバンド、ミジャドイロ、それからフィンランドのヴァルティナです。
でもヴァルティナだけは、最近、娘たちは歌詞の意味が分かるようになって来ましたし、お気に入り過ぎて仕事をしながら聴き流せなくなって来ましたので、ちょっと微妙です。
そうそう、それで忘れるところでしたが、この大事な時に息子が外から風邪をもらって来てしまい、感染は免れ得ない状況の中でいっそうピリピリしていました。
でも、体調管理にも気合いを入れていたおかげでしょうか、わずかに変調を感じたものの、今のところ発病しないで済んでいます。
今日は、会津若松市方面への配達も無事終えて、しばしホッとしています。
明日以降が怖い・・・?です。




今日は本当にいいあんばいの一日で、配達の途中すばらしい
ケヤキの大木を見つけましたので、道草して写真を撮りました。

一日分の仕事



シールされるのを待っている山の子クッキー




ジンジャークッキーは、一度の作業でこれだけ出来ます。


今日の一日分の仕事です。
プラス、コーヒー焙煎を1㎏分だけやりました。
日によって違いますが、手づくりで出来るのはだいたいこんなものです。
クッキーで2、3種類、マフィンとスコーンなら5、6種類というところです。
最近やればやるほどに、出来具合にこだわりが出て、手数が増える一方です。
だんだん仕事が重くなって来ています。
でもそれは、工夫は楽しいという私の病気みたいなもので、最後には同じことを手数を減らして出来るよう工夫することになりますから、まあいいのです。
大切なのは、独り善がりにならないことですね。
食べてくださる方に、楽しく満足していただくことです。
そのためにも、仕事自体の中に喜びというか、楽しみというか、遊び心を忘れないようにしています。
今日は、<山の子クッキー><ジンジャークッキー>を焼いたのですが、ジンジャークッキーは四角く包丁で切った形の他に、男の子と女の子の抜き型で型抜きしています。
どういうわけか、男の子の抜き型の方が小さくて、二つ並べるとお母さんと坊やみたいで、娘たちも私もちよっと不満です。
型を横に引っ張って膨らまそうとしたら、背が縮んでデブになってしまうし、縦に引っ張るとやせっぽちで貧相になってしまいます。
いつかちょうどいい大きさの抜き型を探しに行こうねと、おしゃべりしながら笑いころげながら作業していました。
そして焼けば焼いたで、今度は焼きムラが出ると、黒人になったとか白人だとか大騒ぎです。
やっぱりちょうどいいのは、私たちのような黄色人種だと言うわけです。
まあでも、全部ピッタリ同じ焼き色というわけには行きません。
色の白いのや黒いの、ちょうどいいのと、いろいろ取り混ぜて詰めています。
この次お求めの際、良くご覧ください。
男女の数も、少しは気をつけています。




最近フィンランド語を勉強している娘たちは、
男の子は「ポイカ」、女の子は「テュット」と言ってます。

画像付きメニュー表が出来ました。

今日、やっと念願の画像付きメニュー表を、食工房のホームページにアップしました。
正確に言うと、まだ一部の品目が載っていませんが、パン全品目と焼き菓子の半分以上をカバーするところまで完成しましたので、後は出来次第足して行くことにして、shokuko menu というページを作りました。
ぜひご覧ください。
食工房のホームページ<こちら>より、リンクバーのshokuko menu をクリックしてお入りください。
そこで苦労話を一つ。
なんと言っても、お見せする画像でその製品の印象が決定づけられますので、先ず写真撮影に一番神経を使いました。
昨年3月に、友人のTさんに撮影をお願いした時の画像と、その時に撮り切れなくて、後々私が作業の合間に撮影したものを使っています。<参照>
そして同じくらい神経を使うのは、画像の調整です。
データサイズは出来るだけ小さくしないと、ページを開くのに時間がかかってしまいます。
かと言って、細かいところまで見ていただくためには大きくせざるを得ません。
カラーバランスやサイズを決定するまでには、何度も試行錯誤しました。
しかしながら、そこが素人の悲しいところで、十分満足な結果には達していません。
今後も手直ししながら、新しい画像に置き換えていくことも考えています。
そして次に、テキスト欄に何を書くかです。
今回は、原材料表示にウェイトを置きましたので、製品特長の説明は割愛しています。
今後、関連記事のブログページにリンクを貼り付けるなどの方法も考えています。
現在のところ、まだ新しいwebツールが公開されていないため、ページ作りは非常に融通の利かない、ストレスの強い作業になっていますが、ここ一ヶ月くらいの間には改善が完了して、ページを刷新する作業に取りかかれると思います。
そういうわけで今のところ、メニュー表からクリックでオーダーフォームへオーダーを入力するというようなシステムを作ることが出来ませんのでご了承願います。
何しろ、無料でドメイン取得と維持管理の便宜に与っているので、Microsoft とのつきあいも、もう少し様子を見ようかなと思っているところです。

  雑貨コーナーよりお知らせ
いつも素敵な洋服を出品してくださっている、Blue Lace のご縁で、酒田市の「ライフショップ・マジョラム」のオーナーさんが手作りした、クルミ殻のピンクッション(針刺し)が入荷しました。
カラフルで楽しくて可愛い針刺しが10点、どれも一つ500円と、お手ごろな価格です。
ご来店の他、通販でもお求めいただけます。
(通販の場合は、送料をご負担ください。)
パンや焼き菓子と一緒のご注文でも大丈夫です。


シマリス食べたい!



レーズンとミックスナッツ入りマフィン
「シマリス君の朝ごはん」
いがらしみきおの漫画「ぼのぼの」
の影響も、実は大いにあるのです。


勘ちがいしないでくださいね。
あの可愛らしいシマリスを食べようというわけではありません。
食工房のマフィン「シマリス君の朝ごはん」を食べたいと言っているのです。
レーズンとミックスナッツが入っていて、砂糖なしの焼き菓子です。
これを初めて焼いたのは、もう21年も前のことになります。
最初は、豆乳も入っていました。
次に牛乳になって、それからどちらも無しになって、現在に至っています。

ところで、お菓子づくりの時、甘みに砂糖を使わない考え方は、自然食あるいはマクロビオティックの世界では、半ば当たり前になっています。
私たちも、子どもが甘い物好きになると、きっと後になって悔むことになると思い、お菓子は元より食生活そのものから、砂糖や甘味品を追放するというところまで行きました。
ちょっと極端だったかも知れませんが、今でも一つ良かったと思うのは、そのおかげで素材の味にとても敏感になったということです。
食品製造を商売にしている今、あの時感覚を磨くことが出来たのは、大きな収穫だったと言えます。
砂糖なしのお菓子づくりは、はっきり申し上げて、制約が多くて大変です。
砂糖の代わりにハチミツを使うことも許されませんし、メイプルシロップでも嫌がる人がいます。
ドライフルーツだけが唯一、甘みの材料として合格というわけです。
レーズンとミックスナッツ入りのマフィンを思いついた時は、私たちの食生活はちょうどそういう状況でした。
でも正直に言って、砂糖なしのお菓子は、それはそれでおいしいと思いましたね。
小麦粉の風味や使った油脂分の品質、その他何でも入れた材料の味がストレートに出て、何と何でつくってあるかすぐに分かります。
おやつに限らず毎日常食しても、何の弊害も起こらない安心感があり、これは子どもに与えるものとしては一番大切なことです。
そのようなわけで、「シマリス」ことレーズンとナッツ入りマフィンは、我が家のおやつの定番でした。

そして時は流れて子ども達も大きくなり、食工房が本格的な商売としてパンやお菓子を造るようになる中で、お菓子は嗜好品という考え方の下に砂糖なしの枠もなくなりました。
あのシュトレンのように、まわりを白砂糖とバターでガッチリ固めたようなものも、一年に一度のプレゼントと思って気持ち良く味わっています。
それでも砂糖なしのお菓子は、妙に懐かしいふるさとのような魅力を持っています。
今日はもうそれがたまらなく恋しくて、「シマリス君の朝ごはん」を半分自分たちのおやつ用として焼きました。
そして10個ばかり包装しないで取り分けました。
今日は焼き立てを食べましたが、一日経ったのもまたおいしいので、明日も楽しめます。
※なお、昨年4月にも関連記事があります。<参照>

このひび割れが、たまりません!



食工房のおすすめ、飯豊山食パンです。


おいしそうでしょ?

このところ少し気温が上がって来ているおかげで、生地の醗酵がスムーズです。
酵母の活力が安定しています。
良く膨らむということは、単にカサが張って見栄えがいいというだけではありません。
それよりも、順調な醗酵は良い風味を生み出します。
こちらの方が大切です。
食工房では、食パンに代表されるいわゆる「食事パン」には、油脂分を入れていませんので、その分ストレートに小麦粉と酵母の風味が出ます。
そしてこの山型食パンの場合、表面に霧吹きしてから窯に入れて焼きますので、焼き上がった後冷めていく間に、フランスパンのようにパリパリと音を立てながらひびが入り、とてもおいしそうに見えます。
実際、この時食べると、皮の部分がとても香ばしくておいしいです。
でもこの後、袋に入れてしばらく経つと、ひび割れは閉じて目立たなくなってしまいます。
皆さんに、この瞬間を召し上がっていただくわけに行かないのが残念ですが、トーストしていただくとこれはこれできっとご満足いただけると思います。
昨日に続いて今日も暖かい一日で、パンはいずれもすべて具合良く醗酵してくれました。
皆さまのご来店をお待ちしております。

暖かい一日

今日は朝から、本当に春がやって来たような暖かさでした。
とくに午前中は日差しも明るく、雪がズンズン融けていくのが分かりました。
田んぼや畑の近くを流れる小川は、どこもあふれそうになりながら、雪融け水を運んでいました。
私はと言えば、定休日だというのにいろいろ雑用を片付けるのに追われて、この春の兆しを存分に味わっているわけには行きませんでしたが、それでも気分が高揚して来るのが自分でも分かりました。
雪国の春の感覚は、やっぱり独特なものがありますね。
南国に暮していた頃には、決して味わうことのなかった、生理的感覚とも言えるこの感じは、とてもドラマチックです。
さて食工房では、このところ立て続けに文旦ピールをつくっています。
ということは、先んじて文旦を沢山食べているわけです。
三食、毎食後に、デザートとして文旦を食べています。
全く贅沢な話しですが、半分は皮が欲しいばかりの仕事です。
そして、ピールを煮込んだ後にシロップが、これまた沢山残るのです。
もちろん、お菓子の材料にも使いますが、ピールと違って今一つ使い切れていません。
例年、欲張って取っておいたシロップが残って、カビが生えて捨てるはめになるのが何とも忍びなかったので、今年は、小瓶に詰めて皆さんに差し上げています。
甘くて、ほろ苦くて、文旦の香りがします。
「液体マーマレード」と呼ぶのがピッタリです。
トーストに塗って召し上がるのがベスト。
というわけで、パンをお買い上げのお客さまに、お一人一瓶差し上げています。
通販のお客さまにも、これから一時ですが、ご注文のタイミングが良ければ、おまけに一瓶入っているはずです。




あり合せのビンに詰めていますので大きさも形もいろいろです。

多品種、少量製造です。


食工房では、メニューの数は増えることはあっても、減ることは先ず滅多にありません。
いつの間にか、この頃仕事が重いなァと感じるようになっていましたので数えてみたところ、パンと焼き菓子が季節商品のシュトレンとアニスシードケーキを入れて39種類、それにコーヒー豆が10品目とライ麦コーヒーとカリーマサラでした。
さすがに、年中すべての品目を品切れさせないように揃えておくことは出来なくなりました。
先週末から新しく仲間入りした、クリングラ2種類を今日も焼きましたが、その代わりカネリプッラはお休みせざるを得ませんでした。
というわけで、当分、カネリプッラは木曜日にクリングラは土曜日に焼くというスケジュールになります。
その他、季節によって登場したりお休みしたりするメニューがありますので、その都度お知らせしています。
ご利用の前に、最新のメニュー表をチェックしてくださいね。



Kringla / クリングラ・プレーン


Kringla / クリングラ・チーズ入


ところで今日は、クリングラを焼く時また一工夫しました。
生地を延ばす時、全部同じ太さにしないでわざと端の方を細くしました。
こうすると、まん中でひねったその先がカリカリに焼き上がるので、太いところはパン風に、細いところはクラッカーのような食感になります。
一つ食べるうちに、二つの食感を楽しめるというわけです。
スウェーデンではクリングラですが、アメリカやその他の国ではプレッツェルと言うそうですね。
これからもっともっと研究して、いろいろなバージョンを造ってみたいと思っています。

それで、チーズ入りの方の塩加減が、ビールのお供に良さそうだなァと思ったら、本当にドイツではプレッツェルをかじりながらビールを飲むそうです。
それも、レモネードで割ったビールを、大きなジョッキに浪波と注いで。
そうそうそれで話しが脱線しますけど、ドイツやベルギーなどビールの本場では、ハーブやスパイスを入れたビールがあるのですね。
ホップもハーブの一種ですが、それ以外にもいろいろなものを入れることがあるらしいです。
今度、ゆず果汁とハチミツを炭酸水で溶かして、ビールと混ぜ合わせて飲んでみようかなと思っています。
ホップの香りと柑橘系の香りは相性がいいと思いますから・・・。
近いうちにご報告いたします。


さて今日は、週末ということもあり、お客さまも三々五々お見えになりました。
これから三月も中後半になると、山都寒晒しそば祭り、福寿草祭りと、イベントも始まって、静かだったこの辺りもにわかに活気が出て来ます。
そう言えば昨日、フキノトウを見つけたと聞きました。
春はもうすぐです。