熊、猿、カモシカ

今、地方の山間地に行くと、野生の動物たちとの付き合いに苦慮している現場を、其処彼処に見ることが出来ます。

私の暮らしている、喜多方市(市というのがいかにも似合いませんが・・・)山都町相川地区でも、それほど山深いわけではないのに、熊もカモシカも至近距離に出没しています。

猿は、まだ少し距離があるようですが、多分時間の問題でしょう。

農業をしている方にとっては、作物に被害が及んだり身に危険が及んだり、油断の出来ない状況に直面しています。
私も、犬の散歩などで周りを歩き回る時は、それなりに緊張しています。

ところで私などは、小さい時からもうずっと、野生の動物たちは無条件に人を恐れていると教えられそう信じて来ましたが、実はそれはとんでもない誤解なのですね。
決して無条件になどではない、然るべく手を尽くし努力を積み重ねて来た結果として、自然界における人の優位性が獲得されたのだということを、もっとよく理解しなくてはなりません。
そのことについては、過去記事でも触れていますのでご参照ください。<こちら>

それで今日またこんなことを書いているのは、この二三日の間に続けて家の前の道路を、カモシカが横切るのを目撃したからです。
調べて見たら、カモシカは後ろの山から往復二車線の国道を渡り、杉林の中を通ってもう一度巾4mの道路を横切って、川の方に下りて行った様子です。

結構大胆と言うか、人を恐れる必要がないことを学習しつつあるのではないかという気がします。
純粋な草食動物のカモシカを、そんなに恐れることはないと思われるかも知れませんが、何かのはずみでまともに突進して来られたら、無事で済まないどころかこちらの命が危ないのです。
第一、農作物への被害は深刻です。

熊はもちろん言うに及ばず、危険です。
熊で厄介なのは、もはや人を恐れなくなりつつあることです。
熊鈴を下げて行けば大丈夫と言われたのは昔の話しで、今は必ずしも効き目があるとは限りません。
人を恐れなくなった個体は、むしろ熊鈴の音を聞いて人が近づいたことを察知し、襲ってくることがあるそうです。

猿は、知能の高い動物ですから、一度作物に目を付けられたらもうお終いです。
その対策に、費用のかかる電気索状を張り巡らせるくらいしか方法がない状況です。
そして猿もなかなか凶暴な一面があり、一人で山に入って行って襲われた例があるのですね。

さてそのように被害があるからと言って、ただちに彼らを悪者と決めつけるのもどうかと思いますが、かと言って保護するという姿勢の中にも、何か無理解があるような気がしてなりません。

人として重要かつ絶対に失いたくない資質というものがあると思っています。
自然界に対し、野生に対し、人が本来持っていなくてはならない感性と行動力。
そのことに関し、先住民が伝える掟や儀式の世界と最先端の科学が、あと一歩で多分融合出来るところまで歩み寄っているのを感じ、もどかしさに駆られる私です。

この時代は、人類にとってあらゆる意味において、ターニングポイントに違いありません。


食工房から今週のクッキーとマフィンのおしらせ

クッキーは、わらいごまとバタービスケットを焼きました。
その他、どろんこクッキー、コーヒークッキー、森のパン屋のビスケット、くるみびすけっと、パタポンの在庫があります。

マフィンは、シマリス君の朝ごはんとスィートハートです。