二度焼き

コーヒー通信、今週は焙煎現場のお話を一つ。
食工房のコーヒー焙煎は、もうご存知の方も多いので今さら隠すわけではありませんが、本式のコーヒー焙煎機を使っていません。
何故って、それは高額の投資をしなければ導入出来ないからに決まっています。
しかしそこはうまくしたもので、私は以前きっかけがあって、ポン菓子(バクダンあられとも言います。)の機械を手に入れていましたので、これが使えるのではないかとちょっと細工して、コーヒー焙煎機にしてしまいました。



生豆



一度目



二度目(仕上げ)


コーヒー焙煎のやり方はいろいろあるのですが、この専用ではない機械の特性を考慮して、二度焼きする方法を採っています。
写真でお分かりのとおり、生豆の青みが消えてベージュ色くらいになったところで一旦釜から出し、風を当てながらチャフ(表面の薄皮)を飛ばし、同時に冷却します。
バットに広げて完全に冷ましてから、二度目の焼きにかかります。
時間にすると、一度目が20分弱、二度目は17~20分(焙煎度による)くらいです。
火力の配分や最高到達温度により、同じ焙煎度でも風味が違って来ますし、豆の種類によって個性が生きる固有の焙煎度もありますので、コーヒー焙煎はやっていてとても面白い仕事です。
自分の経験から培ったノウハウと磨いた勘がものを言う世界です。
大手のコーヒー会社が、いくら最新鋭の設備を誇っても、小さい街のコーヒー屋を完全につぶすことは出来ない理屈です。
何と言っても嗜好品ですから、何でもありですね。
支持してくださる方があれば、それなりにやって行ける、面白い商売だと思っています。