この4月から、輸入小麦の価格が値上がりするというニュースが流れています。
今世界では、食糧がひっ迫して来ており、穀物相場も高騰しているそうですね。
多くの食糧を輸入に頼る日本は、その影響をまともに受けることになります。
小麦の場合、国内自給率は約15%、つまり85%を輸入に頼っています。
しかしこの値上げですが、いくつもの複雑な問題が絡んでいます。
一つは、国産小麦を保護するために支払う内麦振興奨励金の財源確保のために、小麦の輸入は政府が一手に管理し、大きな利幅をかけて製粉会社に売り渡しているという仕組みです。
国産小麦なんかどうなっても良いから、とにかく安い食糧を提供しろというなら、話は簡単です。
この仕組みを解体すれば、たちまち輸入小麦の価格は半分になるでしょう。
その代り、もう日本には小麦を作る農家はいなくなるでしょう。
食糧自給からは、ますます遠のくことになります。
国際相場がいかに高騰していると言っても、国産小麦の価格に比べればまだまだ安いのです。
それより私たちがよく考えなくてはならないことは、何故国産小麦の価格がそんなに高いのかということです。
それは、幸か不幸か知りませんが、日本の経済レベルが高水準だからでしょう。
例えば、今の日本の農業従事者がサラリーマン並みの労働対価を要求したら、何を作ってもたちまち経営破綻してしまうということです。
だから何でもかんでも輸入なのですね。
そしてそれがだんだん難しくなりつつあるということです。
ロシアは、自国の保護のために小麦の輸出を禁止しました。
実は不作で、輸出どころではなくなったのです。
こうして外国から買えなくなった時、そこで初めて私たち日本人は、今までの農業政策、食糧政策の誤りに気が付くというわけです。
それはさておき、先ずはこの値上げの影響が、国産小麦にどのような影響を及ぼすかということです。
いつからとは分かりませんが、いずれ国産小麦粉の価格が値上がりすることは確かです。
気が重くなるような話ですみません。今日はこれまで。