昨日、原子力安全保安院の公式発表で、今回の福島第一原子力発電所の事故による、大気中への放射性物質の総排出量が、77万テラベクレルであることが分かりました。
これはあくまでも計算値ではあるのですが、4月の初めに37万テラベクレルと暫定値を出していますから、それに比べて2倍以上の規模になります。
こうして次々といろいろな情報が時間を追って発表されるにつけ、隠ぺい体質のことが揶揄されるわけですが、それももちろんあるにしても、保安院の方が会見で口にした「隠す意図は無かった。そもそも、国民に知らせるという発想が無かった。反省している。」との言葉には、あきれると同時に、これが人間の限界なのかなと思ってしまいます。(いろいろな意味で)
さて、一気に2倍の見積もりになった汚染規模ですから、実測値と併せてもう一度実態を見直す必要があるのではないでしょうか。
行政の仕事は増える一方・・・。
これが面倒くさいから、データを隠していたんでしょ!と言いたくなりますが、どの道逃げられない運命でした。
これは、市民である私たちにしても、一つ覚悟を決めなくてはならないことなのかも知れません。
少なくともこの福島県にいる私たちは、自分の身の回りの汚染の実態を、正確に把握しておく必要があるのではないでしょうか。
もっときめ細かな測定をすること、出来るなら線量計の貸し出しや配布など、地域の行政に要望して行く必要もあるでしょう。
また個人で測定器を持っている方に呼びかけて、データを提供してもらい共有出来る仕組みも欲しいですね。
放射能との付き合いは、本当にまだ始まったばかりなのです。
未曾有の原子力災害というとてつもない負の遺産を、未来の人々に残すことになったその責任は、何も東電や政府にだけあるのではないと私は思います。
原子力発電の恩恵を、直接にしろ間接にしろ享受し、それを選び取って来た私たち一人一人にも責任の一端はあると思いますし、どんな小さなことでもその責任を果たす行為は可能だとも思います。
悔しいけれども、これから100年先まで残るかも知れない禍根を、これからの人たちに背負わせることになったのですから、原発を造り動かして来た私たちの世代の者は、その重さに想いを至らせなくてはなりません。
到底私が生きている間に、解決するような問題ではないのですから。
★参考資料です。
実測による汚染地図。 <参照1> ・ <参照2>
これを見ると、会津でも決して安心ばかりしてはいられません。