NDの意味・再び

この前6月14日の記事<参照>で、NDについて解説申し上げましが、当時は耳新しかったこのNDという用語も、最近では頻繁に耳にするようになりました。
前回の記事で、必ずしもND=0ではないことを申し上げましたが、放射能の検出に関しては、それだけではないもっと広範な意味が含まれていることを、最近になって知る機会がありましたので今一度取り上げることにいたしました。


先日、食工房でライ麦・小麦原穀の残留放射能検査を同位体研究所に依頼し、検査結果がNDであったことをご報告いたしました。
実はあの後、某大学の研究室の研究資料用という名目で、同じライ麦・小麦原穀の検査をしていただく機会を得ました。
そうしたところ、有意な汚染が認められるという結果が報告されました。

ライ麦が、34.1±6.1Bq/kg
小麦が、18.5±5.2Bq/kg

公認の検査機関である同位体研究所でND、大学の研究室の測定では有意な汚染有り、この事実をどう受け止めたら良いのか、正直なところ私には結論が出せません。


で、この研究室の測定結果には、測定結果の解釈について資料が添付されていました。
私には、概ね理解出来るものの、NDの意味するところは統計学的な定義によるもので、単純に測定器の検出限界以下という訳ではないことが分かって、ますますこのデータをどう扱ったら良いのか、戸惑うばかりです。


とにかく資料をそのままご覧に入れます。



統計学は苦手中の苦手



たしか、100分計測だと伺いました。


では同位体研究所の検出限界1Bq/kg、そしてNDという結果報告と検査に関する注釈はどう理解すべきなのか、やはり問い合わせて見るしかないと思っていますが、果たして解説を聞いても理解出来るかどうか・・・。
同位体研究所のホームページの中にある、検査の仕方や検査機器の解説を見ると、ほとんど完璧だと思わせるものがあります。



こちらは、同位体研究所の小麦の検査報告



★同位体研究所・検査機器の解説

★食工房がオーダーした核種検査の詳細

公認の検査機関ということで、検査結果の報告には当然責任を持っているわけですから、
公式発表はNDとする以外ありません。


※某大学のデータは、それを以て安全性や危険性の証明とすることは出来ませんし、大学名や個人名も一切公開しないことが条件になっています。


さてここまで申し上げて、今私に出来る対応は何かと言うなら、とりあえず事の真実が分かるまで、このライ麦も小麦も使用しないということに尽きます。
幸い、まだ切り替えていませんでしたし、ライ麦はカナダ産オーガニックのもの、小麦は昨年度産のもの、それぞれまだ在庫があります。


もし、この分野の専門的なご見識をお持ちの方で、この件に関しご教示いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。


ところで、NDについてはまだ他に意見があります。

百姓市仲間のひぐらし農園の浅見さんのブログ<こちら>に、このNDのことも含めて貴重な意見や報告が述べられていますので、どうぞご覧ください。


私も、全く同感です。