事故調査・検証委員会、中間報告に接して

政府は、福島第一原子力発電所の事故について、原因の調査や検証を行う独立した委員会を立ち上げ、この度中間報告が出されました。

つい先日も、NHKの特別取材番組でこの報告の中身について詳しく報道していましたね。

あれを見ながら、次々と明かされる事実を目にして、憤りに堪えない感情に思わず我を忘れそうになっていました。

しかし実は、この事故調査・検証委員会(以下、事故調と略します。)には、いろいろと批判があって問題も多いようですが、とりあえず判明した事実だけでも、もう我々国民の忍耐の限度を超えていると思う私です。

膨大な資料ですが、例えば<参照1> ・ <参照2> などをご覧ください。


こうした報に接し私が感じるのは、あの時、官邸も保安院もほとんど何もせず(出来ず)、むしろ害になっただけじゃないのか!ということです。

余談になりますが、かの保安院には800人もの職員がいるのだとか!?
こういう人たちが、今でも高額の報酬を受け取っているのです。


否それでまた、事故調の基本方針というのが、個人の責任を問わないと言うのですから、もうどうにもなりません。


明らかに人災の側面が濃厚なのに、誰も責任を問われないなんて、あり得ない話です。


ちょっと話しが脇へ行きますが・・・。


たった今も、事故を起こした原発で収束作業に当たっている3000人超とも言われる方々の中に、現場の生の状況をツィッターで発信してくださっている方がいることは、もう沢山の方がご存じと思います。
そうです。Happyさんという方ですね。<参照>


彼のツィートを毎日拝見していますが、さっき申し上げた人災につながる組織の在り様が、今でも変わらず存在しているのだなと思わされます。


以下に、抜粋引用してみます。



Happy さんのツィートから


★そもそも今の汚染水処理システムや循環冷却システムは仮設なんだよね。


★仮設で何年もっておかしいと思うんだ。許認可とか法律とか色々あるけど国がそれこそ特例で早く造らせればいいのに、そんな動きもない。東電も各メーカーが恒久的なシステムや設備の案を提出しても、予算的な問題で発注しない。


★今の仮設で問題が出たらその都度、処理と対策するスタンスみたい。保安院も具体的案や対策案なんて一つも持ってないんだ。まぁ今までも、ただ東電に説明受けてハンコ押してただけだし。その東電が出す説明資料も大半はメーカーが作ってるんだけどね。


★仮設なんだし、建屋床や壁の現耐震性も怪しいのに…。オイラ達はそこで検査したり記録数値とったりそれだけでも相当な被曝なんだけど…。でも東電や保安院の人は現場には来ないで報告書と検査記録の確認だけなんだよね。


★設備が本設になると東電や保安院も立ち会い確認になるから、線量の高いとこは全部仮設なのかなぁって疑ってしまうよ。


★直営もかなり被曝してるし、東電も作業慣れてないから大変かも。それに最近は、直営も東電も社員が退職してるみたいなんだ。だからメーカーに作業員出向者を出すように依頼してるみたい。これから廃炉に向かっての第一の問題は、やっぱ人なんだなぁ…って感じた1日でした。


★今まで実際の仕事はほとんど下請けでしていて、自分たちが作業となると退職ちゃうのか。廃炉に向けてベテランは被曝で作業できなくなり、慣れない方はだんだん被曝してベテランになるころには線量オーバーになりそうで。何十年という時間より被曝する方をどうするか心配。



・・・いやはや何とも。

現場で作業に当たっている方々に対しては、最大限の敬意を払いますが、それでも状況として見れば、全く先が思いやられるのですね。


話しは戻りますが、事故直後から福島県は、周辺のモニタリングをしていたのですね。
今でこそ、それらのデータを閲覧出来ますが、当時は計測しているのかどうかさえ、一般市民は知る由もありませんでした。<参照>

それで、大熊町の原発から5kmの所にあるオフサイトセンターに、現地対策本部が立ち上げられたものの、放射線量が上昇して危険になったため、福島市に移動しているのですが、その頃周辺の住民は、風下に当たる浪江町から川俣町を通って福島市に至るルート上を避難行動していたわけです。

中には、大変高い線量の場所に二週間以上、何も知らされないまま滞在してしまった人たちもいました。(浪江町赤宇木地区集会所)
件の現地対策本部は、この時SPEEDIのデータはもちろんでしょうが、すでに開始されていたモニタリングの結果を知っていて、線量の高い場所を迂回して福島に到着していたのでした。

こんなこと一つをとっても、本来一般市民の生命の安全を守るのが責務のはずの公務員が、職務放棄の状態で自分の生命を優先したことは、絶対に許されることではありません。


武士の時代なら、切腹ですね。
否、本当にそうしてもらいたいものだと思いますが、未だに何の咎も受けず給料までもらっているというのは、どういうことなんでしょう。


ただただ、悔しいと嘆くより他ないのでしょうか。