もう30年も前のことになってしまいましたが、私が20代半ばの頃、友人たちと共同で店を一軒持ったことがありました。
今風に言えばカフェというスタイルになりますが、場所は千葉市の稲毛の京成稲毛駅のすぐ近くで、「蓬?屋」という名の店でした。
開店の時は、内装工事をすべて自分たちでやり、テーブルやいす、クッションなども手作りしました。
コーヒーと食事(当時は珍しい、玄米定食もありました。)、夜にはアルコール類も加え、アメリカウェストコースト系のロックやブルースなどを一日中流し、アクセサリーや生活雑貨なども置いて、昼間は子連れの女性や高校生などが、夜は家族連れや大学生から年輩の方まで、芸術家、医学生、商売人、勤め人、果てはヤクザさん(?)まで・・・、実にいろいろな人がやって来ました。
今思うと、とてもユニークで面白い店でしたが、何しろ店をやっている私たちが未熟で、しかもアクの強い人間ばかりでしたから、入りたくても入れない人が少なからずいたに違いありません。
私と連れ合いは一年足らずで店から離れ、その後数年で閉店となりました。
そして、いろいろな仕事を転々として来た私ですが、連れ合いといつも、いつかチャンスがあったらまた店をやりたいねと話し合っていました。
コーヒーの自家焙煎をやるようになって、益々その気持は高まりましたが、なかなかチャンスはありませんでした。
こちらに来て、やっと念願がかなった形になり、改めて思っていることがあります。
それは、カフェには情報の交差点としての、また発信源としての役割があるのだなということです。
通信手段のないその昔、情報は人から人へ直接伝えられました。
情報は、人が集まる場所で交換され伝達され、広まって行きました。
街や広場、市場、そして居酒屋もカフェも、一番大きな役割は情報の交差点ということにあったろうと思います。
その後通信手段が確立し、多様化し、今では携帯電話の普及によって、情報は時と場所を選ばず瞬時に、届けたい相手に直接届きます。
そんな時代には、カフェの持っていた情報交差点としての機能も価値が無くなったかに思えるのですが、私は実はそうではないという気がしています。
私たちの日常は、もうほとんど電話やメールで用が足りるわけですが、逆にだからこそ、直接会って話しをすることの意義が大きくなったのではないでしょうか。
何か事を起こそうという時など、やはり直接顔を見て話し合う必要を感じますからね。
私は、今でもカフェはコミュニケーションの場として、情報の交換そして発信の場として、重要な役割を果せると思っています。
お知らせ
「食工房カフェクラブの集い」12月例会
12月24日(月) 午後2時より、終了随時 参加費 1000円
ささやかに、クリスマスお茶会をやります。
コーヒー飲み放題、お茶菓子いろいろ。
お時間のある方、ぜひご参加ください。