業界誌から学んだこと



いわき市 平 レンガ通りにて 


昨年の秋から、コーヒー関係の業界誌を読んでいます。
素人の独学で、全くの手さぐり足さぐりでやって来た私にとって、いろいろな面で大変勉強になり、良い刺激をもらっています。
その中で、自家焙煎のコーヒー店、喫茶店を始める人が増えているという記事があり、相談事例なども取り上げられていて興味深く読みました。
そしてこの自家焙煎が、開業ビジネスのネタの一つになっていて、悪い業者のカモにされてしまう例もあるらしく、他人事ではない気がしました。

私の場合は、本当に誰の手ほどきも受けず、誰にも相談せず、資金も持たずに、七輪とザル一個で始めてしまいましたので、逆に誰にも利用されずに済んだのかも知れません。
加えて、当初からオーガニック、フェアトレードに限定しましたので、素人には様子の分からないコーヒー業界の門を叩くこともしませんでした。
それに多分、相手にしてもらえなかったろうと思いますし、今になって見ると、それがかえって良かったようにも思います。
現在では仕入先も増えましたが、当初長い間、今もおつきあいしている「第三世界ショップ」だけでした。
そして、商売といえるほどの規模でもなく、全くの駆け出しの当時の私のコーヒーを、今の私が判断するとどのくらいの評価になるのか、今となっては定かではありませんが、早々から固定客がいたことは確かです。
その後日曜日ごとに、路上でコーヒー豆の試飲販売を12年間くらいやりましたが、いつの頃からか、日曜の朝に路上で私のコーヒーを飲むのを楽しみにいらっしゃる方が見えるようになりました。
また通りすがりに、良い香りがすると立ち寄った方が、一口飲んで「よし、この豆を200gくれ。」と、その場で買ってくださったりすると、内心「やったぜ!」と思ったものです。

そうやっていつの間にか、プロを自覚するようになった私ですが、まだまだこれから勉強という部分もいっぱいあります。
業界誌を読んでいて思いましたが、素人上がりの私を、一応でもプロを自覚出来るまでに育ててくださったのは、そして今もなお成長に力を与えてくださっているのは、他ならぬ私のコーヒーを飲んでくださる方々であると、改めて感謝の気持ちがわいてくる私です。