デジタル化で失われるディティール



この写真を撮った時のお話しは<こちら>からご覧になれます。
今日の写真は、ネガから新たに焼き直したプリントを元にしています。


ブログに写真を載せる時、いつも感じるストレスがあります。
それは、伝えたい気持ちを満足させようと思うと、際限なくデータが大きくなるからです。
私は、デジタルカメラを使い始めてまだ一年にもなりませんが、フィルムカメラの方は、5~6年間みっちりと撮りまくりましたので、少しは写真に関しては考えを持っています。
それで私は、写真の「力」はディティール(詳細な表情とでも言ったら良いでしょうか。)にある、と思っています。
たとえ肉眼で見て分からなくても、ルーペであるいはちょっと大げさですが顕微鏡で見ると分かるくらいの違いが、その写真の表現力に差を生むというのは本当です。
写真をアートとして捉える場合でも、ドキュメントとして捉える場合でも、レンズの性能やフィルムの性能そして撮影の技術は、どうしたって最低限必要ですし、高ければ高いに越したことはありません。
卓越したセンスも、一台のカメラとそれを使いこなす技術がなければ、写真にはなりませんから。
写真がデジタル化されるようになった時、私は正直、フィルムカメラの世界で最高の表現に辿り着いたような優れた写真を、本当にデジタルカメラで再現出来るのかと思ったものです。
現在、デジタルカメラの最高峰だと、すでに2000万画素を超えていて、もうそれは問題ないという見方もあると思いますが、それでも言わせてもらえば、フィルムの方は分子レベルですから、画素なんて単位では測れません。
ましてや、コンパクトデジカメの最初から圧縮データで取り出される画像は、初めのうちは手軽で面白くてわくわくしましたが、すぐに何かちがうぞ!と感じ始めました。
そして思い出して、昔撮ったリバーサルフィルムをトレスコとルーペで覗いた瞬間の驚きは、残念ながら皆さんにお伝えする手段がありません。
いくらデジタルの技術が進歩した現在にあっても、たとえ1枚が1GBの画像でも、リバーサルフィルムの1コマには遥かに及ばないと、私は思っています。

デジタル化で失われるディティール」への6件のフィードバック

  1. めい

    去年の誕生日に欲しかったカメラを買ってもらいました。
    ただわたしの場合はトイカメラですが…
    まだ初心者ですしカメラのことを詳しく知っているわけではありませんがわたしもフィルムの方がすきです
    なんかあじがあるというか深いかんじというか…だいすきです(*о´∪`)о〃

  2. オリオリ

    ほうの花初めて拝見しました。しべはきっとピボナッチ数列で並んでいるのでしょうね。かぐわしい香り、力強い花びら、青々した葉。春が待ちどおしいです。
    さて、友達にクラシックカメラの愛好家がいるのですが、ポラロイドフィルムはとうとう生産中止になってしまいました。先日ホルガで撮ってもらった自分は輪郭線がゆるゆると歪んで妙に昭和チックに写っていて懐かしい感じになりました。宝物になりそうです。
    世の中のカメラはデジタル化が進んでいますが、画素数が多くなっても最終的には光と影とレンズというシンプルなものと個人の経験によるセンスだと思っています。

  3. tak

    プロ使用のデジタルカメラでも、やっぱり、どうしても 「のっぺり」 と映っちゃうんですね。
    ほうの花でも、デジカメで撮ったら花びらの白い部分は、「単なる白地」になってしまうでしょう。
    デジカメは、「白は白」と割り切ってしまうので、割り切れない部分の味は消えてしまうんでしょうね。

  4. Mikio

    めいちゃん、コメントありがとう。
    トイカメラと言ったって、十分写りますよ。
    ゆっくり楽しみながら覚えてください。
    今度、気に入ったのが撮れたら見せに来てくださいね。

  5. Mikio

    オリオリさん、コメントありがとうございました。
    そうですね。
    最終的には、センスですね。
    そしてこれが一番厄介な代物ですね。
    カメラはお金で買えるし、技術は人に教わることが出来ます。しかし、センスはお金では買えないし、人に教わることも出来ません。
    どうやって身に付けるかも、人それぞれですから。

  6. Mikio

    takさん、コメントありがとうございました。
    デジタルにはデジタルならではの得意技もあるので、ここは目的によって使い分けることが肝要かと思います。
    それより、私がちょっと危惧するのは、デジタルワールドでもあるバーチャルワールドに私たちが見ているのは、つまり近似値でしかないということです。
    情報は、デジタル化される時、核心は消えて無くなるしかないからです。

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