思い出話し・その1


この写真に写っているもの、お分かりになると思います。
もうかれこれ14年位も前、四男が9歳の頃に作ったものです。
何度見ても、思わず微笑んでしまいます。
直径が5円玉くらいでしょうか。
こんなものを、次から次へといくつも作って遊んでいました。
このヤカンは、後に妹たちが作った人形たちの家の道具の一つになり、今でもちゃんとして残っています。
ミニチュア作りは、子ども達が、中でも特に好き好んでやった遊びで、いくつか面白い話があるのです。

その一つ、バタと呼ばれる製材所で出る端材の薄板を使って、実物大の包丁を作るのに熱中してしていた時のことです。
男の子たち4人は、菜っ切り、出刃、牛刀、ぺティナイフ、そば切り包丁に至るまで、本当にリアルな木の包丁を何十本もこしらえて、刃物屋ごっこをしていました。
それもやがて、やるだけやって満足したのか、惜しげもなく大方風呂焚きにしてしまいました。
一本だけ、牛刀の形をしたのを捨てないで取っておいたのがあったのですが、ある時、客人が来て歓談している最中、何となく手持ち無沙汰にその包丁をもてあそんでいて、(客人には、ランプの灯りの下で見えていなかったのです。)それから何の考えもなく私は、子ども達に用事を言いつけざま、それを振りかざして合図を送ったのです。
包丁はすぐに手元に置いたのですが、一瞬それを本物の包丁と見間違えた客人は、顔色を変えて「青木さん!今の何だった?」と恐る恐る尋ねるので、そこでハッと私も気がついて、それを見せて差し上げて大笑いになったという顛末。

本当はその包丁の写真があれば良かったのですが、
写真、
撮ってませんでした。
肝心の包丁も、どこかに仕舞い込んであるらしいので、また別な機会に・・・。
ミニチュアの話しは、まだまだ尽きないのです。