サービス業の自覚

パン屋にしてもコーヒー屋にしても、パンを焼くことやコーヒーを焙煎すること自体はモノづくりであり、要求されるのは、つくるモノへのこだわりや向上心など、職人的気質だと思います。
ところが、それらをお客さまに買っていただく部分は、明らかにサービス業です。
モノづくりとは違うスタンスが要求されますね。
私なんかには、ここのところがとても悩ましい・・・。

人と話をするのは、どちらかと言うと好きですが、それは家族や友人たちとの気がねのないおしゃべりであって、初めてお目にかかる店のお客さまなんかだと、とても緊張してしまいます。
まあそれでも歳の功でしょうか、必要に迫られれば、それなりに応対しています。


それはそれとして、商売というのはたとえ製造業であっても、半分か時にはそれ以上の部分はサービス業なのですね。
昔なら、そこそこ人が来やすい場所にお店を出して、コツコツパンを焼いて並べていれば、近くの人が買いに来てそれでご飯が食べられたのだと思います。

それが現代は、情報もモノも広範囲に伝わり流通しますから、思いもかけないような遠くの業者に、突然脅かされるようなこともあり得るわけです。
今の世の中、自分の仕事をいつも外に向かってアピールし続けていないと、次々出て来る新しい情報に埋もれかき消されてしまいます。


食工房の場合、パン焼きやコーヒー焙煎のような本体と言える仕事と、ホームページの作成やブログ、広報やチラシなど印刷物の編集、ラベルのデザイン、パッケージに使うカードなどなど周辺の仕事との割合は、6対4くらいになっているのじゃないかと思います。
余計な仕事が多くて困ると考えるか、やり方次第で自分流の仕事へのスタンスを取れると考えるか、人それぞれだと思いますが、こんな商売向きでない場所で店をやろうとした私は、言うまでもなく後者です。
忙しくなるのは止むを得ませんね。


そして人付き合いは苦手でも、長い間には、私流の誠意を汲んでくださる方は必ずいらっしゃると思っています。
改めて、皆さまとのお付き合い、どうぞよろしくと申し上げます。