そば粉マフィン
こんな感じに焼き上がって、釜から出て来ます。
昨日、冬はパン屋にとってありがたい季節だと申し上げましたが、もう一つうれしいことがあったのを忘れていました。
それは、食工房だけの特殊事情かも知れません。
前にも申し上げたと思いますが、マフィンとスコーンの出来が良くなることです。
何故出来が良くなるか?それは、気温が低いと重曹の反応速度が遅くなって、成型充填のための時間に余裕が生まれるからです。
それで、昨日はぬくぬくと天国のような作業環境だと申し上げたばかりなのですが、今日マフィンとスコーンを焼くためには、出来るだけ寒い方が都合が良かったわけで、せっかく暖かい作業場の扉を開けて冷たい空気を入れて室温を下げながらやるという、矛盾したことをやっていました。
お察しの通り、パン焼きとスコーン焼きは、同じ日には出来ないということなのですね。
昨日はパン、今日はスコーン、明日はまたパンと、暖かかったり寒かったり、これが結構血管の鍛錬になっているかも知れません。
もう何度も、こうして冬を過ごして来ていますので、おかげさまで寒暖の差は大してストレスに感じません。
マフィンが上に向かって割れるのは、
焼き型に入っているから?それ以外
にもノウハウがあります。
カレンツとクルミ入りスコーン
バターではなく、植物油を使用。
プレーンスコーンより、幾分
膨らみが少なくなっています。
一個の例外もなく、全部こういう風に割れます。
何故真ん中あたりできれいに割れるか?それは、
物理学(熱伝導)の法則に則っているとだけ
申し上げておきます。
さてそういうわけで、今日のマフィンもスコーンも、同じことをやっているのにグンと出来が良くなっています。
つまり、よく膨らんできれいに割れるのですね。
マフィンは上が、スコーンは横が割れます。
このスコーンの横(腹)が割れるために、みなさんいろいろとご苦労されているみたいで、うまく行った方がノウハウを公開しているのを閲覧したことがあります。
生地をあまりこねてはいけないとか、生地を冷蔵庫で冷やしながら寝かせるとか、何度か折りたたんで延ばすとか、いろいろ人それぞれのノウハウがあるのですね。
なかなか面白かったです。
食工房のスコーンは、多くの方の工夫とはかなり逆のことをやっています。
第一、ベーキングパウダーではなく、重曹と酢を使いますからね。
よくこねていますし、寝かしてませんし、まああまり細かいノウハウは企業秘密ですが、腹が割れるかどうかは焼き方でほぼ決まっています。
多分、食工房のスコーンの食感は、他にあまり例がないのじゃないか思っています。
おかげさまでご好評いただき、食工房の売れ筋看板商品です。
これからますます寒くなるにつれ、いっそうスコーンがいい出来になります。
食工房では、冬はマフィンとスコーンの旬です。
ちなみに、冷えて袋に入れる頃には、割れ口は大分閉じてしまいます。
時間が経っても、上手に焼き戻す方法があります。ちゃんと上下に割れますのでご心配なく。
※マフィンとスコーンの上手な焼き戻し方は <こちら>