去年の宿題、今年の課題

去年の冬、近所の方に地元で採れたクルミと上手に造られた干し柿をいただき、何か出来ないかと持ちかけられました。
いくつか試作品を造ってみましたが、どれも今一つ納得が行かず、来年までの宿題となりました。
そして年が明けて、また新しいクルミと干し柿をお預かりしています。
今年の課題です。



西洋の菓子クルミのように、形を損なわずに取り出す
ことはとても難しく、かなり細かく割れてしまいます。


ちょっと話が横に行きますが、このあたりでは日本在来の鬼グルミや沢グルミが、自生あるいは植樹されたものもありますが、沢山生えているのです。
秋に落ちて来た実を、リスなどに持って行かれないうちにどんどん拾い集めて来て、土の中に埋めるなどして外皮と果肉を腐らせ、水で洗って乾かしておきます。
それを冬の間の手間仕事に、殻を割って中身を取り出します。
なかなか手間暇のかかる仕事で、とうてい経済的に報われる仕事にはなりませんが、何もしないよりいいからと、コツコツやっているうちに結構な量になるそうです。
輸入物の菓子クルミに比べて油脂分が多く、味も濃厚です。


 



細くすると折れやすいと判断し、太くて短いスタイルにしました。



食感が今一つ・・・、改良の余地あり。
塩味も足りず、次回はもう一工夫です。


今日は、そのクルミを使って、焼き菓子を試作しました。
焼き菓子と言うと、たいていスィーツと呼ばれる甘味品を思い浮かべますが、今回は全く趣向が違って塩味のビスケットです。
わらいごまやバタービスケットですでにおなじみの手法です。

今日のは、粉チーズとガーリックパウダーにブラックペパーも効かせて、スナック菓子のようなものをイメージしました。
ただし、市販品のようなアミノ酸添加物をどっさり入れて濃厚な味付けをした、怪しげなものではありません。

チーズは、純正なハードチーズであるエダムチーズを粉にしたものです。
ガーリックもブラックペパーも、粗挽きのものを使用。
油脂分は、菜種サラダ油。
とりあえず暫定的なレシピを決めて、試作してみました。

で、結果は・・・?
改良の余地はあるものの、何だかイケそうな予感です。
ビールのお供に良さそう・・・。


 



以前使っていたステンレス製の寸胴鍋は、
酵母の培養に使うようになりましたので、
専用の仕込みタンクを新調しました。


それではと、去年の秋に買い込んだまま手が出せなかったビールづくりの材料を出して来て、1タンク(15リットル)仕込みました。
モルトは、エドメ社製「エクストラ・スタウト」。
ギネスと同じ、ガッチリ濃厚な黒ビールです。
酵母は、添付されているイーストは止めて、我がパン種を使います。

私は、元々飲めない口ですが、酵母の取り扱いのトレーニングになりますので、酒造りも時々やるのです。
もし、お味見してみたい方がいらしたら、少しずつ差し上げられると思いますので、ご来店の時にお声をかけてください。
ただし、市販のビールを思い浮かべられると、ちよっと違いますので、そのおつもりで・・・。