息の長い仕事をしたいものです

IT社会の到来で、多くの情報が瞬時に広範囲に伝わります。
「どこにどんなお店が出来た。」という話題も、短時間のうちに多くの人の知るところとなります。
その結果、新しいお店には開業しばらくの間、お客さまが殺到します。
そしてずっと時間が経過して話題性が乏しくなる頃には、またどこかに新しいお店が出来て、人の興味も移って行きます。
その動きがあまりにも速くまた活発なので、商売をしている者はいつも目新しさを訴えようとします。
その必要に迫られているのです。


一方、仕事というものは定常状態に入ってからが本番です。
いい仕事と言うものは、じっくり構えてコツコツ磨いていくものですから。
お客さまの興味を繋ぎ止めるために新奇さばかりを追いかけていると、仕事の質は確実に落ちます。
一時的に良い結果が出たように見えても、長い間には必ずツケが回ってきます。


おかげさまで開業7年目に入った食工房、ありがたいことに多くの人に知られるところとなり、いつまでも新奇さに訴えることは出来れば避けたいと思っています。
やっとこれからが、仕事の質を磨いて行く本番だと思っていますから。
何年経っても、忘れられてもまた思い出していただけるような、息の長いそして良い仕事をしたいものだと、静かに心に誓っています。