ネット格差

インターネットの力は素晴らしいと思いますけど、情報をやり取りする通信速度の格差は、地域によって経済格差どころではない開きがあります。
世界中をつなぐインターネットの趣旨は、この日本でも地方の周辺地域に行けば、全く有名無実ということもそう珍しいことではありません。

私の住んでいる地域は現在ADSL回線で、通信速度は1.6MBPS(下り)程度となっています。
これは我が山都町ではまだいい方で、周辺ではISDN回線がやっとと言うところが沢山あります。
あるいはそれすら使えない地域もあります。

一方、町の中心部に行くと光回線が供用されていて、高速通信環境を利用出来ます。
距離にすると、わずかに数kmか、せいぜい十km超えくらいの範囲のことです。
他所の地域の事情を伺っても似たような所が沢山あり、すぐとなりの地区までADSLなのに、家はISDNも使えない環境だと不満を漏らす方に出会ったことがあります。


今あちこちで、地域ぐるみで光ケーブルを引くところが出て来ていますが、その費用の大半は行政の負担で出しているわけで、通信会社にとっては端から儲けにならない事業なのですね。


地方の過疎化が問題視され、地域の活性化が叫ばれ、定住者の移住を促進したい地方の寒村で、多分いちばんネックになるのがこの通信環境だと、いろいろな人の話を聞いていて分かります。


携帯電話事業も同様で、基地局の建設は行政の負担で行われています。
それでも、高速モバイル環境は全く見込みなしです。
まあそれはそれで電磁波公害のこともありますから、携帯基地局よりは光ケーブルの方がありがたいし、はるかに有益です。


通信環境が平等でない限り、いくら素晴らしいコンテンツを発信しても、受け取れないユーザーが少なからずいるわけで、数の論理で大都市にばかり恩恵の厚いこの社会の仕組みを、まず通信環境からどうにかしてもらいたいものだと思っています。