投稿者「mikio aoki」のアーカイブ

味は世界の共通語

「音楽は世界の共通語」とよく言いますが、味もやはり世界の共通語かなと思います。
甘酸辛苦鹹の五つの味を感じ取るのは、人類共通の感覚でしょう。
まあ、そんな理屈っぽい話はともかく、美味しいものを前にすれば、言葉の分らない人同士でも笑顔で頷き合えるというものです。
食工房のパンや焼き菓子は、概して外人さんにウケが良いのは以前からで、外国に行ったこともなければ英語もろくに喋れない私が造ったものでも、味覚ではちゃんと通じることがあって、うれしい驚きを味わうことが少なくありません。

今日は、デンマークの方が見えて、堅焼き黒パンやクリングラ、スコーンなどを買って行かれました。
実は、昨日も私が配達に出かけている間にお出でになって、プンパニッケルと堅焼き黒パンを買って行かれたそうで、二日続けてのご来店です。
お連れ合いが日本人で、ご本人も日本語がお上手でしたからお話しも通じましたが、食工房のパンを気に入っていただけたようで、とてもうれしく思いました。

少し前、ドイツの方が、プンパニッケルを買いに来られて、あいにく売り切れで、自家用に残しておいた半端サイズのものを差し上げるということがあったのですが、実はこの方が、今日ご来店くださった方に、おいしいパン屋があると教えてくださったのだそうです。

国や文化が違っても、同じものをおいしいと感じられればそれだけで、言葉が通じる以上の共感を味わうような気がします。
やっぱり、味は世界の共通語ですね。


  おしらせ
さていよいよ明日から、シュトレンを造ります。
材料の段取りを先ほど終えました。
みのりのパンは、当分の間お休みになります。
なお、シュトレンのご予約はお早めにどうぞ。
 シュトレン 1本 2,600円 1/2カット 1,500円
 ギフトパッケージは、プラス200円にて承ります。

おすすめブログ、2題

今日は、忙しく過ぎてくたびれましたので、おすすめのブログを2つご紹介して、格好つけさせていただきます。

まず一つ目は、「駅前糸脈」というタイトルのブログ。
この方は、ちょっと前に偶然の縁でコメントのやりとりをするようになった方です。
どうやら、どこかの町の病院の先生でいらっしゃるようです。
お立場上、我々一般人には見えない視点から人や社会をご覧になる機会があるからでしょうか、卓越した視点と鋭い考察、そしてヒューマニズムに満ちた言葉を選んで展開される文章は、どんなことを述べている時でも嫌味がありません。
では、<こちら>からお入りください。


二つ目は、「Today’s Crack ・今日の一撃」。
こちらは、私の古い友人takさんのブログで、すでに一度ならずご紹介しているので、固定ファンの方もいると思います。
本宅、「知のヴァーリトゥード」というホームページの中の一室です。
時事に関すること、ご本人の仕事に関すること、まずこの世にあること何でも、上手に掘り返して話題を提供してくれます。
少なからぬ世のブロガーたちの情報源として、存在価値を認められているのでは・・・。
何しろ、毎日1000を上下する訪問者の数が、それを物語っています。
過去に何度も、内容をパクられた経験もあるとか。
つい最近、4年目にしてアクセス100万ヒットを超えました。
<こちら>からどうぞ。

コーヒーの酸味


私がコーヒー焙煎を始めた頃、七輪に炭火、金ザルにシャモジという、原始的手法で炒った私のコーヒーを支持してくれた方がよく言っていたのは、「酸味のないコーヒーが好き。」という言葉でした。

確かに、私の焙煎したコーヒーは酸味が軽く、強いロースト香を放ち、とても個性的だったと今思います。
当時はそれなりにバランスの良い味だと思っていましたから、私自身が酸味が好きじゃなかったということになります。

酸味を敬遠すると、どうしても深炒りになります。
ロースト香は強くなりますが、味わいが平板な感じになります。
でもそれが、さっぱりした味で心地良いと感じていました。

しかし、コーヒーと関わって何年か過ぎるうちに気がついていましたが、コーヒーの味の中で、酸味はかなり重要な役どころを担っているのですね。
ある時業界の大先輩が、「昔はコーヒーが酸っぱかった。それが今になると懐かしい・・・」と語ってくれました。

そして最近また気がついたのですが、コーヒーの味の二大成分である苦みと酸味のうち、酸味はまろやかさや味わい深さを決定する重要な要素だということです。
考えてみると、コーヒーから完全に酸味を消してしまったら、多分、麦茶をうんと苦くしたような味になってしまいます。

そして不味いコーヒーの不味い所以は、大半、酸味の質によるのではないかと、考えるようになりました。
そして最近出合ったセラードコーヒーの中の、ワイン系と呼ばれる特徴的な酸味を持つコーヒーに接して、「酸味の心地良いコーヒーは、本当においしいコーヒー。」、この考えが間違いでないことを確めました。

今、コーヒーの酸味に対する認識を新たにして、今まで取り扱って来た銘柄を一つ一つストレートで味わい直しているところですが、それぞれ個性的でありながら、いずれもこの酸味の質の良さが幸いしていたようです。

ところで、ワイン系と呼ばれるコーヒーは、いわゆるワインのような味わいが特長とされ、酸味の心地良さは別格です。
今までにも、酸味の心地良さを認める銘柄はいくつかありましたが、セラードコーヒーの「カフェ・ヴィーニョ」(ヴィーニョは、まさしく「ワイン」の意)には、ちょっと驚かされました。

こういうコーヒーに出合うと、正直なところオーガニックでフェアトレードであっても、もう一方でコーヒーの風味という点での品質について、もっともっと勉強し追求してもらいたいと、多少の不満も感じてしまいます。

食工房テイストにも、新境地が開ける可能性を感じている昨今です。



  おしらせ
カフェ・ヴィーニョも、今度からメニューに加わります。
セラード カフェ・ヴィーニョ 100g 500円
☆只今、コーヒーのメニューパンフレットを更新中です。
もうしばらくお待ちください。

企業倫理を勘違いしてはいけない

企業の目的は利潤追求だと、誰もがそう言いますが、
私はそれは違うと言いたいのです。
企業の本義は、あくまでも社会貢献であって、その結果としてそれに見合った利潤が上がる、というのが本筋だと思います。

「受け取りたければ、与えなさい。」という金言があるのですが、これは人間社会の基本ルールだと思います。
利潤追求を第一義にすると、そのための手段を考えるようになり、時に社会貢献に反する道を歩んでしまうことは、今までにも多くの例が物語っています。

ところで一口に企業と言っても、社員何万人の大企業もあれば、自分一人でやっている個人企業まで、規模も形態もいろいろですが、社会貢献が本義であることには変わりはないと思います。

この時代、一個人でも億単位のお金のことを口にする人がいて、私などは驚きます。
若いうちに働けるだけ働いて、一億円蓄えたら退職して起業するとか、年商数億円のビジネスモデルを提案して資金を集め、大成功を目論む人がいたりして、そんなことが頭に浮かんだこともない私などは、ただ呆気にとられて「ごくろうさま!」というしかありません。

こうした方々が、一体どの程度に社会貢献と利潤追求のバランスを考えているのか、全く見当がつきませんが、この競争社会で勝者となるには、それなりにエグいこともするということでしょうか。
そこには自分も含めて、働く喜びや人の心の安寧があるでしょうか。
今の社会の流れは、そこから遠く隔たっているような気がします。
そしてその中で成功したいと願うことは、例えばそれは、回り回ってどこか遠くの国で起こっている戦争を喜ぶことと同じだと、私は思います。

今、こんな諺があったのを思い出します。
「悪い種からは悪い実しか成らない。そして悪い種ほど速く育つ。」
善いことが成るには時間がかかる。

さてさて私のパン屋稼業も、最後にどんなことになるのか想像も付きませんが、一生かかってやり切れなかったことは、またもう一度生まれ変わって来て、似たようなことをするのだろうなと思っています。

風邪・警戒警報

寒くなって来ましたね。
風邪を引く人が多くなっているようです。
先日お邪魔したお宅では、風邪引きさんが3人もいて30分ほどで帰ってきましたが、それでも用心に越したことはないと手洗いうがいに念を入れ、早めに就寝しました。
でも、やはり感染は免れなかったようで、その後ずっと微妙な状態が続いています。
今日で6日目です。
何というか、悪くなる一歩手前でせめぎあっている感じです。
早く学習して、免疫を獲得してくれないものかと、体調維持に気を配っています。
いわゆる、鼻水が出たり咳が出たり頭痛がしたりはありませんが、何か今一つ神経が集中しないのです。
おかげで、計量ミスをやりそうになったり、手順を間違えそうになったり、一歩手前で踏み止まったから良かったものの、すっかり疲れてしまいました。
明日は定休日なので、畑で大根を抜いたりして気分を変えようと思っています。
その方が、かえって風邪っ気を吹き飛ばせるような気がします。
これからしばらく続くかき入れ時、風邪には特別用心していなくてはなりません。
我が家では、まさに警戒警報発令中です。
皆さまも、どうぞくれぐれも風邪にご用心ください。


追加更新
連れ合いのブログ、「ドコノモリ」に新しい絵と詩がアップされました。
<こちら>からお入りください。

アメリカは変われるだろうか?

もう皆さん先刻ご承知のとおり、アメリカの新しい大統領が決まりました。
アメリカ史上初の、黒人の大統領。
しかも、今までのブッシュ大統領とは対照的なリベラル派の新大統領は、「みんなでアメリカを変えよう!」と呼びかけました。
ブッシュ政権の終了を、世界は一様に評価し歓迎しているようです。
アメリカが変わるそして世界が変わると、期待がみなぎっている様子が、メディアや個人のブログなどから伝わって来ます。

そこで私はずっと思っているのですが、本当にアメリカは変わるだろうか、否、変われるだろうかと。

多くの人が期待しているのは、今のアメリカがとっている強い覇権主義が終わって、例えばイラクやアフガニスタンの戦争が終わって、少しでも世界が平和になることだろうと思います。
あるいは、世界中に広がってしまった格差が幾分なりとも是正され、貧しい国の人たちもそれなりに幸せに暮らせるようになることでしょうか。
いずれにせよ、いかにアメリカが世界に及ぼす影響力が大きいと言っても、大統領が変わっただけですぐに何もかも一気に結論が出るわけはありませんね。
それよりも、世界中の権益を手に入れ世界一裕福な国アメリカも、中身は世界一格差の大きい国でもあり、巨万の富と世界への影響力を持っているのは、一部の人たちです。
アメリカが変わると言うことは、実はこの人たちが変わるということに尽きるわけですが、果たしてどうなのでしょう。
選挙で選ばれた国民の総意としての立場の新大統領は、アメリカを動かしている「力」とある意味対決しなくてはならないでしょう。

そんな折に、大変意地の悪い穿った見解で恐縮ですが、私は、ヤツラはもうとっくにレールを敷いてしまったと思っているのです。
世界はもはや彼らの劇場であり、どこで誰を生かし誰を殺すか、その配役も筋書きも思い通りに決めるのです。
今までの世界の歴史を振り返る時、もっとそのことに気がついても良かったんじゃないかと、私は思います。

これから先20年あるいは30年間、アメリカと言う国もそして世界も、激動するに違いないと思います。
本当にいろいろなことが起こるでしょう。
私たちの国日本も、その激動の渦の中に巻き込まれて行くに違いありません。
アメリカは変わるのじゃなくて壊れるのではないか?その感を強くする私です。


  食工房からおしらせ
今週末(11月15日・土)から、シュトレンの製造にかかります。
今週は、木曜日・カネリプッラの製造のみで、クリングラはお休みです。
みのりのパンもお休みになります。
☆シュトレンのご予約を受付中です

造っていくら、の商売です。

とにかく造らなければ売り上げにならない、製造業の宿命です。
こんなことはとっくに分っていたはずですが、今日も改めてそのことを思いました。
例えば一週間かかって造った製品を数えれば、どう頑張ってもそれ以上の売り上げになることはありませんね。
そして自分の能力でどれくらい造れるか、これもやってみれば自ずと判明することですから、そうすると自分が稼げるのは幾らと、はっきり数字が出てしまうわけです。
しかもそれは、一個残らず全て売り切っての話しです。
こんな計算を始めると、とてもじゃありませんがやっていられるような商売ではありません。
それでも止めずに続けようと思うのには、いくつか理由があります。
先ず一つは、そういう成り行きに導かれて辿り着いて、もうそれしかないから。
そして、数字に出ない部分でいろいろとご利益があるから。
最後にやっぱり、モノをつくるのが好き。
これに尽きますね。
自分の焼いたパンを、自分が一番気に入って食っているパン屋ですから。
それはさておき、今日はちょっと単価を上げようと、パン焼きのあともう一分張りして、ブラウニーを2枚(40個分)焼きました。
でも、明日は息が切れそうです。

BOURBON POINTU

コーヒー通信臨時号


 今日はまた、飛び切りの話しのネタをいただきました。




BOURBON POINTU /ブルボン・ポアントゥ




コーヒー通の方ならご存知でしょうか?
と言う私は、正直今日まで知りませんでした。
ご常連のお客さまが、この珍しいコーヒーをおすそ分けしてくださったとのこと。
ちょうど私は、配達に出て留守をしていましたので、直接詳しいお話を伺うことが出来ませんでした。

夜になって、ちょっと味見してみようかということになり、食工房で先日売り出したばかりのブルボン・クラシコと飲み比べと相成りました。

初めに、その話題の主のポアントゥを飲んでみたところ、基本はブルボン種そのものの味なのですが、ググッと来る苦みの次に何とも言えないいい香りがするではありませんか。
何かの花の香りのようでもあり、少し重みのある芳香です。
うーむ、これはすごい!

そして、ブルボン・クラシコです。
こちらは、連れ合いが淹れたのですが、濃さが全然違ってしまい、単純な比較が出来ませんでした。
でも基本的な味は同じで、全く遜色ありません。
気になるあの芳香は、ちょっと判別出来ませんでした。
あとはこれが、「一体、おいくらで?」と気になり、<こちら>で調べたところ、
何と100g7,350円!!!
※このコーヒーの詳しいプロフィールについては、<こちら>をご覧ください。

いやはや、恐れ多いものをいただいたのでした。
そうとも知らず、軽々とテイスティングしてしまって、でも先入観がなかったので、かえって良かったのかも知れません。

どの道、超希少品のこのコーヒーを、毎日飲める人なんているわけがありませんから、現実的に考えれば、ブルボン・クラシコは非常に満足度の高いコーヒーだということになりますね。
こちらは、100g500円ですよ!
さてさて、このコーヒーを届けてくださったmayさん、今日はありがとうございました。
今度いらした時に、ブルボン・クラシコともう一つ取って置きの豆(やはりブルボン種)を差し上げましょう。

今月のカフェクラブ(11月30日)では、新銘柄飲み比べということになりそうですね

スタッフ、欲しいところですが・・・

いずれは家族以外に人を雇って、スタッフを確保したいと思っていますが、なかなか決心がつきません。
手が回らないほど忙しくて、売り上げが伸びている時は気持ちが前向きますが、やっぱり波があります。
それに、家族内労働では気にしなくていいことも、外部の人を入れるとなると、配慮しなくてはならないことが沢山ありそうですし・・・。
要するに慣れてないのです。
人を雇ったことなんかありませんから。
と言うより、本当はそれどころじゃありません。
喰うだけで精一杯で、自分の給料も家族の給料も出せてませんしね。
つくづく、事業家向きじゃないということを思い知る私です。
でも、自分の仕事に誇りと喜びを感じていることは、人一倍と思っています。
ひょっとするとそれが一番のご褒美かも知れません。
家族がどう思っているか、それが問題ですが・・・。
何はともあれ、今日のパンの出来はとても良かったです。

セラードコーヒー、販売開始


すでに何度かご紹介申し上げているセラードコーヒーを、いよいよ売り出します。
今回、テイスティングしたのは4銘柄、いずれも秀逸で全て取り扱いたいと思いましたが、在庫するのが大変ですし、まだそれだけ品物を回転させる自信もありませんので、とりあえず2銘柄を選びました。
セラードコーヒーのプロフィールについては、<こちら>をご覧ください。


  セラード 樹上完熟・晩秋摘み(プレミアムグレード)
品種は、ムンドノーボあるいはカツアイ。
樹上で完熟させてから収穫し、水に入れて比重選別した後、自然乾燥法(ナチュラル)で脱果精製し、その後乾燥機で仕上げ乾燥をします。
粒が大きく、芳醇な香りと甘みがあります。
酸味もフルーティーで爽やか。
食工房テイストのブレンドベースとして、最適なキャラクターです。

 ミディアムロースト 450円/100g 1kg以上、割引きあり

食工房カフェブレンド・№1 と カフェ・マヤ ブレンドの2つが、今後、セラードベースになります。


  セラード ブルボン・クラシコ(スペシャルティグレード)
味の良さで定評のあるブルボン種限定品。
コーヒーのコシヒカリ的存在とも言える古典的品種(だからクラシコ)です。
ストレートで飲んでみたい銘柄としておすすめ。

 ミディアムロースト 500円/100g 1kg以上、割引きあり 

ご要望いただければ、ブルボン・クラシコを使ったブレンドも承ります。
☆価格は、使用する他の銘柄の割合によって変わります。


なお、オーガニック・フェアトレード品としてすでに定番の「ジョアキン」も、今まで通り取り扱っています。
「食工房おいしいブレンド」のベースは、ジョアキンを使用しています。