投稿者「mikio aoki」のアーカイブ

涼しさ通りこして、寒さを感じ・・・。

昨日からグンと気温が下がっています。
今日は雨模様で、一段と冷え冷えとしています。
この分では、飯豊の山上は雪になるでしょうと、常連の登山家の方のお話し。
おかげで食工房の作業場も、オーブンの余熱が心地良いくらいです。

当然、酵母の活動にも影響があります。
夏の間、醗酵が進み過ぎるのを抑えるために、あれこれ苦労していましたが、少し気温が下がっただけで、もうその必要はなくなりました。
作業手順も、パン生地の醗酵の速さに追い立てられることもなく、過醗酵で生地が弾力を失う心配もなく、ずい分気が楽でした。
きっと皆さまも、真夏の頃とパンの風味が違って来たのがお分かりになると思います。

ところでここ何回か、山の水を汲んで来てパンの仕込にも使っているのですが、明らかに醗酵の活力が強くなっています。
風味も少し変わったようです。
これから先、気温が低くなって来るにつれ、真価が分かるのではないかと思っています。
あと、プンパニッケル用に培養している、ザワータイク(ライ麦全粒粉100%に酵母とヨーグルトを入れて醗酵させている。)が、今日は素晴らしい香りを放っていました。
昨日、出来たばかりの自家製ヨーグルトを入れておいたのです。
これほど効き目があるとは思いませんでした。
チーズと一緒に食べるプンパニッケル、あとはほんの少し赤ワインがあれば最高。
これからの季節、プンパニッケルなど黒パン系が美味しくなります。

コーヒーブレイクのススメ


                                                                          Machiko



近頃、どの方面に伺っても、お休みも取れずに仕事に追われているという話が聞こえてきます。
食工房でも、定休日を二日いただいていますが、内一日は店は休みでも中で仕事をしています。
最近は、営業日よりもかえって忙しいほどです。
そして、残りの一日も休日返上しなくてはならないことが、この頃時々あります。
いくら納得してやっている自営業でも、一週間に一日くらいきっちりと休みを取らないと、さすがにストレスが溜まります。

ところで世の中には、私など到底及びもつかないくらいハードスケジュールで働いている人がいくらでもいらして、そんな話を聞く度に、それだけの体力と気力があるのをうらやましく思う一方、病気をしなければいいが、事故にあったりしなければいいがと心配にもなります。
実際、そうやって強制的に休まざるを得ない状況になった話も、沢山耳にしていますから。

しかしそれにしても、いくら忙しく働いても働いても、なかなか間に合って行かない生活、未来に安心を蓄えることが出来ない状況、これって一体何なんでしょうね。
まあ、そんな話はまた別なところで展開することとして、やはり休息は大切にしたいと改めて思いますし、皆さまにもそう申し上げたいのです。
「休息は時に、何かを成し遂げることよりもずっと大切。」とは、昨年私が自分のブログの中に書き残した言葉ですが、今改めてこの言葉を自分自身で噛みしめています。

ところで、休息の場に一杯のコーヒーがあることが、何より幸せと思うことがあります。
前にも書きましたが、コーヒーの香りには何か特別な素晴らしい精神的効用があるみたいですね。
私が焙煎したコーヒーも、どこかでそんなことのお役に立っているのだとしたら、こんなうれしいことはありません。
そう思いながら今日も一日、ご注文に促されてコーヒー焙煎に精を出していました。
昨年の私の記事<こちら>もご覧いただければ幸いです。

ささやかな幸せ


今日は、店の前の道路沿いの空き地の草刈りをしました。
そこは、この家と一緒に借りている場所ですが、年に二度くらいは草刈りをします。
今年は、二度目の草刈りが遅れて大薮になってしまい、ずっと気にしていました。
今日はやっと時間が空いて、2時間くらい作業することが出来ましたが、あと少しというところで草刈り機の燃料が無くなり、終了となりました。
でも、道路沿いの部分はきれいに掃除もして、すっきりと見た目も良くなりました。
それを眺めていたら、何かしみじみと幸せな気分になりました。

こういうことに割く時間があったことの幸せ。
体が動くことの幸せ。
周りがきれいになったことの幸せ。
これで十分と思いましたね。

それで、草刈りしていて気がついたのですが、草茫々にしておくと、空き缶やペットボトルなどが投げ捨てられるのですね。
今日も、2、3個見つけました。
捨てる人がいるんですね・・・。
それだけがちょっと残念でした。

  おしらせ
今週は、木曜日・カネリプッラ、土曜日・クリングラです。
みのりのパンは、土曜日に焼きます。
日曜日は、「カフェクラブの集い」を開催予定です。
時間は、午後2時より。 参加費1000円です。
参加者募集中。 

時事雑感

最近、気の重くなるような嫌な事件が続きます。
昨日、今日のニュースでも、幼い子どもが犠牲になった事件のことが報じられています。
九州の事件では、母親が犯人として逮捕され、世の中はすっかり言葉を失ってしまったかのようです。
これが、ただ単純に当の母親を責めればいいと言うような問題ではないことは、もう誰にでも分かることじゃないかと思います。
一体どうしたと言うのでしょう。
いつの頃からか私たちの社会は、何かとても大切なものを見失ってしまったように思います。
そして、どこかとても恐ろしいところに向かって、落ち続けているような気がします。
折りしも明日は、お彼岸の中日なんですね。
いろいろなことを思って・・・、あとが続けられません。

オーディオ、今昔






この2枚の写真を見て、使っている球と
回路設計に察しがつく方は、相当なマニアです。


音楽好きの私にとって、音源を再生するためのオーディオ機器は必需品です。
思い返せば、中学生の頃にラジオいじりから始まって、その後オーディオに傾倒した私は、友達に頼まれて作った分も合わせて15~16台くらい、真空管のオーディオアンプを製作した覚えがあります。
今は、手元に最後に作った1台がありますが、残念ながら使用していません。
今日ふと思い出して、写真を撮っておこうと引っ張り出して来て開けて見たら、37年前の苦心の跡に思わずニヤリとしてしまいました。
今後再び、このアンプで音楽を鳴らすことがあるかどうか分かりませんが、昔はこんな仕掛けで音を出していたのですね。
まあ昔の話はそのくらいにして・・・。

最近のニュース記事で見かけましたが、今家庭で音楽を聴くためのオーディオ機器の主流は、パソコンだとか!?
確かに、合理的ですねェ。
私だってメインではありませんが、パソコンにCD200枚分くらいの音楽ファイルを入れて、作業しながら聴いたりしていますから。
スピーカーだけ少しいいのにすれば、音質だって上等です。

話しが少し戻りますが、以前の私は、オーディオは絶対アナログに限るとこだわっていたのです。
そして、再生装置も真空管アンプ至上主義。
音源が次々とCD化して行くのを散々にこき下ろして、CDは買うまいと誓ってターンテーブルを回し続けていました。
でもそのうちに、大好きな音楽がCDでしか聴けない状況になって来ました。
また一方で、コンサートの音響を担当したり、録音に立ち会ったりする機会があり、生演奏がどのようにして録音され、編集加工されて音源として発表されるかを知り、生演奏のパフォーマンスにも度々触れるうちに、もう昔のこだわりはどうでも良くなっていました。

それに聴くばかりでは、音楽の楽しみの半分も味わっていませんからね。
下手でも何でも、自分で歌ったり演奏することを忘れたくないですね。
楽器を奏でることは、神さまが人間だけに与えた恩恵なんだそうですから・・・。

お客さまが来なくても忙しい一日

今日はまた週末だと言うのに、開店直後にお一人、閉店少し前にお一人お見えになっただけで、店先は全く静かな一日でした。
売り上げももちろん・・・。
でも中では一日中、パン焼きやお菓子づくりの支度で忙しくしていました。
造っているということは、売れてなくなったから、あるいは注文が入っている、のどちらかなのですから、実は大変結構なことなのです。
ところが商売初心者の頃は、その日にお客さまの出足が悪いと、何となく不安になって落ち着いて仕事に集中出来なかったりしたものです。
翌日は、仕事への意欲が湧かなかったり・・・。
店に来るお客さまの数なんてものは、本当に波があって、まるで何か申し合わせでもあるかのようにピッタリとお一人も見えないなんてことがあるかと思うと、今日は一体何の日?と思うくらい沢山いらっしゃることもあります。
ですから、最初からそういうものだと思って、一ヶ月とか一年間というような長い時間の中で見ていないと、お客さまの数は判断出来ないわけです。
大事なことは、毎日の細々した状況に左右されて、仕事への意欲に波が生じないようにすることです。
これがなかなか難しかったですね。
5年やってやっと、状況に一々一喜一憂しないで、コンスタントに仕事が出来るようになりました。
「商いは、『飽きない。』」と言われるそうですが、まさに自営業の極意ですね。
さて、明日はどんなことに・・・?
作業の方は、目一杯の予定です。

木に癒される


ウリハダカエデの紅葉
素敵な音楽と一緒にどうぞ・・・。<こちら>


私にとって、山に住んでいて何がいいかと言うその一番は、木に癒されることです。
今住んでいる場所も、ほどほどに山の中と言う感じで悪くありませんが、以前山暮らしをしていた場所は、どちらかと言うと「鳥と獣の領域」と呼ぶのがふさわしいようなところでした。
その分、まわりの自然のエネルギーが直に伝わって来て、なかなか得難い経験をしたと思っています。

それはもう、実に沢山の種類の木や草花と触れ合いましたが、中でも特に好きだった木の一つは「ウリハダカエデ」。
あちらでは、家のまわりのそこら中どこにでも生えていて、実生もいっぱい目にしていました。
木肌が瓜のように、緑色に黒い縞模様が入っていて、中は年輪のない白っぽい木質で、薪にして燃やすととんでもない汗臭い臭いが鼻を突くのですが、紅葉がとても優しく美しいことは他に比類がありません。

こちらに来てからは、ほとんど見かけることがなくて寂しい思いをしていましたが、二年ほど前、飯豊の登山口から少し山に入ったあたりで久しぶりに見かけた時は、旧友に会った時のように胸が熱くなり、思わず木肌を撫でていました。

このところずっと忙しくて疲れ気味ですけど、こんなことを思い出すだけでも、少し元気になれるような気がして来るのです。
木と気心を通わせた記憶は、どこにいてもどんな時でも、自分の心を癒してくれるのですね。
また山に行って来ようと思っています。

競争社会に物申す。

このところ世の中を騒がせているのが、汚染事故米の不正転売事件です。
かの三笠フーズのやり口は、心底悪質だと思いますが、こんな業者が出て来る体質というか背景は、この国全体にあると私は思います。
あれだけのことをしてバレないと思っていたとしたら、それはよほどの愚か者ですが、案外そこまで油断していられるほど、業界全体が汚い体質だということでしょうか?
そう、政界も巻き込んで・・・。
そして、中身のことも造り手のことも考えず、ただ安値ばかりを歓迎する消費者の側にも、責任の一端があると思います。
ものごとを競争原理に委ねることは、良い結果を生まないことの方がむしろ多いと、私は、ずっとそう思って来ましたが、こうした事件がいつまでもなくならないどころか、ますます多く、悪質になって行く状況に触れると、まさに、勝つために手段は選ばない!生き残るためには何でもするさ!という感覚が、この日本の社会全体に染み渡ってきた証拠じゃないかと思いますね。
悪だくみをしてボロ儲けする者がいれば、それをネタに脅して金を巻き上げたり、わざとバラして潰しにかかったり、そうやって醜い争いで潰し合って競争相手が減るのを、余裕で高みの見物をしている、更に長けた者がいたりするのでしょうね。
パン屋の業界がどんなだか知りませんが、食工房なんかとっくに土俵の外ですから、全く関係ありません。
食品の信頼が揺らぎ続ける今、正直な業者まで疑われて迷惑だという論調もありますが、私などはどうぞご勝手に!と思っています。
正直の上に「バカ」を付けてもらって結構!
この時代には、それが勲章みたいなものだと思っています。

イベント出店



食工房も出店いたします。


6/18の記事<参照>でもちよっと触れましたが、イベント会場でカフェをやることは、いろいろと普段得られない刺激があってなかなか面白いものです。

先月、「平和まつり」に出店した時のことはすでにご報告しましたが<参照>、来る10月5日にまた会津若松市内にて、国際交流フェスティバルに出店します。
世界の食べ物がいろいろあるといいということで、食工房からは、カネリプッラ(フィンランド)、クリングラ(スウェーデン)、スコーン(イギリス)、黒パン(ドイツ)、そしてコーヒー(ブラジル・ペルー・グァテマラ)を出品します。
もっとも、食工房のそれらは、それぞれの国のオリジナルに忠実なレシピというわけではありませんので、逆に、会津に在住の外国人の方々に召し上がっていただいて、率直なご感想を仰ぐチャンスだと思って楽しみにしています。


それにしても、食工房のような製造販売業は、造る仕事ばかり熱心にやっていても売り上げは上がりません。
そうかと言って、営業活動を熱心にやれば販路は開けるかも知れませんが、そうすると品物が間に合わなくなります。
両方がバランス良く進んで、売り上げが伸びて行くのが理想ですが、そう上手くは行かないのがいつも悩みのタネです。

おかげさまでと言ったら良いのでしょうか、食工房はこのところイベントに誘われる機会が増えています。
こんな時こそどんどん出店して、顔を広げたいところですが、それではもう確実に製造が間に合いません。

そろそろ先の事を考えなくてはならない時が来たのかなと思っています。
ちょうど、間もなく滑走路が切れる手前で離陸直前の飛行機みたいに・・・。
いやはや、これが10年前なら良かったのにと思っても、仕方ないですね。

とにかくも、当日のご来場を心よりお待ち申し上げます。
なお、会津若松市国際交流協会のホームページがありますので、詳細なことについては<こちら>をご覧ください。

お空眺めのススメ


イラスト・Machiko


日が短くなり、空気も澄んで、空には星の数が増える秋の夜。
たまにはお空眺めなどいかがですか。
つい先日は中秋の名月でしたから、夜空を見上げた方も多かったと思いますが、これから一晩毎に月が欠けて夜空が暗さを増すに連れ、星の数が増えて行きます。
街明かりで星も見えない大都会の方にはお気の毒ですが、それでもちょっと街の外に出れば、意外なくらい星が見えることでしょう。

以前山暮らしをしていた場所では、秋の夜の星空のドラマチックなことは、例えようもないほどでした。
懐中電灯の明かりを空に向けると、一本の光の筋になって空の向うの星まで届きます。
そうやってあっちの星、こっちの星を指して、子ども達に星座の見方を教えたものです。

今頃は早い時間には、ヴェガ、アルタイル、デネブが形作る夏の大三角形が中天にかかり、夏の星座が空を支配しています。
よく見ると西の空には、とっくに過ぎてしまった春の空に輝いていた星々が、山の端に沈もうとしています。
振り返ると東の空には、これから主役になる秋の星座達が控えています。
北の空にはカシオペヤが高度を増し、東中央にはペガスス・アンドロメダが連なって大四角形を形作っています。
その下には、プレアデス星団(すばる)の星の固まりも・・・。
山暮らしの頃は、もう当たり前のようにアンドロメダ星雲も肉眼で見えていましたが、ここではちょっと微妙です。
それに私も、すっかり老眼になってしまいましたし。

でも、そんなお空眺めの楽しみを倍増してくれる小道具があります。双眼鏡です。
対物口径は大きく、倍率は低い方が星空観察用には向いています。
50mm/7~10倍の双眼鏡で眺める星空は、星の数が一挙に数百倍になって、まるで宇宙船に乗って宇宙空間に飛び出したように、心を奪われてしまいます。
かのアンドロメダ星雲も、息を呑むほどダイナミックに見えます。

外にいても、まだ寒さを感じるほどではない今頃、一晩星を眺めて過ごしたいと思っている私です。

  追加更新

    食工房よりおしらせ
今週は、木曜日・クリングラ、土曜日・カネリプッラです。

  食工房ホームページより・・・
雑貨の部屋に、Blue Lace 秋物新作の写真入り記事をアップしました。
<こちら>からご覧いただけます。