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小春日和


ちょっと時期的には冬に入ってしまっていますが、今日は朝からポワーッと暖かく、空には雲もなく「小春日和」、こちらの方言では「いいアンバイ」の一日でした。
ちなみに「小春日和」とは、秋が終わり冬を迎える前の束の間におとずれる、穏やかな晴天のことを言います。
西洋では、「インディアン・サマー」と言うそうです。
とは言え店の前には、先日降って屋根から落ちた雪が残っています。
その一方で今朝の空気は、本物の春がやってくる時の匂いがしていました。
何だか気候が入り乱れて、変な感じと言えなくもありません。
今日は昨日と違って、お客様は間をおいて一人二人という感じで、静かに過ぎて行きました。
「カフェクラブの集い」は、若干お一人のご参加でしたが、その分集中的にいろいろなブレンドを試していただき、あたらしいテイストを発見したり、有意義なひと時になりました。

  作品展終了御礼
会津若松市内のギャラリー「和」にて、20日から今日まで開催の「ハンドワーク・森の風」会津で暮らす仲間たちの作品展は、おかげさまで無事終了いたしました。
沢山の方にご来場いただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

一夜明ければ銀世界・会津雪便り



昨日の午後から断続的に降った雪、今朝の店の前の様子です。
この一降りで、もうすっかり覚悟が決まって、頭も体も対応しているから不思議です。
雪は、降って来る直前は、何となく心細い感じがするのですが、積もってあたりが真っ白になると、何だかにぎやかな心踊る感じになるのです。
今日は忙しい一日でしたが、とても気分良く仕事をしました。
そして明るいうちに配達に出て、新しいタイヤの走り心地を試したかったのですが、夕方までに道路の雪は消えてしまい、凍結もしていませんでしたので、普段どおり走れて拍子抜けしてしまいました。
冬支度が遅れた方は、この雪の思いがけない速攻に焦ったみたいですが、聞いた話では、昔は雪の降り出しはもっとずっと早くて、10月に稲刈りが終わる前に稲穂の上にどっかと雪が積もって、大弱りしたこともあるそうです。
ちょっと想像しただけでも、これはいかにも骨の折れそうな難儀ですね。




そして今は、採る人もない柿の木がそこらじゅうにあって、鈴なりの柿の実の上に雪が乗っています。
でもこれは、見ている分には綺麗だし、何か可愛いなと思います。

明日は、勤労感謝の日。
ここの集落では「収穫祭」があり、集会所で盛大に宴会をやることになっています。
本来、何をしている人も仕事を休む日のはずなんですが、注文を沢山抱えて尻に火がついている状況なので、私も家族も休みが取れません。
バザーをやるそうなので、パンと焼き菓子を寄付してくるのだけは、何とかして果そうと思っています。

モミの木


   山のクリスマス



山暮らしをしていた時、家のまわりの山に自生している木々の中で、針葉樹と言えばモミでした。
杉やヒノキは整然と植林されて固まっていますが、モミはあちこちに点在するように大木が育ち、あたりには幼木が沢山生えていました。
広葉樹は、どれも下のほうから枝分かれして、樹形は大きく広がっていますが、モミは幼木の時からどこまでも真っ直ぐ上に向かって伸びて行きます。
幾何学的な枝や葉の付き方に、私はいつも、目に見えざる者の意志を感じていました。
私はこのモミの木が大好きで、よく写真を撮っていました。
幹の直径が1.5m以上もありそうな大木があり、その下のあちこちにつま楊枝よりもずっと細い実生が育っている風景は、その場にいるだけで胸が熱くなります。
そしてクリスマスの頃初雪が降り、翌朝、裏山に行って見るとご覧のとおり・・・、こんなに気のきいたプレゼントはありませんね。
我が家で一度だけですが、裏山からモミの幼木を根ごと掘り出して家の中に仮植し、クリスマスの飾り付けをしたことがあります。
終わったあとは、また裏山に植えなおしましたが、ちゃんと元通り根付きました。
こちらに来てからは、標高が低いからでしょうか、あたりにはモミの木は見られません。
それだけが、ちょっと寂しい私です。

イギリスの古いキャロル




クリスマスは、日本では商業イベントの色合いが濃くて、私などは嫌気がさします。
というのも、私の両親は田舎では珍しい敬虔なクリスチャンで、私が子どもの頃、クリスマスを待つこの時期は、「待降節」と言って、いつもより質素な暮らしを心がけ、肉食を控え、何か一つでも自分に犠牲を課す習慣でした。
そうやってキリストの降誕を待つ約4週間を過ごすので、楽しみに待つ気持はあっても、浮かれ騒ぐという感じではありません。
そして、キリスト教に関係ない人々は、クリスマスイブの24日に大騒ぎしていますが、これも私には妙な感じがしていました。
とまあ、そんなことを言って、楽しい気分に水を注そうというのではありません。

ところでクリスマスと言えば、「ジングルベル」「諸人こぞりて」など、クリスマスを象徴する音楽が街中に流れます。
クリスマスキャロルというのは、クリスマスの時期に歌われたり演奏されたりする、歌や楽曲のことですが、イギリスに伝わる古いキャロルを、古楽器を使って演奏したアルバムがあって、この時期私はそれを愛聴しています。
とても素敵なので、皆さまにもご紹介したいと思います。
店でも時々流しています。

  「イギリスの古いキャロル」 歌と演奏 アンサンブル・エクレジア

このCDは、宗教法人「女子パウロ会」というところで出していますので、ここのWebサイトからネット購入可能です。
☆購入サイトへのリンクは<こちら> 試聴可
この他、北欧にも素敵なクリスマスの音楽が沢山あってご紹介したいのですが、それはまたべつな機会に・・・。

冬こそ会津へ

以前、会津出身の方から、「冬の会津へ、ぜひいらっしゃい。冬の会津は、またいいですよ。」と勧められたことがあります。
実際に会津に暮すようになって、初めての冬を迎えた時、その意味が分かりました。
雪とのつきあいの大変さは、地元の人なら誰でも知っていますし、私もその苦労を味わいましたから、今さら何も申しません。
それより、雪は美しいです。そして静かです。
冬の会津にいらっしゃるなら、一つだけ条件があります。
それは、時間を忘れても良いよう、準備して来ることです。
そして何も持たずにいらしてください。
一日でも、二日でも、それはもう最上の癒しを味わえるはずです。

お知らせ3件
「ハンドワーク 森の風」
会津で暮らす仲間たちの作品展

ハンドワーク森の風

画像クリックで拡大表示します。

☆場所のご案内は<こちら>

「高野茶屋 カフェクラブの集い」
11月25日(日) 午後2時から、終了随時
参加費 1,000円

今回は、「抽出の仕方でこんなに変わるコーヒーの味」と題して、プロとしても通用する、ペーパードリップの使いこなしを学びます。
シュトレン、ブラウニーなど、食工房こだわりの焼き菓子も召し上がっていただきます。

「雪の日ご来店、ポイント2倍サービス!」

雪の降った日にご来店いただくと、通常お買い上げ500円毎に1点差し上げているポイントカードの点数を、2倍の250円毎に1点差し上げます。
うまくいけば、アッという間に満点になりますよ!

本日の食工房

冷たい雨が降る中、次々とお客さまがあり、本当にありがたいことです。
昨日は、お天気が良かったのに、ご来店はお一人だけ。
こんなこともあるのですね・・・。
さて、シュトレンづくりに精力をとられ、またしてもクッキー類の棚がガラガラになってしまいました。
申しわけありませんが、年内は、全品揃うことは望み薄です。
この場を借りておわび申し上げます。

価値ある仕事

皆さんのお仕事は、時給いくらですか。
月給は?はたまた年収はどのくらいでしょう。
仕事の価値を言う時、得ている代価を引き合いに出すことはよくあることです。
そしてそれが、一面的な価値観に過ぎないことは分かっていても、得られる収入は生活に直結していますから、誰もが、その仕事はいくらになる?ということを気にします。
さて今、うちの娘たちが作品展に備えて、せっせと手仕事をしています。
聞いてみると、一日中頑張っても1個は完成させられないそうです。
見ていて何となく分かってはいましたが、改めて驚きました。
と言うことは、普通に労働として評価するなら、作品の値段は1個1万円でも安い、ということになります。
でもそんな値段で買う人なんかいないだろうし、1万円なら意欲がわくかと言えば、そういう問題でもありません。
結局、彼女たちが決めた値段は、1個2,000円です。
このうち30%を、手数料としてお店に払いますから、手取りは1,400円ということになります。
ですから、これで生計を立てることは不可能です。
だからそれは、仕事とは言えないでしょうか?
やる価値のないことでしょうか?
そうじゃありませんね。
考えてみると、金にはならないが大切な仕事、沢山ありますね。
家族のために食事をつくること、皿を洗うこと、洗濯をすること、便所の掃除をすることなどは、一番典型的なものでしょう。
自分の汚した皿を洗っても一円にもならないが、他人の皿を洗えばお金がもらえる。
その理屈で進んで行くと、何をするにもいくらになるかだけが、重要な価値になってしまいます。
そこで失われてしまうものがあることに、今、どのくらいの人が気づいているだろうかと、ふと思ってしまいます。
話が飛びますが、税制調査会という機関が、「配偶者控除は廃止すべき」という答申を出したそうです。
その理由の一つは、「配偶者控除は、女性の就労意欲を妨げている。」からだそうです。
こういう発想をする方々は、「家庭」というものを、どのように認識しているのでしょうか?
また、それが本当に男女平等に寄与するのでしょうか?
その辺のことについては、また改めて述べさせていただくことがあると思っていますので置きますが、そうやって私たちの社会は、やることなすこと全部を、味気ないつまらないものにしてしまいつつあるのじゃないでしょうか。
うちの娘たちの手仕事を見ていて分かることですが、創造的感覚や針を運ぶ意欲は、必ずしも金では買えないということです。
同様に、活気に溢れ意欲に満ちた社会もまた、金では買えないと、私は思っています。

マイインターネット

ブログを始めて8ヶ月近くになり、毎日の訪問者数(カウンターの数)も、安定して100を超えるようになりました。
一応、これは当初目指していた数です。
その数に達してみて思いますが、数も大事だけどアクセスの中身がさらに大切じゃないかということですね。
でもそれを直接知る方法はないわけです。
コメントをいただいたりすると手応えを実感出来ますが、無くても、ちゃんと読まれているかどうか、確信はありませんが何となく分かります。
ブログやホームページを公開する時、出来るだけ沢山の人に見てもらいたいと思うのが人情ですが、私の場合、そのためにやっていることは二つあります。
一つは、出来る限り毎日、手を抜かない記事を書き続けること。
もう一つは、友人知人に、また店のお客様や外で出会った方々に、アドレスをお知らせして「良かったら見てください。」とお願いすることです。
それ以外は、特に何もしていません。
それでも続けているうちに、少しずつですがアクセスが増えて来ました。
私は、この少しずつというのが、大事なことかなと思っています。
それで面白いのは、食工房のホームページで、「食工房」というキーワードでGoogleで検索すると、今は、トップページの6番目あたりに上がっています。
今やありふれた名称の「食工房」は、63,600件もヒットします。
その中から「食工房」だけでこのポジションにいられるのは、ブログ「飯豊の空の下から・・・」とリンクしているからですね。
ブログ「飯豊の空の下から・・・」の方は、今では、こちらが思いもかけないようなサイトに拾われて、上位にランクされていることもあり、広がり始めたという兆しを感じています。
ブログを始めて少し経った頃、ブログなんて結局、誰が読んでいるか分かる範囲の人しか読まないものだと、半ば諦めかけていましたが、これからがやっと始まりなのだということが分かったような気がしています。
ホームページも、もう少し関わりたいと思いますが、とにかく時間がいくらあっても足りません。
とりわけ今日は、忙しい木曜日。
本日はこのへんで・・・。

大根抜きと雪囲い

今日は、天気予報どおりバッチリ晴れましたので、予定通り大根抜きと雪囲いをやりました。
うちの畑は、四番目の息子がほとんど一人で取り仕切っていて、自家用野菜のいろいろをまかなってくれています。
畑は家のすぐ前にあり、歩いて1分という至近距離で、なかなか便利です。
食事の支度を始めてから、あわてて足りないものをとりに行ったりすることもあります。
面積でいうと100坪くらいで、家庭菜園としては上等です。
年間使う野菜の、かなりの割合を自給出来ます。
毎年この季節は、越冬保存用に大根と白菜を収穫します。
今日は、沢庵用に50本余り大根が必要なので、早速畑に行って抜き始めました。
大根をつくったことのある方ならお分かりでしょうが、皆が皆、スラーッとまっすぐとは限りません。
形が悪いというか、否、面白いと言った方がいいようなのが次々と出て来ますので、結局80本くらい抜きました。
それでも畑には、まだまだその2倍くらいは残っています。
あとは、生のまま保存して冬の間中食べます。
沢庵用にまっすぐなのを選び、それ以外はすぐに食べる用。
当然余るので、千切りにして干そうかと思っています。
抜いた大根は葉を切り落とし、きれいに水洗いして干します。
葉も一部は洗って干し、一緒に漬けます。
こうして、大根抜きと大根洗いで午前中が終わり、午後は雪囲いです。
うちの雪囲いは、ご近所の雪囲いと少し違っています。
たまたま、土建屋さんが使う足場パイプを沢山持っていたことと、家の軒が深いので雪囲いを壁から離して、窓を開けて換気出来るようにしたかったことの二つの理由で、ちょっとした建造物のようになっています。
特に北側は、毎年軒の高さ近くまで雪が積み上がりますが、窓を開けても間に広い空間があり上から光が入って来ますので、家の中は電気を点けなくても明るくて快適です。
今日は二時間余りの作業で、とりあえず北側の囲いの一部を残して終わらせました。
この後、プロパンガスの業者が、越冬用に大きなボンベを何本か設置してくれますので、それが終わったら全部塞いでしまいます。
もう、何時雪が降り出してもおかしくない季節なので、とりあえずこれで一つ心配の種が減ったというわけです。

こういう時、写真があればと思いますが、作業中は手が汚れているし、撮影している暇もないわけですね。
ちょっと残念。

夜来の雨に

夜来の雨に眠りを破られ、ふと熊たちのことを想いました。
自分の体一つ、それ以外に何も持たずに生きているケモノたちにとって、この雨は恵みかそれとも災いか・・・。
どちらでもあり、どちらでもないというのが本当のところなのでしょう。
間もなく冬眠に入る熊たちは、十分に食いだめ出来ただろうか、十一月の寒空の下でどうやってこの雨をしのいでいるのだろうか、そしてどんな感じがしているだろうかと、想いを巡らしているうちに歌を思い出しました。
「まんが日本昔話」というTV番組を、どなたもよくご存知だと思います。
あれのエンディングテーマに流れていた、あの歌です。
よく覚えています。



  くまの子見ていたかくれんぼ

  おしりを出した子一等賞

  夕焼けこやけでまた明日、また明日

  いいな いいな 人間っていいな

  おいしいおやつ
に ほかほかごはん

  こどもの帰りを 待ってるだろな

  ボクもかえろ おうちへかえろ
 
  デンデンデングリガエッテ バイバイバイ

  
  もぐらが見ていた 運動会

  びりっ子元気だ 一等賞


  夕やけこやけでまた明日 また明日

  いいないいな 人間っていいな

  みんなでなかよく ポチャポチャおふろ

  あったかいふとんで眠るんだろな

  ボクもかえろ おうちへかえろ
 
  デンデンデングリガエッテ バイバイバイ
  

こんな歌でした。
私は、冬の寒い夜布団に入る時、夜中に思いがけず用足しに起き出してまた布団に戻る時、ほとんど条件反射的にこの歌を思い出します。
そしてもう一つよく思い出すのは、宮沢賢治の「なめとこ山の熊」のお話の中で、小十郎がしとめた熊に向かって「おい、こんど生まれて来る時ぁ、熊なんぞに生まれるんでねえぞ。」と語りかけるシーンです。
昨夜は雨音を聞きながら、そんなことを思い出しながら、あたたかい寝床やおいしい食べ物にありついていい思いをしている人間たちが、実は一番弱くて罪深いということを教えられたような気持になりました。

  冷え込み今一つ・・・。

シュトレンをつくっていて、昨年、一昨年のことを思い出してみると、今年は冷え込みが今一つという感じがします。
前の日につけたバターと砂糖の固まり具合が、何となく緩いし、シュトレンに触っても冷たいという感じがしません。
あまり暖かいと、熊たちも冬眠に入れないのだとか・・・。
本当は人間だって、暖かくて楽だとばかり言っていられないはずですね。
でも、暖冬で始まった冬の方が、雪が多かったような記憶がありますので、油断しないようしっかり冬支度をしなくてはと思っているところです。

旧知来訪、久々の酒

四年ぶりに、知り合いが家族で訪ねて来てくれました。
新鮮な秋刀魚をおみやげにいただきましたので、タタキにして一緒に私の手づくりビールを楽しみました。
普段飲まないので、ビールを少しで、もういい気分になってしまいました。
というわけで頭も回りませんので、いろいろ書くことがあったんですが、明日のことといたします。