Mikio フォトアルバム 獏の空の下から・・・ より 「裏山の空」
Mikio フォトアルバム 獏の空の下から・・・ より 「モミジの実生」
どんなに忙しくても、忘れたくないことがあります。
空を仰ぎ、風の音に耳を澄まし、匂いを嗅ぐこと。
樹木を眺め、草花を愛で、地を這う虫の行方を気にすること。
どうか、「そんなことは、暇な人間のやることさ!」と言わないでください。
それを忘れたら、多分、人は自分が何のために生きているのか、どうしてこの世界に生まれて来たのか、それが分からなくなる。
私は、そう思っています。
本日の食工房
暖かくなって酵母の調子は絶好調です。
おかげで仕事のペースを煽られています。
パン生地もちょっと暴れ気味です。
「高野通信」カテゴリーアーカイブ
奥会津アイリッシュコンサート
picture by Machiko Aoki
昨年10月1日、会津金山町の妖精美術館で催された奥会津アイリッシュコンサート、昨年の大成功で盛り上がったスタッフの情熱と出演者のご協力により、今年もまた開催出来ることになりました。
地方の、そのまた辺境と呼ばれるような場所だからこそ、文化的価値の高いイベントを開催する意義はいっそう大きい、という趣旨に賛同したボランティアスタッフのみの企画運営による昨年のコンサートには、主催者の予想を上回る方のご来場をいただきました。
一日の来場者としては、妖精美術館始まって以来ということでした。
今年は、出演者のメインゲストとして、昨年と同じアイルランドで一番のティンホイッスルの名手、ショーン・ライアンが来日します。
それから、ショーンの来日時にはいつも一緒に演奏している守安功&雅子ご夫妻。
そして今回は、会津の地元からフェアリーランド(片山紀彦&れい子)の出演もお願いしています。
なお会場では、食工房の出張カフェも開店します。
パンや焼き菓子の販売もあります。
開催日時は、10月13日(土)開演時間など詳細は未定。
料金、チケットの販売などについても未定です。
なお、今年も主催者母体である「会津愛蘭土音楽会」のメンバーを募集しています。
コンサートの企画運営にボランティアで参加していただける方ならどなたでも会員になることが出来ます。
ただし、会員になっても特に恩典があるわけではありません。
チケットも無料にはなりません。
あくまで、趣旨にご賛同いただける方の参加を募ります。
(打ち上げパーティーには優先的にご参加いただけます。)
これから毎月一回、コンサートの実行委員会を開いて行きますので、ご参加いただける方はご連絡ください。
「奥会津アイリッシュコンサート」のホームページがあります。
昨年のコンサートの模様を記録した画像も見ることが出来ます。
連絡先もそちらで分かりますので、是非ご覧ください。
なお、食工房でもお問い合わせにお答えしています。
ご連絡先は、こちらから。
本日の食工房
連休が終わり、明日、あさっては定休日なので売るものもなくなり、開店休業状態でした。
せっかくご来店いただいた方には、申し訳ありませんでした。
今週からまた普段どおりの、長閑なパン屋に戻ります。
皆様のご来店をお待ち申し上げております。
ふたたびフィンランド
この前からずっとフィンランドの世界一が気になっていましたので、ネットの力を借りていろいろ調べています。
また知り合いが、新聞の切り抜きを回してくださったりで、少しずつ資料がたまって来ています。
そんな中から二つほど話題を・・・。
「政治家の汚職が世界一少ない国」と多分大いに関係があると思うのですが、フィンランドは世界的に見ても税金の高い国として知られています。
当然のこととして、国民はその税金がどのように使われるのか、政治家や公務員に不正行為はないか、大変高い監査意識を持っているわけです。
逆に議員報酬などは低く、国会議員でも生活のために別に仕事を持っているのが普通で、地方議会の議員と掛け持ちしている人もいるそうです。
国民の高い監査意識と利権を生みにくい社会制度が合わさって、政治家の汚職を防いでいると言えそうです。
日本の私たちの感覚だと、税金が高いことは即悪いことだと認識していますが、フィンランドの人の意識はちょっと違っているみたいです。
もう一つ「図書館の利用率が世界一」は、とても明確な理由のようです。
人口520万人のフィンランドでは、本の出版部数もずっと少なくなります。
本の値段は必然的に高くなりますから、よほど気に入って手元に置きたい本以外は、図書館で借りるという選択になっているわけです。
そして、子どもの学力のこと、教育のことが何と言っても大きな関心事ですが、これはまた次の機会に・・・。
さて堅い話ばかりでは申し訳ありませんから、楽しいフィンランドのことが分かるサイトを二つご紹介しておきます。
フィンランド政府観光局
マイスオミ
本日の食工房
今日は、さすがゴールデンウィークと言えるお客様が多勢見えました。
東京から、新潟から、今回初めて食工房を知った方、地元出身で東京から帰省中の方、ご常連の方のお友達など、次々と訪ねて来てくださいました。
写真は、東京からツーリング中の方のバイク。
食工房がいつもお世話になっている、北塩原の「あらさと」というお蕎麦屋さんに立ち寄っ時、うちをご紹介いただいたとか・・・。(あらさとさん、いつもありがとうございます。)
若いご夫婦でしょうか、お二人で一台ずつ400cc単気筒のバイクに跨って颯爽と旅立って行かれました。
かっこよかったです!
私も昔、独り者の頃はライダーだったんですが・・・。
一ノ戸川
食工房のある山都町、相川地区は、飯豊連峰の一つ三国岳の直下、白布沢の大滝より流れ出る一ノ戸川添いにあります。
4月7日の記事にも書きましたが、河原は私の散歩コースの中でも特に好きな場所です。
河原に行くとあちこちに、写真のようなマスクを作ります。
これは私の遊びでもあり、真剣な祈りでもあるのです。
昔から、川には龍神が宿ると言われていますが、私もそのとおりだと感じています。
前に白布の大滝に詣でた時、そこはまさに龍の頭だという感じがしたことは、その後もずっと新鮮な記憶として残っています。
河原を歩く私は、命の水を恵んでくれる一ノ戸川の龍神の背中の上で遊んでいる子どもです。
川の流れに洗われて童心に帰った自分の心の喜びをここに残しておいて、それをだれかが目に留めて思わず微笑んでくれたら、それで私の願いが叶ったことになります。
価値あるモノ
今日は、写真を沢山お見せします。
ダウンロードに時間がかかる方、申し訳ありません。
これでもご紹介するのは一部です。
モノの価値はどこにあるかと問われたら、私は、そのモノの物理的価値よりも、それに込められた造り手の情熱だと答えます。
実際そのとおりなんですから。
造り手が、打算を忘れて純粋に造ることに情熱を傾ければ傾けるほど、物理的価値も増すからです。
写真でどの程度お伝え出来たか分かりませんが、これらのモノたちは、どれをとってもそれぞれの個性で、人の心を惹きつける力を持っています。
似たようなものでもっとずっと値段の安いものを幾つ買うのを我慢しても、これ一個が欲しいと思わせるくらいその力は強いです。
そしていつまでも満足感が薄らぐことはありません。
それは、それを造る人が骨身を削って注ぎ込んだ何かがあるからに違いありません。
本日の食工房
ゴールデンウィークの初日は、何と、東京から再会するのが7、8年ぶりになる知人が息子さんと二人で、前ぶれなしに駅から6㎞の道を歩いて訪ねて来てくださいました。
嬉しかったですねェ。
掛け値なしに、こういう仕事をしていて良かったと思います。
明日はカフェクラブの集いですが、まだ誰からもご連絡をいただきません。
でも、明日になって見なけりゃ分かりません。
今日みたいに、またどなたが見えるかも知れませんから、楽しみに待っていることといたしましょう。
モノづくり
私たちのような製造業の仕事を、この頃はモノづくりと呼ぶようになりました。
モノとは、実体があって手触りのあるもの、それに相対するものはバーチャルということになるのでしょうか。
ネット上で情報を作り出すことの簡単さに比べれば、モノづくりは手間暇がかかります。
でも私は、モノづくりは人間にとって無条件に楽しみや喜びであると思っています。
頭と五感と手足と、そして道具を使って何かをつくることは、人間の本能的な願望だとも思います。
で、それを職業としてやるとなると、いろいろな矛盾に苛まれることになるわけですが、それでもやはりそこに基本的につくる喜びがなかったら、良いモノは出来ないと思うのです。
小さなものから大きなものまで、何をつくっている人にもそれぞれに楽しみや喜びがあることは、パン屋というモノづくり商売をしている私にはよく分かります。
だからというわけではありませんが、食工房の一角で知り合いの作家たちが作った衣類や陶芸品、木工品などの雑貨を展示販売しています。
どれもこれもそれぞれに作者の人柄が凝縮していて、手に取ればもちろんのこと、眺めているだけでも喜びが伝わって来ます。
つくった人の心を宿したモノに巡り会えることは、それをつくることと同じくらい大きな喜びを得られる、そんな気がしています。
皆さん、どうぞ価値あるモノたちに会いにお出ください。
工房 「かし」 山脇 隆 作 東急ハンズ大賞展 マインド賞受賞者
ひぐらし農園
わが山都町には、他所から移住して来た方が多勢います。
何故か、それには理由があるのですがそのお話しはまた別な機会にすることとして、「ひぐらし農園」は食工房のあるところからすぐ近くの早稲谷という集落にあります。
無農薬有機栽培を基本的方針として、米、野菜の他、平飼い自然養鶏の卵、農家の加工品なども作って販売しています。
食工房では、こちらの卵をケーキ用に供給していただいています。
何と言っても、おいしくて安全が第一ですが、お菓子造りの現場から評価させていただくと、卵白を泡立てた時の腰の強さと卵黄の油の乳化力が素晴らしいことが、何よりありがたいところです。
ところで、会津の山奥で新規就農というのは、現実的に考えるとかなり厳しい選択であったと思うのですが、もう入植十周年を過ぎてまだまだ意気盛んに頑張っていらっしゃいます。
都会から農業や田舎暮らしに憧れて話を聞きに訪ねて来る方も少なくないとか。
こうした地道な生産者のおかげで食の安全が維持されているということを、もっと沢山の人に知って欲しいと願わずにはいられません。
当農園のブログ「ひぐらし農園のその日暮らし通信」を、皆さんぜひご覧ください。
http://white.ap.teacup.com/higurasi/
本日の食工房
私の方は、一週間の仕事が終わって明日は定休日です。
あ、それから思い出しました。
今日は私の妹の誕生日でした。
関係ない話ですみません。
このところちょっとくたびれ気味で、明日は思い切り朝寝をしようかなと思っています。
よそ者の会津考 vol.1
今日は、月一恒例で会津若松市まで配達に行って来ました。
片道約1時間。
会津の風景の中を走っていていつも思うことは、会津は本当に天然自然の恵みの豊かなところだということです。
そして、ここは一つの「国」だとも思います。
作物は良く出来るし、水は豊かだし、森林資源はもちろん、観光資源もいっぱいあります。
ないのは海岸線だけで、あとはみんな揃っているんじゃないでしょうか。
会津は福島県の西側半分を占める広い地域です。
面積的には、四国の香川県や徳島県より広い地域に、30万人そこそこの人口です。
面積の大半は山岳森林地帯で、人が住めない場所です。
会津の人口の大半は、会津若松市を中心にほとんどが、会津平ら(あいづだいら)と呼ばれる平地に集中して暮らしています。
一見、広いだけで暮らし難い場所だと見られそうですが、私は、このうしろにひかえる広大な山岳地帯こそが、会津の30万人の人口を豊かに養うことが出来る大切な資源だというふうに見ています。
会津で生まれ育った方が同じように見ているかどうか知りませんが、私には、唄の文句ではありませんが、会津全体が「宝の山」に見えています。
飯豊夜話 高野通信2号より
飯豊山が信仰の山であることは広く知られているが、地元の人々にとっては一段とその意義は大きい。
最近でこそ廃れてしまったようであるが、昔は、男子は十五歳になると白装束に身を固めて、先達に導かれながら飯豊山に登ったそうである。
無事、山頂の飯豊山神社に詣でて帰って来られれば、一人前の男として認められることになる大切な儀式であった。
このあたりのお年寄りにうかがうと、皆例外なく一度はこの山に登っている。
一方、昔はこの山は女人禁制で、女性が飯豊山に登るようになったのは近年になってからである。
さて先日のこと(※2004年7月)、念願叶って私も飯豊山中に足を踏み入れる機会をいただいた。
途中、クサリ場と呼ばれる断崖の難所が幾つかありそこを通りかかった際、案内役として同行してくれた知人が、足元に一枚の古銭を見つけて私に手渡した。
聞けばそれは、その昔、この難所を無事通り抜けて山頂まで往って帰って来られるようにと、願いを込めて奉納されたお賽銭であるとのこと。
後の世にたまたま通りかかった私たちに発見されたのも何かの縁かと思い、ポケットに忍ばせて持ち帰った。
往きに一枚、帰りにも一枚、二枚の古銭を持ち帰ったその日の夜半、不思議なことが起こっていた。
息子が、夜の間ずっと自分が寝ている部屋の階下の居間に、盛んに人が出入りする物音が聞こえて眠れなかったと言うのである。
そして、小銭を数える音もしていたと聞いて、私はすっかり納得してしまった。
聞くところによると、あの難所で不幸にも命を落とす人が、少なからずいたそうである。
往きの一枚は、往路難に遭い山頂まで辿り着けなかった人の、また帰りの一枚は山頂に詣でたものの、帰り道に難に遭い里に戻れなかった人の、それぞれの無念の思いをどうにかして欲しいとの現れであった。
今私は、その二枚を神棚に上げ、次にまた飯豊山を訪れる機会を待っている。
その時が来たら、二枚を携えて入山し懇ろに供養するつもりである。
illust by Machiko
種蒔き桜
春の遅い東北にも、やっと桜の季節がやって来ました。
飯豊山を間近に眺めるここ山都町でも、これから花見のシーズンです。
食工房のある高野には、近所で一番先に開花する二本の桜の木があります。
「高野の種蒔き桜」と呼ばれるこの桜がここニ三日の間に咲き始め、それにピタリと合わせるように、今週末あたりはこの辺の農家はどこも苗代に種蒔きをしています。
こうして田んぼに水が入ると、春の実感もいよいよ確かなものとなり、農家ではない私でも、何やらそわそわと落ち着かない気分になります。
この季節、外の空気は清々しく気分は最高ですが、パン屋の作業場はこれからしだいにオーブンの余熱で暑苦しくなって来ます。
酵母にとっては活動に適した温度帯になりますが、人間にとってはちょっと大変です。
合い間、合い間に外に出て、外の空気を吸い花を眺めています。