食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

職場復帰

ちょっと大げさな物言いになりますが、休みが続いたあとは仕事に戻るのが、ある意味大変です。
何も暇にしていて体が鈍ったとか、そういうのではありません。

休みなら休みで、時間がある時しか出来ない用事に時間を割いていますし、普段はやらない(やりたくても出来ない)料理も手を出しますし、普段とは違う体制が出来てしまうのですね。
休みが終わる時は、それを切り替えなくてはならないわけです。

そういうこともあって、今日からパンだよりの編集を始めています。
本当はもっと早くからやればいいことなのですが、やっぱりお正月は特別なお休みの期間だという気がして、仕事はしてはならないと思っているわけでもないのですが、結局何もしないで過ぎてしまいました。

そして、思い返せば震災以来取れることのなかった緊張感に、突然ひびが入ったような感じがして、一瞬ですがもう仕事は出来ないと思ったほどです。

福島の原子力災害に、少なくとも私が生きている間、終わりが来ることはありません。
放射能のリスクとは、この先何十年否何百年先まで付き合わなくてはならないのですから。

もちろん注意深く対応して行けば、農作物を収穫することも製造品を造ることも可能です。
しかし、そのための私たちの苦労を分かる人は、時間とともにますます少なくなって行くことは、多分避けられません。

そしてこの先も何度も何度も、福島の生産品が敬遠される状況が繰り返されると思います。
その度に仕切り直しをしなくてはならない私たち・・・。
限界が来てしまう生産者や地域が出ることもあるでしょう。

食工房は、本当にありがたいことですが、厚いお志しで支えてくださる皆さまのおかげで、何とかこの2年近くを切り抜けて来ました。

今、私が勇気をいただいているお客さまからのお言葉があります。
幾人かの方々が、異口同音に「食工房のパンは、元気が出るパン・・・。」と。

元気をいただいているのは、実は私たちの方です。
そのおかげで、今日まで続けて来られました。

明後日8日(火)は、食工房開店9周年です。
今年は、いよいよ10年目なのです。

この一年も、いっそう確かな歩みで進みたいと思います。

職場復帰出来そうです。

お正月


除雪だけは、元旦も休みなしです。


新しい年が明けました。
皆さまそれぞれの感慨の中に、新年を迎えておられることと思います。
どうぞ、本年もお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

我が家は、昨年夏に連れ合いの母上が亡くなり、服喪中なので年賀状も書きませんでしたし、新年のお祝いという感慨も希薄です。
ただ一つ元旦が長男の誕生日なので、これだけはささやかにお祝いをしました。

まあそんなこんながあっても無くても、この新年は目出度いというよりも、何か覚悟を迫られるような感覚に捕らわれている私です。
この先どうなって行くのか全く想像もつかない世の中、そんな中で私に出来ることは仕事に対して誠実であることだけ、そこに対する覚悟ということでしょうか。

さて食工房はこの1月8日に開業9周年、いよいよ10年目に入ります。
ここまで続けて来られたのも、ひとえに皆さまのご愛顧あってのことと、この場を借りて感謝申し上げます。

今年のこの日は、年末年始休業中で何も出来ませんので、営業再開後の日曜日(13日)あたりに、ささやかにお振る舞いをしようかと思案中です。

昨日、今日、そして明日も、会津は雪模様です。
お正月と雪、似合いますね。
静寂の中に、一日を過ごした元旦でありました。

今年最後の、イベントのご案内

本年最後の営業も無事に終え、食工房は明日から来年1月9日まで休業いたします。

それでイベントのご案内と言うのは、毎年12月31日の深夜、会津若松市内七日町駅前で行われる新年を迎えるイベントです。
「七日町カウントダウン&除夜の鐘」~ 31日午後11時から新年1月1日午前1時まで、近くの阿弥陀寺で参加者一人一回ずつ鐘をつくことが出来ます。

これに合わせて、駅カフェも深夜営業しています。
そして、食工房製の特大シュトレンの切り分けお振る舞いがあります。

今年最後の、食工房のシュトレンを食べられるチャンスというわけです。
何しろ、完売御礼ですから。

他に、甘酒のお振る舞いもあるそうです。

お時間のある方、大晦日は「七日町カウントダウン&除夜の鐘」へお出かけになってみては。

改めて、この一年のご愛顧に感謝を

あっという間の様な、しかし長い長い戦いのようでもあった一年が、間もなく終わります。
食工房にとって、この一年は決して楽な一年ではありませんでした。

震災が過去のこととして、人々の記憶から遠ざかって行くのは仕方がないとしても、そのおかげで福島でモノを生産し生計を立てて行くことは、時間とともに益々難しくなっているような気がします。
どの方面でも、必死の努力をしても現状維持すらままならないというのが現実です。

そんな状況の中、食工房にお付き合いくださった少なからぬ方々に、改めて厚く感謝を申し上げたいと思います。

そして、「放射能のことは、もう忘れてもらって構わない・・・。」と言えるくらい、見えないところでの対応対策をしっかり継続して行きたいと思っています。

そしてまた、皆さまにもお願いいたします。
福島の原発が、震災直後に爆発したのであることを、その後も200万人近い人がそこに居て生活を続けているということを、どうぞお忘れにならないでください。


食工房、明日を以て年内の営業を終了いたします。

最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。

一年の疲れ

今日は午前中、マフィンとスコーンを焼いて、本年最後の製造仕事をしめくくりました。
午後は配達に回って、これでもうあとは二日間の店の営業だけです。

いつもなら、明日の土曜日もパン焼きで、緊張感のうちに早めの就寝を心がけますが、今夜はそれがありません。
代わって、一年の疲れがドッと押し寄せて、今はとにかく何も仕事のことは考えられません。

何はともあれ、皆さまとのご縁に支えられ、何とか辿り着いた一年の終わりです。
感謝!感謝!

明日は餅を搗こうかと・・・。

あと5日


よかったら、デスクトップ背景に・・・。


今年も、残すところあと5日となりました。
いろいろなことがあり過ぎて、感無量を通り越して、呆然自失の趣きです。

そして明日は、本年最後のパン焼き。
いつもより少し多めの仕込みになっています。
気合を入れて臨みます。

美味しいパンが焼けると思います。
実家の母と妹にも届けなくては・・・。


来る年がどのような運びになるのか、全く想像も出来ません。
今日はまた、新しい総理大臣が指名されたそうで、これでまたこの日本の行く末に違った方向性が示されることになるのでしょう。
それが我々にとって幸か不幸か、しばらく先に行ってからでないと分かりませんね。

何はともあれ、私にはパンを焼くことしか出来ませんが・・・。

皆さまのご来店、お待ちしております。

一年の感謝の気持ち


ランプとロウソクの明かりを灯して、準備万端


今日は、特大シュトレンを切り分けして、ご来店くださった方々に召し上がっていただきました。
お出でになった方は数人でしたが、皆さんお互いに顔見知りで食工房での再会を喜び合う場面もありました。
そこで私たちも同席させていただき、そのままクリスマスお茶会になりました。

今年のシュトレンは、何かと評判が良くて、完売御礼のブログ告知をご存じない方から、まだ注文出来ますか?とお電話をいただきます。
今日は、最後の最後ということで、特大シュトレンの一部を、どうしてもという方にお分けしました。

これでもう残りはありませんが、もう一つだけサプライズがあります。
二つある特大シュトレンの一つは、今日使いました。
もう一つは・・・?

いつもいつも特別お世話になっている、駅カフェさんに使っていただくことにいたしました。
多分、年末恒例のカウントダウンイベントの時に、お振る舞いされることになると思います。
お楽しみに!

そしてこの一年間、食工房をご愛顧くださった多くの方々に、改めてこの場を借りて御礼申し上げます。

食工房、年末は28日が製造最終日、30日まで営業して本年の営業を終了いたします。
どうぞ、最後までよろしくお願いいたします。

シュトレン、完売しました。


特大シュトレンは、1本2.2㎏超の巨大サイズです。
左側が、食工房の通常サイズのシュトレンです。

おかげさまで、今年の製造分を完売いたしました。
ただし、ご予約いただいている方の分は確保しております。

沢山のご利用、ありがとうございました。
この場を借りて、今一度御礼申し上げます。

なお、明日23日は、試作いたしました特大シュトレンのお披露目とお振る舞いをいたします。
ご都合のよろしい方、ぜひご来店ください。

包丁を入れるのは、午後2時といたします。
それまで店頭展示いたします。

ご来店くださいました方に、切り分けたシュトレンをその場で召し上がっていただき、余裕があればお持ち帰りもしていただきます。
またコーヒーサービスもありますので、どうぞお楽しみにおいでください。

シュトレン、ご好評いただいております

ご自宅用に、ギフト用に、お届けした今年のシュトレン、各方面からご好評をいただいております。

自分でも何度か試食していますが、本当においしい・・・!
食工房のだからというのでなく、シュトレンってそういう食べ物のなのですね、きっと。

だって、材料の取り合わせがが素晴らしいですよ。
そして手間と時間がかかっています。
他の焼き菓子とは、何か次元が違うのです。

発酵生地を使いますので、カテゴリーとしては「パン」に属するのですが、パンの一言では到底言い表せない、ケーキとも違う!シュトレンはシュトレン以外に呼び名は無いと思います。

そこに食工房だけのオリジナリティーも加味して、こうして皆さまに喜んでいただけることは、つくり手として最高の幸せです。

さてさて、それに気を良くしたからというわけではありませんが、シュトレンと並ぶクォリティーの焼き菓子をもう一つ完成させたいと目論んでいます。
もうご存知の方もいらっしゃるはず。
そうです、アニスシードケーキです。

今までに3種類のレシピで試しています。
それぞれおいしくて、一時的に製品として販売もしています。

しかし、シュトレンのパフォーマンスには今一つ及ばないところがあって、それを来年早々から研究に注力して何とかしようと思っているのです。

これもまた大変な手間と時間のかかる焼き菓子です。
香りを出すためのリキュールづくりから始めなくてはなりませんから。

ま、それは来年のお楽しみと言うことで、とにかくも沢山のシュトレンのご注文、ありがとうございました。
この場を借りて、お礼申し上げます。

ちなみに、残りあと数個となりました。





  ”We are the World”

この歌、覚えている人、いらっしゃると思います。
どちらかと言えば、私たちくらいの年配の方が多いはず。

21世紀を前にしたこの時代、平和とか精神世界とか、地球は一つとか、素晴らしい理念が語られていたと思うのですが、私たちの前に訪れた21世紀は、それとは全く逆の新たな戦争の時代でした。

9.11とそれに続くアフガニスタン戦争、イラク戦争、そして今もシリアでパレスチナで、爆弾が炸裂し銃弾の雨が降り注いでいます。
そして言うまでもなく彼のアフリカは、この間どれほどの辛酸を舐めてきているか・・・。

今日、ふと思いつきで昔のヒット曲を聴きあさっていたら、この”We are the World” に辿り着きました。
聴いていて、何故だか分かりませんが目頭が熱くなりました。
この30年近くの年月、私たちはいったい何をしていたのだろう・・・と。
皆さまも、今一度お聴きになってみては。


 



 

たくあん、漬けています

今年は、畑が良く出来て、大根も沢山とれました。
そこでたくあんも漬けて見ました。

家のたくあん漬けのやり方は古式製法で、大根は十二分に干し上げて、一方塩を強くして着色などは何もせず、米ぬかだけで漬けます。

今回はそれに、プンパニッケルに使っているザワータイクを入れて見ました。
間違いなく熟成が早まるはずですし、味も良くなるのではと期待しています。

元々、ザワータイク自体糠床と大差ない代物ですから、初めっから違和感はないのです。
パンと酒と漬物は、いずれも酵母と乳酸菌の働きによって出来るものですから、一つに精通すればあとは推して知るべしの世界です。

・・・とここまで申し上げて、そう言えばビールを・・・と思い出してしまいました。
震災以降やってないのですね。

よーし!来年は、パンとビールと漬物だァ!と突然やる気満々の私。
ノウハウはあるのですよ。無いのは時間なんです。
うーむ・・・。

脈絡はありませんが、今日のコーヒー焙煎、最高でした。
モカ・イルガチェフェG1グレードが、なかなか良さ気です。
ハイチ・マールブランシュの大粒豆(スクリーン17~18)も入荷し、本日焙煎。
隠れブルマン(ブルーマウンテンの略)の異名を付けたいくらい素晴らしい。

ところで、おいしいものを食べるのと、おいしいものを造るのと、あなたはどちらが好きですか?
私は・・・、お分かりですよね、造る方に決まってるじゃないですか。
たとえ、食べられなくてもいいんです!?
味見くらいでも。

これ、食工房病の末期症状です。